799 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/04(日) 01:19:12.57 ID:nDu0Ijt40
杏子とさやかが喧嘩している様を見てほむらが「ケンカするほど仲が良いのね」と言って二人してほむらにつっかかるところを見たまどかが
「そういえば私さやかちゃんと本気で喧嘩したことない・・・仲よくないのかなぁ」と不安になりその晩そうだ喧嘩しようと思い立ってぽつりと
「さやかちゃんのばーか・・・」と呟き喧嘩している様を想像したらなんだか無性に悲しくなってきてぽろぽろ泣き出しちゃって
夜分ごめんなさいと思いながらもさやかに電話をかけて「ごめんねさやかちゃん・・・」といきなり謝られたさやかはわけもわからず慌てふためくも
ひとまず理由を聞いたら拍子抜けして以下略
そんな漫画かSS書いてください!!
812 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/04(日) 04:45:00.38 ID:6sQJpgTv0
799
途中言葉が思い浮かばなかったので身勝手な設定入ってますが。
「杏子!それあたしのシュークリームじゃん!」
「ああ!?誰も食わねぇんだからアタシが食っただけだろ? さやかのだってんなら名前書いとけ名前!」
「言わせておけば…ナメんじゃないわよッ!!」
ティーパーティーの最中、聞き慣れた二人の怒声が響く。
ああ…今日もさやかちゃんと杏子ちゃんの喧嘩が始まっちゃたよ…。
「二人とも喧嘩は駄目だよ~!」
「放っときなさいまどか。喧嘩する程仲が良いって言うでしょ。」
「「なっ………!」」
ほむらちゃんの一言で固まってしまうさやかちゃんと杏子ちゃん。
でも今後は矛先がほむらちゃんの言葉に向かっただけで、程無くしてバトルは再開されてしまった…。
当の火を付けたほむらちゃんは涼しい顔でティーカップを口に運んでたけど。
「誰がこんな奴と仲良くなんてするもんか!」
「こんな奴とは何だ手前ぇッ!自分の物も守れねぇのが悪いんじゃねぇかッ!!」
「…ぅぅ…。」
「………。」
(ガタッ)
「二人共いい加減にしなさいッ!!」
さっきから無言でワナワナを肩を震わせていたマミさんが、音を立てて立ち上がり二人を一喝した。
ここはマミさんのお家。勿論主催者もマミさんな訳で、二人は抵抗なんで出来ずにあっさり非を認めた。
「…すみません。」
「…わりぃ…。」
814 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/04(日) 04:47:03.56 ID:6sQJpgTv0
………♭♭♭………
その夜わたしは独りベッドで膝を抱えていた。ほむらちゃんの一言が頭から離れず全然寝付けなかったのだ。
"喧嘩する程仲が良い"…そう言えばわたし、さやかちゃんと本気で喧嘩した事なんて全然無いよ…。
杏子ちゃんはしょっちゅうさやかちゃんと言い合ってるのに…わたし、さやかちゃんと仲良しさんじゃないのかな…?
「さやかちゃんの馬鹿…」
「さやかちゃんなんて大嫌い」
とりあえず言ってみただけ。いつものわたし達からはまず在り得ない言葉。
…わたしは後悔した。言ってやたらと虚しくなるだけなんだもん…。勿論返事をする相手なんて居る筈がない。
さやかちゃんはいつもわたしに優しくしてくれる。わたしも負けないくらいさやかちゃんを大切に思ってるつもり。
一方でさやかちゃんと杏子ちゃんの喧嘩は日常茶飯事。それでも何だかんだで仲直りして普段の付き合いに至る。
「わたし…何考えてるんだろ…。」
路頭に迷う様な独り言。わたし達の"仲良し"って本当に仲良しなんだろうか?
お互いに気遣い合って、いい所だけを慰め合う"仲良し"…それって上辺だけじゃないのかな?
一度喧嘩しただけで本当に壊れて離れてしまいそうで怖い…。そんなのヤだよ…。
………やっと理解った…。
わたし杏子ちゃんに嫉妬してるんだ。どんなに喧嘩をしても壊れない、そんな"仲良し"に。
「(さやかちゃん…まだ起きてるかな…。)」
携帯でさやかちゃんの番号を呼び出す。時刻は夜12時前。
今頃さやかちゃんはサイレントピアノの鍵盤をコトコト叩いてる頃だろうか。練習の邪魔になるよね。
でもわたしは何故か心細くて…さやかちゃんの声を聴きたい、ただそれだけだった。
「どしたのまどかー? こんな時間に電話なんて珍しいね。」
「………あ………うん…。」
「??? まどか………何かあったの?」
黙ってばかりのわたしを心配してか、一呼吸間を置いて明るいトーンの声色でわたしに尋ねる。
やっぱりこんな我侭なわたしにも優しくしてくれるんだ…そう思うと涙が溢れてきた。
嫉妬する自分が嫌で、優しいさやかちゃんに申し訳なくて…。
「………(グスッ)…ごめんなさい…。」
「へ??? え~っと…何の事…かな…?」
困惑するさやかちゃん。当たり前だよね…電話して来た相手がいきなり黙りこくった上に泣き出すんだもん。
「………えへへ…何でも…ないから…(グスッ)」
「ちょっと!何でもない訳ないじゃん! 泣いてるんでしょ…どしたの?
落ち着いてまどか。ほら、あたしなら何でも聴いてあげるからさ…」
「…―――(ブツッ)」
…思わず電話を切ってしまった。
815 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/04(日) 04:48:33.04 ID:6sQJpgTv0
どのくらい経ったかわからない、わたしは携帯を持ったまま呆然としていた。
ああああ…わたしホントに何やってるの!? これじゃますますさやかちゃんに心配掛けちゃっただけだよ!
せめて言えば良かった…どんな遠回しでもいい。わたしの気持ちに気付いて、わたしに振り向いてって…。
何も言う勇気は無かった。わたしじゃ…わたしなんかじゃさやかちゃんに相応しくないのかな…。
膝を抱えたまま横向きにベッドに倒れ込んだ。重力に従った涙は真横に流れ落ち始める。
このまま泣き疲れれば眠れるかな…?
(ドタドタドタ)
わたしが意識を失おうとした頃、突然階段から足音が聞こえた。
足音はわたしの部屋に近付いて来て…部屋のドアが勢い良く開けられる。
―――えっ…? どうしてさやかちゃんが目の前に居るの…?
「まどかっ!!」
「………さ…やかちゃ…どうして…?」
涙でぐちゃぐちゃなわたしの顔を見てさやかちゃんが抱き付いて来た。
「あんな震える声のまま大丈夫なんて言われて…心配しない訳ないでしょ!?」
わたしの頭はやっと状況が理解ったらしい。
要するに…こんな時間なのにさやかちゃんはわたしを心配して駆け付けて来れたんだ。
わたしを宥める様に、慰める様に繰り返し撫で続けるさやかちゃんの手はとても暖かかった。
………♭♭♭………
暫くしてわたしが落ち着いた後、さやかちゃんに尋ねられてそれまでの事を全部話した。
さやかちゃんは困った顔で大きく溜息を付く。
「あのさ…喧嘩するばっかしが仲良いとは思わないけど?」
「えっ…?」
「あたしあんま器用じゃないから、曲がった考えとか苦手なんだわ。
だから率直に言うよ。まどかには………喧嘩なんかより、こっちの方がいいでしょ…?」
そう言うとさやかちゃんは少し顔を赤らめ、わたしに唇を重ねた。
軽いキスだけど、迷宮に迷い込んだわたしを連れ出すには十分な行為だ。
「―――え…っ!? ぁ…うん…。」
「気遣って何が駄目なの? 大切に思っちゃいけないの?
そりゃぁたまにはあたしとまどかだって喧嘩するかもしれないけどさ…。」
わたしは大事な事を忘れてたのかもしれない。
わたしとさやかちゃんの"仲良し"は、壊れない"仲良し"なんてとっくに超えてたんだ。
嬉しくてまた少し涙がポロポロと毀れた…その涙を唇で掬い上げるさやかちゃん。
「ぅぅ…ごめんね…いつも心配掛けるばっかりで…わたし…。」
「よしよし、嫁がちゃんと話してくれて嬉しいぞ。むしろ嫉妬されたのだって嬉しいかもね。」
「さやかちゃん…わたし…さやかちゃんが好きだよ…?」
「…理解ってるよ、そんな事。」
"好き"の種類を告げる必要は無かった。その証にわたしとさやかちゃんはもう一度唇を重ねる。
今度はなかなか終わらない、深くて熱い、ちょっと大人なキスを交わした。
………♭♭♭………
816 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/04(日) 04:49:53.30 ID:6sQJpgTv0
「でもまさかこんな時間にさやかちゃんが家まで来てくれるなんてビックリだよ~。」
「…家に電話してパパさんに事情話したらすぐオッケーもらったよ。
お風呂はもう入ってたから着替えだけ持って来たけど。」
「へ…!? そ、それって………」
そう言ってさやかちゃんはバッグからパジャマを取り出すと、私服のオフホワイトのセーターを脱ぎ始めた。
「まさかこんなに心配させといて独りで寝るなんて言わないわよね?
もうパパさんにもうちの親にも泊まるって言っちゃったからねー♪」
「えへへっ…♪ それじゃ今日はさやかちゃんにたくさん慰めて欲しいなー♪
「ふっふっふ…さやかちゃんにまっかせっなさーい!」
わたしの嫉妬でさえも魔法の様に幸せに変えてくれたさやかちゃん。
いつかわたしもたくさんお返しできる様に、さやかちゃんを支えてあげられる人になりたいな。
今日はとっても良い夢が見られそうな気がする。それはとっても嬉しいなって。
おしまい。
なんか脱線した気がしないでもないけど…こんなもんでご容赦願います。
おやすみなさい。
最終更新:2011年12月08日 21:16