573 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/15(水) 03:02:59.45 ID:x+h9S+R8O [1/5]
1日1まどさやの目標、2週間ももたず…ショック受けてますがとりあえずSSは投下させていただきます
寝落ちとかあり得ないって…
まどか→さやかなお話です
「まどかはあたしの嫁になるのだ~!」
「あはは、さやかちゃんくすぐったいよー!」
「ここか、まどかはここが弱いのか~?」
その日もまどかとさやかはキャッキャとじゃれあっていた。さやかが背後からまどかを抱き締めてくすぐり、まどかは抵抗するふりをしながらその実さやかの手に身を任せていたりする。
「あぁ、やっぱりお二人はそういう関係に…でも、それは許されない事…禁断の恋の形ですわ~~~~っ!!」
そして2人を見て顔を赤くした仁美が叫びながらその場を走り去る…この仁美の暴走を含めて、もはやこのやり取りは日常の光景と化していた。
「ははは、仁美ったらいつまで経っても慣れないんだから。あくまで親友同士のコミュニケーションなのにね」
「……」
「まどか?」
「そ、そうだね!それよりさやかちゃん、早く仁美ちゃん追いかけないと…」
「あっ!そうだ…早くしないと仁美がまた誤解を招く事しかねない!行くよまどか!」
そう、これはいつもの日常…何も変わりはしないしこれからも変わるわけがなかった…
(さやかちゃんの…バカ)
ただ1つ、まどかの気持ちを除いて…
574 名前:573続き[sage] 投稿日:2011/06/15(水) 03:04:22.67 ID:x+h9S+R8O [2/5]
††
「はぁ…」
その日の夜、まどかはいつも抱き枕にしているぬいぐるみを抱き締めながら、ベッドに寝転がっていた。
しかしいくら待っても眠気が来ることはなく、その代わりにため息ばかりが自分の口から出てきて。
ため息は幸せを逃がすと言うが、それが本当ならまどかの幸せはとっくに尽きてしまっているだろう。
「……」
コロリと寝返りをうつと視界に入ってきたのは以前さやかと遊びに行った時に撮った写真。笑顔のさやかに抱き締められて、恥ずかしそうに笑う自分の姿にまどかは思う。
(私…この頃から、さやかちゃんの事好きだったのかなぁ…)
まどかはさやかに恋をしていた…いつから友情がそういう感情になったのかはっきりとはわからないが、それでも恋をしている事だけは嘘じゃない。
「さやかちゃん…」
さやかの名前を呼ぶだけでまどかの心臓はトクンと静かに鼓動を鳴らす。さやかの笑顔を思い浮かべれば一段と大きく…朝密着していた事を思い出すと痛いくらいにドキドキしてさやかに触れられていた部分が熱くなる。
気付いた時、まどかはパジャマの合わせ目から手を差し入れ、自分を慰め始めていた…
575 名前:574続き[sage] 投稿日:2011/06/15(水) 03:06:19.87 ID:x+h9S+R8O [3/5]
††
「はぁ…はぁ…」
どれだけ自分を慰めただろう…ようやく身体の熱が引いたのを確認すると、まどかはグッタリとベッドに身体をくつろげた。
だが慰めている時が幸福感に包まれていた分、それから開放されると言い様のない罪悪感が湧いてくる。
「また…さやかちゃんで…」
さやかとスキンシップを取るといつもこうだ…夜になって身体が熱くなって、耐えられなくて、自分を慰めて、そんなことにさやかを利用した事を悔やんで。
でも、謝りはしない…だってそれじゃあ自分の想いが間違っていると自分で認める事になる…それだけは出来ないし、したくない。
「さやかちゃん…もう、限界だよ」
だけど、もうこのままじゃ満足出来ない。せめて、この想いの一端でもさやかにぶつけなければ気がすまない。
「明日、やるしかないよね…変に思われちゃうかもしれないけど」
まどかはギュッとぬいぐるみを抱き締める力を強くする。いつもと違う自分をさやかはどう思うだろう…その反応を色々想像してしまいまどかはまともに眠れそうになかった…
576 名前:575続き[sage] 投稿日:2011/06/15(水) 03:07:46.10 ID:x+h9S+R8O [4/5]
††
「……」
翌日、まどかは決意を固めてさやか達との待ち合わせ場所に向かっていた。緊張を物語っているのか、鞄を持つ手は微かに震えている。
(大丈夫、さやかちゃんが気付くわけない。それならとっくにばれてるはずだもん…)
実際これからするのは大した事ではない。
ただいつもと逆の事をするだけ…タイミングさえ間違わなければ不審に思われないはずだ。
「おっ、まどかおはよー!」
「っ…!」
だがさやかの声を聞いた瞬間、彼女が笑顔を向けた瞬間、まどかはタイミングだとか、そんな事どうでも良くなってしまった。
「今日はまどかが二番目か~…仁美が最後なんて珍し「さやかちゃんは…」えっ?」
さやかの言葉を遮る形でまどかは…さやかにガバッと抱きつく。いつもさやかが自分にしているように…
「まどか、どしたの?」
「さ、さやかちゃんは…私のお婿さんになるのだ…」
「…へっ?」
「さ、さやかちゃんは!私のお婿さんになるのだ!」
言った、言ってしまった…冗談まじりとはいえこの気持ちをさやかにぶつけてしまった。
タイミングも考えないで唐突に、自分でわかるくらいに頬を紅潮させて…
「あっ、えっ…」
いつもと違うまどかの様子にさすがのさやかも戸惑っている。
(言わなきゃ、離れていつものお返しだよって…)
思いとは裏腹にまどかの手がさやかから離れることはなくて。それどころか、もっとくっついていたいとばかりに身体を押し付けてしまう…ドクンドクンと跳ねてる心臓の鼓動を聞かせるように。
「まど、か?まさか…あんた…」
そしてとうとうさやかも気付いた、気付いてしまった。まどかは本気で…自分の事を…
577 名前:576続き[sage] 投稿日:2011/06/15(水) 03:14:36.53 ID:x+h9S+R8O [5/5]
「お二人とも、おはようございます」
「っ!!」
「あ…」
さやかが決定的な事を聞く前に、仁美が現れた事でまどかは弾かれたように身体を離す。
さやかはなぜかこの時、まどかが離れた事を少し寂しく感じた…
「ひ、仁美ちゃんおはよう!」
「おはようございます、まどかさん。さやかさんも」
「ああ…うん、おはよう仁美」
「…どうかなさいました?お二人とも、顔が赤いですよ?」
仁美も2人の様子がおかしいことに気付いたのだろう、訝しげに首を傾げる。しかしさやかが口を開く前に、まどかが何もないという風に大きく首を振った。
「な、何でもないよ!ほら、遅刻しちゃうし早く行こう!」
「えっ、ちょっと待ってくださいな、まどかさん!さやかさん、私達も」
「…ごめん、すぐに行くから先行って」
「…わかりました。でもなるべく早く来てくださいね」
走り出すまどかを仁美が追いかけ、さやかは1人その場に残る。今まどかを追いかけたら…何かが壊れてしまうようなそんな気がしたから。
「…まどかの目、本気だった」
さやかとて恋する身だ、あの時のまどかが本気だったかどうかぐらいすぐにわかる。そしてその事がどういう意味をもたらすのかも。
「まどか、あたし…ずっとあんたを苦しめてたんだね…」
知らなければ苦しまずにすんだのかもしれない。だがさやかは知ってしまった、親友の想いも、それに伴う自分の無神経さも。
「あぁ、もう…わけわかんないや…」
今のさやかにはそれしか言えない、今まで何も知らなかった自分がまどかの想いについて語るなんて出来るわけがない。
「まどか…」
遠くでチャイムが鳴った気がしたが、それでもさやかは気持ちの整理がつくまで動けそうにはなかった…
―それはいつもと同じはずだった日々…何も変わりはしないしこれからも変わるわけがなかった日常…
「どうしよう、どうしよう、どうしよう…さやかちゃんにばれちゃった…」
「あたしって…ほんとバカだ」
ただ3つ…まどかとさやかの気持ちと…動き出した運命の車輪を除いて…
以上です
寝落ちするなんて、あたしってほんとバカ…!
SGがどす黒くなって今にも魔女化しそうです…寝落ちしてる間に杏子やマミさんが大変な事になってますし…ほんとすいません
それでは失礼いたしました!
最終更新:2011年08月15日 21:39