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445 名前:ローカルルール追記議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 02:10:02.01 ID:RbajVwMv0 [2/2]
321の修正版兼続きのようなもの
同じような文面をまたうpするのはスレ汚しかと思ったのでろだに
ぱっと見不健全っぽいですがやっぱりキスしかしてません


 魔法少女たちの希望の色をしたながいながい髪が、白いシーツにまとまりなく垂れ下がっている。
 そのシーツと見分けがつかない白いドレスが、その裏地に描かれた夜空と目のさめるようなコントラストを以て拡がって、その収束する奥から、薄淡いオレンジ色に照らされて伸びる二本の肌色を照らしあげる。
 先のドレスから伸びていたそれよりすこし白い二本が、夜空を膝で押しつぶして乗り上がる。
 白いドレスを身にまとったその少女、まどかは、きん色の目を瞬かせて、もう一人の少女、さやかを見た。
 セルリアンの色をした眼にはっきりとした表情はうかがいしれず、片方は頬に、片方は肩にかかる非対称の、浅瀬色のさらりとした髪をためらいがちに揺らしている。
 これがまどか、……目の前にいる希望、かみさまの願いだと言うのなら、それは何てむごくて、背徳的で、……
 ああ。
 考える間もなく、さやかはまどかにくちびるを近付けていた。旬を迎えたさくらんぼの色をした互いの肉がどこかおそれ合うように触れあって、……いち、にい、いくつ数える間もなく離れる。
 たぶん、これは和姦だ。まどかはそれを十日拝み倒すほど望んで、今さやかの瞳をためらいと後悔と背徳と、それから少しばかりの劣情に染めている。
 けれど劣情なんて、かみさまになる前からさやかにとって聖域だったまどかに抱くなんて我慢ならなくて、にもかかわらずそれは、さやかのこころと裏腹に、まどかをよろこばせるのだ。
 少し大人びているように見える顔も、煽情的に睫毛を伏せるその下に見えるきん色も。さやかには、まどかにとってはこの上なく嘆かわしいことに、そう例えるなら、親より背が高くなったこどもみたいにしか見えなくて。
 それなのに、……どうして、なぜ、あたしは。
 眉を曲げて目をしばたたかせるさやかに、まどかは蕩けそうにほほえんだ。この世の中の全ての喜びを集めたようなそれを湛えたまま、さくらんぼを揺らす。
 「もっと、して?」
 さやかちゃん。
 裏に続いたささやきに、さやかは三分の一ほど浅瀬色の睫毛を伏せて、……知った。
 それは。せつなく苦しくあまやかな、かたちを持たない慟哭で、……懇願。
 誰しもに親しまれながらも崇められ、聖なるものとして一線を引かれてしまう、一つ上の「かみさま」を、「まどか」へと。
 聖域として守ることが「かみさま」、いや「まどか」。
 一番大切な友達を悲しませ、孤独に苛ませ苦しませるなら、そんな似非て騎士染みた、独りよがりな結界に何の意味があるだろう。
 さやかはせつなげに、けれどできるだけ憧れる、まどかの母親のようにほほえんで。
 今度は何も恐れずに、浅瀬をさらりと空気に揺らした。
 髪より深いセルリアンが、浅瀬に変わってまどかのきん色に映りこんで、けれどそれに見惚れる間もなく、今度は触れ惚れる。
 あくまで舌は挿れないプラトニックな口接けは、けれど「かみさま」を蹂躙するには充分で。
 ――今夜は眠れないかもしれないけど、いい?
 唇を押し付けたまま、頭に語りかけるさやかの声は、びっくりするほど艶やかで嗜虐的なのに、内容だけはこの期に及んで優しくて。
 ……いいに、きまってる。
 胸にかかるまどかの手を、一回り大きな手が押しとどめる。
 唇を離し、目を三日月に細め、まるで夢魔のように嗤った。
 ――あたしが脱がしたほうが、「そそる」でしょ?

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最終更新:2011年12月18日 00:30
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