507 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/22(木) 20:58:43.11 ID:f/TJJxco0 [1/2]
まどか「仁美ちゃん……わたし、ずっとこのままなのかな……さやかちゃんの恋人になれずに、一生『横にいた誰か』のままなんて嫌だな……」
仁美「そんなことはありませんわ。がんばってさやかさんをまどかさんに振り向かせましょう。もちろん私も協力いたします。
さしあたっては、やはりまどかさんが自分のお気持ちをストレートに伝えることですわね。
まどかさんのお母様も『直に告る勇気のない男はダメだ』とおっしゃっていたことですし。
それから、さやかさんにもまどかさんの存在がさやかさんにとっていかに大切か自覚していただく必要がありますわ」
まどか「自覚していただくって……どうするの?」
仁美「まどかさんに想いを寄せる男子が出てきたことにすればよろしいのです。いままでずっとそばにいたまどかさんが誰か他人の
ものになって自分の隣からいなくなってしまうかもしれないと思えば、さやかさんもご自分の気持ちに気づいてくださることでしょう。
ああ、相手役の男子はすでに目星を付けてありますので今から探す必要はありませんわ。
見滝原中学の二年生の中で最も好青年でイケメンと名高いA君にご協力いただける手はずになっています。
彼はずでに洗脳済mいえまどかさんの秘めた想いを懇切お話ししたら快く協力を申し出てくださいました」
まどか「そうなんだ……」
仁美「さやかさんには、A君がまどかさんに告白している場面を偶然を装って目撃していただきましょう。
まどかさんはその場では返事を保留し、改めてさやかさんに告白するのです。
そのときにA君のこともお話しし、もしさやかさんがまどかさんの想いに応えて下さらないなら、まどかさんはA君と付き合うつもりだと申し上げましょう。
あれだけまどかさんを大事にしてらっしゃるさやかさんのことです。きっと『他人に取られるくらいならあたしがまどかを幸せにする』くらいは言ってくださるはずです!」
まどか「色々とありがとう……仁美ちゃん。わたし、がんばるよ!」
さやか「ふああ……今日は疲れたな……いろんなことあったし……。
偶然まどかが告白されてるとこにでくわしちゃったのもそうだけど、そのまどかにも告白されるなんてね……。
確かに『まどかはあたしの嫁になるのだー』って口癖みたいに言ってたけど、まさかまどかが本気にするなんて思ってもみなかったよ。
てか、女の子同士だし……あたしそういうのに偏見ないつもりだったけど、いざ自分が告白されるとどうしていいかわかんないな……。
仁美には『ご自分の気持ちをよーく確かめて、それからお返事なさってください』なんて言われるし……。
あたし、恭介のことが好きだったはずなのに、まどかのことまで好きなおかしな子だったの……?
『率直に申し上げて、さやかさんもまどかさんのことをただのお友達だと思ってらっしゃるとは思えません』って仁美は言ってたけど、まどかにもそう見えてたのかな……?
というか、水着がレインボーカラーだったのはたまたまで深い意味はないんだけどな……。
確かにまどかのことは好きで、大事だよ? 可愛いし、ずっとおしゃべりしてても飽きないし、ちょっかいだすと反応が面白いし。
まどか、Aの彼女になるのか……なんだろう、あのまどかに彼氏って考えると微笑ましいというか、嬉しいことのはずなんだけど、なんかすっきりしない……。
…………。
508 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/22(木) 20:59:19.05 ID:f/TJJxco0 [2/2]
いや、これはあれだよ、娘を嫁に出す親の心境! 小五のときからずっと面倒見てきたもんね、気分はもうすっかり親代わりですよ!
『嫁になるのだー』だって、『まどかはあたしの大事な友達なんだから、気軽にちょっかい出したりしたらただじゃおかないよ』っていう意味だし! そうだと思うし!
まどかの気持ちだって、思春期には同性の友達に恋しちゃうことよくあるらしいし、あたしもたまに一年生の女の子からラブレターもらうことあるしね!
そうだよ、まどかだって気の迷いみたいなもんなんだからさ、こんな大騒ぎにすることないんだよ。まったく仁美も恋愛ごとにはうといんだから。
まどかももっとかっこいい男の子に出会えるかもしれないんだし、それまで自分を大切にしてなきゃ。
それにあれだよ、あたしみたいな男女と付き合ったりして、まどかに変な噂が立ったりしたら、まどかのご両親になんて説明すればいいの?
あたしはまどかの友達なんだから、友達が道を誤りそうなときにはそれを正してあげなきゃだめだよね!
よし。あたしのことはいいとして、問題はAだな。あの様子なら本気みたいだったし、悪い噂も聞かないし、まどかを任せるのに不安はないよね。
まどかの好みじゃないのかな? でもAは優しそうだったし、人間出来ててちゃんとまどかに合わせてくれるだろうから大丈夫だと思うんだけど……。
まったく、まどかもあたし任せにしないで自分で決めればいいのに。
……んん? 自分で、決めれば……。
ああ! そういうことかぁ、わかっちゃった、さやかちゃんわかっちゃいましたよ!
あれだね、あたしに告白したのは『他人事じゃなくて自分のことだと思ってまどかがAと付き合うべきか決めてほしい』ってことね!
まーったく、まどかも回りくどいことするんだから! わざわざこんなことしなくても、そう言えばいいのに!
そうだよねー、まどかがあたしなんか好きになるわけないし、第一まどかもあたしも女の子同士なんだから、告白は冗談だって普通はすぐわかるよね!
真剣に悩んじゃったあたしがほんとバカみたいだわ。
まどかの好みっつったら、あたしみたいながさつなやつじゃなくて、もっと優しくて、まどかのこと気遣えて、話をちゃんと聞いてくれる子だし!
その点Aは申し分ないな。うん。OKすればいいよって明日背中押してやろ。よっし、これで万事解決!
はー、すっきりすっきり。もう寝ようっと」
翌日。
さやか「まどか、昨日の話よっく考えたんだけど、あたしはいいと思うよ? Aは見た目も性格もいいし、まどかにお似合いだよ」
まどか「えっ」
さやか「ああそれから、もうこんな形で相談するのやめなよ? まどかがあたしを好きだなんて、すぐ冗談だって気づいたけど、びっくりしたんだから」
まどか「」
まどか「うわあああああん!!! さやかちゃんのばかああああああ!!! ひどいよっ、こんなのってないよっ!!!」
仁美「泣かないでくださいな、まどかさん……。予想外でしたわ、まさかまどさやの最大の障害がさやかさん本人だったなんて……。
ストレートに告白してさえ、恋愛対象として受け止めていただけないとは思いませんでした。ここまでくると、無自覚はもはや残酷ですわね。
さやかさんもまどかさんを憎からず思ってらっしゃるからこそ、毎日構って可愛がってらっしゃっているのは火を見るより明らかですのに……。
女の子同士だという倫理観や、まどかさんを大事に大事に守ろうとする母性本能の強固さもさることながら、
これまでずっと自分に言い聞かせてきたかのような『自分はまどかの友達なんだ』という思い込みの強さにはほとほと手を焼きますわね……。
ですが、この程度で引き下がっては志筑仁美の名がすたります。かくなるうえは、手段を選ばずにまどさやを成就させてみせますわ!」
今スレに入ってから鈍感さやかちゃんが無自覚にまどっちをいじめて泣かせるSSが捗りすぎて辛い
前スレ>>1000が言ってた「さやかちゃんの天下」ってそういう仕組みだったんだね……さやかちゃんって、ほんと鈍感
最終更新:2012年01月02日 18:13