15 ローカルルール追記議論中@自治スレ sage 2011/12/05(月) 23:41:41.38 ID:0VYX6JZa0
―さやかちゃんと仁美ちゃんが揃って上条君にフラれた―
そんな噂がクラスに流れ始めたのはついこの前の事。
クラスの皆は興味津々といった様子で三人を見ていましたが、さすがに当事者に聞くのは気まずかったみたいで質問されるのはいつもわたしでした。
だけど…わたしは、何も答えられません。
わたしもクラスメイトの皆と同じ何も知らない1人でしかなかったから…
二人の親友のはずなのに、わたしはこうなるまで仁美ちゃんも上条君に恋していた事すら知らなかったのです。
何もかもがわたしの知らないところで進んでいて…わたしに渡されたのは二人が傷つきましたという結果だけ…
「はぁ…」
「ふぅ…」
「……」
今日も三人でお昼ご飯を食べているのに二人はため息ばかり。
どうしてでしょう…二人はわかっていてわたしだけ何も知らないこの状況に胸がチクチクして止まりません。
(わたしは、確かに三人の恋には関係ないけど…)
相談くらいはしてほしかった…役には立たないかもしれないけど、苦しみくらい吐き出してほしかった…
もう、終わった事なのに…わたしの苦しみだけは終わってから始まってしまったのです。
「……楽しくなかったな」
夜、今日1日を自分の部屋で振り返っていたわたしの口から漏れたのはそんな一言でした。
さやかちゃんも仁美ちゃんも、二人でため息をついて、二人で示し合わせたように苦笑いして、わたしが何か聞こうとしても二人でなんでもないよって、誤魔化して…
―わたしがいない間に、二人で抱き合って泣いて慰め合って…
「ひっ、ううっ…」
わたしは泣いていました。
怖かったのです、二人に置いていかれたみたいで…わたしだけ仲間外れにされたような気がして…
「やだあ…やだよぉ…」
置いてかないで、仲間外れにしないで、わたしにも二人の苦しみをわけて…
「…わたしも恋をしていたら、二人の役に立てたのかなあ…」
もしわたしが恋を知ってさえいれば、二人はわたしに相談してくれたかもしれません。
もしわたしが今回の当事者の中の誰かを好きでいたら関われたのかもしれません。
「…わたし、本当に二人のお友達なのかな…」
だけどそんな夢想に意味はなくて…わたしだけ何も知らなかった事実は変えられなくて…
「友達って、何なのかな…」
ぐちゃぐちゃした考えを振り切るように、わたしは布団を頭から被って>>1乙
最終更新:2011年12月08日 21:33