2-614

614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:44:11.12 ID:U2e4E64h0 [1/6]
いつもの人が書いてくれたあとでアレだけどせっかく書いたんだしあげてみるよー


魔法少女としての闘いを終えたさやかは、神となったまどかとともに新しい世界に旅立った。今は新しい世界に向かっている最中である。

「ねぇまどか、新しい世界ってどんなところなの?」
「ん?それは着いてからのお楽しみだよ。とってもいいところだよ。きっとさやかちゃんも気に入ると思うよ~。もうすぐ着くからね」

神になっても以前と変わらない無邪気にはしゃぐまどかの姿を見てさやかはクスクスと笑う。

「む~。さやかちゃんどうして笑うの?」
「いや、まどかは神様になってもまどかだなって。・・・ん?光が見えてきた、もしかして新しい世界の入り口?」
「うん!さぁ着いたよ、新しい世界に!」

―眩しい光とともに新しい世界に飛び込む二人。光に遮られた視界がはっきりしたとき、さやかの眼前に広がったのは、懐かしいあの風景だった。

「・・・え?もしかしてここは、見滝原?」
「うん、そうだよ!住んでるのはみんな魔法少女だけどね」

そう、まどかの創った新しい世界とは、懐かしい見滝原の風景だったのだ。さやかの家も、まどかの家も、学校も、懐かしい風景が、そっくりそのまま再現されていた。

「でも、どうして見滝原を・・・?」
「・・・わたしのわがままでね、見滝原を創っちゃったの。どうしても忘れることができなかったから。友達と過ごした学校、パパやママ、たっくんと過ごした家、ほむらちゃんやマミさん、杏子ちゃんと出会ったこの街を、どうしても捨てきれることができなかったんだ」
「まどか・・・」

615 名前:続き[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:47:00.38 ID:U2e4E64h0 [2/6]
さやかがそう呟くと、まどかは2,3歩前に進み、眼前に広がる景色のひとつひとつを指差して語りだした。

「・・・それにね、さやかちゃんとの思い出も守りたかったの。一緒に通った通学路、よく帰りに寄ったファーストフードのお店も。
そうそう、あのゲームセンターでぬいぐるみを取ってもらったよね。あの路地ではケンカしちゃって、
そのあと二人で泣きながらお互い謝ったこともあったね。・・・そして、絶対に忘れることができない、
私たちの運命を変えた魔法少女の世界に足を踏み入れたこと・・・。
楽しいことも、悲しいこともいっぱいあったけど、お互いが一緒に共有してる大事な思い出。そんな思い出をいつまでも身近に感じていたいから、わたしは見滝原の景色を創ったんだ」

まどかがかみしめるように思い出を振り返ると、突然さやかが後ろからまどかに抱きついた。

「うわわっ!?苦しいよさやかちゃん!」
「くー!さすがはあたしの嫁!よくできた娘ですなぁ!本当に・・・よく・・・」

最初は威勢のよかったさやかの言葉がだんだんと震えてきた。こころなしかまどかを抱きしめている腕も震えているようであった。・・・そう、さやかはまどかの優しさにあらためて触れ、泣いているのだった。

「さ・・・さやかちゃん?どうしたの?」

まどかがそういって振り向こうとすると、さやかはまどかをさらに強く抱きしめた。

「お願い、振り向かないで!今まどかが振り向くと、弱いあたしを見られちゃうから。あたしね、心に決めてたの。
新しい世界では、きっとまどかを守り抜いてみせるって。それは魔法少女のときみたいに、敵から守るって事じゃなくて、神様であるまどかが寂しくならないように
心から支えられる存在でありたいってことなの。
だから、涙を流してる弱い私を見せたくない。まどかを心配させたくないの」
「さやかちゃん・・・」
(さやかちゃんはやっぱり私の「親友」のさやかちゃんなんだ・・・。私が神様なんていう存在になったとしても、私のことを「鹿目まどか」としてまっすぐに見てくれている。)


617 名前:続き[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:49:16.08 ID:U2e4E64h0 [3/6]
神という立場になってから、まどかは多くの魔法少女を救ってきた。自分が救った魔法少女はみんな、自分を敬い、尊いものとしてみていた。
多くの魔法少女を救ってきたまどかは、魔法少女を救えた事で嬉しさを感じている反面、対等に見てくれる存在がないことにどこか寂しさを感じていた。自分がこの世界で一人ぼっちになってしまったように感じられて。
だから、さやかが以前と同じように自分を見てくれていたことが、まどかにとって嬉しく感じられた。

(さやかちゃんはわたしのことをこんなに大切に思ってくれている・・・でも、これじゃわたしがさやかちゃんに甘えっぱなしになっちゃう・・・わたしも、さやかちゃんの「親友」として、さやかちゃんを支えてあげたい・・・!)

「ねぇ、さやかちゃん・・・」

そう呟くと、まどかはさやかの腕を振り切って、さやかの方を向いた。

「ま、まどか!?こっちを向いちゃダメだって言ったのに!」
「ううん、これでいいんだよ、さやかちゃん。さやかちゃんは泣いてもいいんだよ。弱いところもいっぱいあってもいいんだよ。
さやかちゃんが弱いところを見せたら、わたしがそばにいてあげる。
だってわたしはさやかちゃんの『親友』なんだもん。今までどおり一緒に笑ったり泣いたりしたいよ。それにね、わたし嬉しいんだ。
さやかちゃんとわたしが『親友』であることが、今この世界で唯一私が『鹿目まどか』としていられるっていうことだから・・・」



618 名前:続き[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:51:33.59 ID:U2e4E64h0 [4/6]
そういってまどかはさやかに微笑みかける。その笑顔はまさに「女神」と呼ぶのに相応しいものであった。
まどかの笑顔をみた瞬間、さやかの強がりの鎧は、脆くも崩れ去っていった。

「まどかぁーーーーー!うん、そうだね・・・わかったよ・・・まどかの気持ち、すごくよくわかったよ・・・」

堰を切ったようにさやかはまどかに抱きつきながら声を上げて泣きじゃくった。
かつて、自分がもう恋する少女として生きることができないと知り、まどかと抱き合って泣いたあの日のように。
ただひとつ違うのは、あの日のような後悔の涙は一筋も流れていないということだった。

・・・それから何分くらい経っただろうか。泣きはらして落ち着いたさやかにまどかが問いかけた。

「ねぇさやかちゃん。実はね、さやかちゃんに今までと一つ違うことをお願いしたいの。」
「何?いまさらあらたまって。嫁のお願いならさやかちゃんなんでも聞いてあげるぞ~」
「・・・ふふ、きっとそういってくれると思った。あのね、さやかちゃん、わたしと一緒に同じ家で暮らして欲しいの。
なるべく多くさやかちゃんと一緒にいて、いつものように笑ったりしていたいから・・・さやかちゃんともっと多くの思い出をつくっていきたいから・・・ダメかな?」

一瞬さやかは驚いた表情を見せたが、すぐにさやからしい明るい笑顔で応える。

「・・・ん、了解!これからもよろしくね、まどかっ!」
「うん!こちらこそよろしく、さやかちゃん!」

二人は手を取り合い、笑顔で新しい二人の生活の拠点へと駆けていく・・・きっと二人はこれからも、大事な思い出を積み重ねていくのだろう。だって二人は、お互いに強い絆で結ばれた「親友」同士なのだから。


う~ん・・・SS初挑戦だけど難しかった・・・。オチ弱いなぁ・・・。お目汚しすみません~。あくまで二人は「親友」ということで書かせてもらいました。
しっかしこれ大変だわ・・・いつも高クオリティのSSを書ける人はすごいなとあらためて感じましたw

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最終更新:2011年08月15日 21:40
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