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630 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 02:03:56.68 ID:DYzTTds00 [1/7]
まどさや仁美を救いたくてSS製作中。
最終話ですが殆どエピローグ的なものです。


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まぁ、なんて表情♪
わざわざ絵に起こしていただいて感激です。すっごい嬉しそうなまどっちw


それでは後ほどクリスマスのお話を灯火させていただきたいと思います。

[Gate of Magia]―終編?―

―見滝原中学校、教室―

キーンコーンカーンコーン

聴き慣れたチャイムの音。続いてたくさんの椅子と生徒達の足音。
机に突っ伏していたらしいあたしはこのままじゃマズいと思い、何とか身体を起こした。

杏子「おーい、いつまで寝惚てんだよ。」
ほむら「気持ち良さそうに寝てた所悪いけど、もう放課後よ?」
さやか「………へ…???」

眠い目を擦ると、視界に入って来たのは教室と見慣れた仲間達。
あたしやっぱ机で寝てたんだ…。うー…おでこがちょっと痛いぞ。
ん? なんで杏子がうちの学校の制服着て教室に居るんだろ…?

マミ「うふふ、とりあえずこれで涎(よだれ)を拭きなさい。」
さやか「うへぇ!?」

衝撃の事実と共に先輩のマミさんにハンカチを手渡された。
うう…恥ずかしい…。起き抜け早々醜態を晒してしまった…。
だが幸いにも仲間内以外の生徒は既に教室を後にしたらしい。

仁美「ほらさやかさん、早くしないとお姫様が拗ねてしまいますわよ?」
さやか「えっ? お姫様って…」

―さやかちゃん―

真後ろから聴こえた声に気が付いて、あたしは椅子から立ち上がり振り返る。
そこには見間違え様の無い顔。いつも通りの笑顔を浮かべた大親友が居た。
…なんだけど、何故か親友は唐突に片手をあたしの腰に回して引き寄せていた。

さやか「あの…まどかさん…!??」
まどか「おはようのちゅーだよ、さやかちゃん。」

顎をくいっと持ち上げられ、そのまま顔が近付いて来る。

さやか「―――へっ…? えぇぇーっ…!?」

突然の事にあたしは考える余裕も無く、ただ受け入れるしかなかった。
や、別にまどかとこういう事するのが嫌な訳じゃないよ?
ただ周りに友達が居るのに、こんな大胆なのは恥ずかしいってだけで…。

ほんの少し赤いまどかの顔が妙に色っぽく感じてしまい、近付く顔にあたしは思わず目を閉じた。
でも顔を逸らしたりはしない。唇が触れて、まどかの暖かさと柔らかさが伝わって来る…。
唾液をゆっくりと貪られてゆくのを感じながら、あたしは頭が真っ白になっていった。



…真っ白になって………



……なんだか気持ち良くて………



………………良くて………



………………あ…れ…?…………



………………………………………………



………………………………………



………………………



………………



………



意識は徐々にはっきりとしてきた。随分と深い夢を見ていた様で…
誰かに呼ばれている様な気がして…うっすらと目を開けたさやかの目の前には、
ピンク色の髪を降ろした女の子が目を閉じていた。

さやか「(あれ…なんで…まどかの顔が…目の前に…)」

眠っていたさやかを呼び覚ます様に、頻りに口の中を掻き回す何か。
舌はザラザラとした、それでいてねっとりとした心地良い違和感に包まれている。

まどか「………。…んぅ…?」
さやか「―――んんんっ!!??? ぷはっ…!」

まどかの唇が自分に重なっている事に気付き、さやかは慌てて口を離した。

仁美「まあ! お姫様のキスで王子様が目を醒ましましたわ!」
マミ「ず、随分大胆なキスだったわね…///」
ほむら「見てるこっちが恥ずかしかったわ…///」
杏子「あー…あれだよな? 所謂大人のキスって奴だよなー///」
さやか「ええっ…!? あっ……」

離した二人の唇からは、銀色の糸が名残惜しさを残しながら切れていった。
どうやらさやかは眠っている間にとんでもない事をされていたらしい。

完全に目の醒めたさやかは、漸く自分の状況を思い出す事が出来た。
周囲にはまどかを含めた五人の仲間。
変身は解除しているが、全員がソウルジェムを持つ魔法少女達だ。

さやか「(そうだ…あたし確か、ソウルジェムがボロボロで…)」
まどか「さやかちゃん…。」

そして、そのままさやかは死の眠りに就いた筈だった。そこから先の記憶は無い。
ただ、仲間達ののお陰で今自分が生きている事だけは確かな気がした。



まどか「さやかちゃんの馬鹿っ!馬鹿馬鹿馬鹿ぁっ!!」
さやか「うぇっ!?」
まどか「やっぱり約束破るんだもん!無茶しないでって言ったのにっ!」
さやか「あっ…ぅ…ごめん…。」

開口一番、まどかから飛んできたのはお叱りの言葉と胸元へのポカポカ攻撃だ。
たじろぐさやかはただごめんとしか言い返せない。

まどか「わたしがどれだけ心配したと思ってるの!?
    危なくなったら戻ってって仁美ちゃんが言ったでしょ!
    いつも…いつもさやかちゃんは自分を全然大事にしないんだもん…ぅぅぅ…」
さやか「わ、悪かったってば…。」
まどか「ぅ…ぅ…ぅぅ…わぁぁぁぁん…!」

怒っている側なのに大泣きしてしまうまどか。
魔法少女達の原典を背負ったとは言え、多感な一人の女の子に変わりはない。
戦いに巻き込まれる前と同じ様に、さやかはまどかを優しく抱きしめ頭を撫でてあやした。

仁美「まどかさん、もう許してあげませんか…?」
杏子「そうだよ。仲間ってのは助け合う為にいるもんだろ?
   正直、ほむらに時間止める魔力が残ってなかったら結構ヤバかったけどな。」
ほむら「美樹さやかという人間は、いつだって直情的で無茶をするものよ。
    だから、私達がそれを補ってあげればいい。」
マミ「美樹さんの行動だって決して間違っていた訳ではないのよ?
   鹿目さんを心配させてしまったのは反省すべきだけど…結果的にはちゃんと戻ってきたじゃない。」
さやか「うう…皆さんすみません。」

過度の負担によりソウルジェムが砕けてしまったさやかを真っ先に発見したのは杏子だった。
まず駆け寄ったほむらが魔力の持つ限り時間を停止させ、余力の残っていたマミと共にさやかを運ぶ。
その間に杏子はまどか達の下へ向かっており、知らせを聴いた仁美とまどかが駆け付け、
ソウルジェムの時間だけを20分前まで退行させた。これにより、さやかは無事命を取り留めたのだった。



まどか「さやかちゃん、前にお話したよね…? あの日、急に胸が何かに貫かれて、わたし真っ暗になって…
    誰の声も聴こえなくなって…ぐすっ…一人ぼっちで淋しかったんだよ…。」ポロポロ
さやか「まどかが死んじゃって…あたし…怒りと悲しみのまんま契約しようとして…
    でも仁美が止めてくれたんだよね。えぐっ…仁美だって…泣いてたのに…。」
仁美「わたくしはただ…言われるがまま契約するのが…落とし穴な気がして…。
   このまま自分達が利用されてしまうのが怖くて……。」グスッ
まどか「でも、仁美ちゃんとさやかちゃん…わたしを助けてくれたんだよね。嬉しかった…。
    なのに二人はまた別の世界で戦って…てわたし、また一人ぼっちになりそうで不安で…。」
さやか「あたしはまどかに告白されて…絶対一緒に未来に行こうって約束して…」
仁美「この世界に来て…くすん…やっとみんな…手を取り合えたのですから…。」

未だに鮮明に脳裏に焼き付いたままの惨劇。崩壊する学校と無差別に命を奪われた生徒達。
現在とは異なる時間軸における、その惨劇から三人の物語は始まった。
悲しんで、傷付いて、分かち合った痛みは思い出すだけで涙が止まらなかった。

まどか「…さやかちゃん…仁美ちゃん…ずっと…一緒だよぉっ…」エグッ
さやか「…そうだよ…また一緒に遊ぼうよ…」グスッ
仁美「…一緒に学校…行きたいです…一緒にお話して…お弁当食べて…」ギュッ

ほむら、マミ、杏子の三人は目を合わせ、気付かれない様にその場から足を引いた。
交差した願いは偶然にも重なり合い、ほむらが遡行した時間を更に追い、ようやっと手に入れた日常への扉。
それだけで掛け替えの無い幸せだった。

まどか「遅くなっちゃったけど…さやかちゃん、お帰りなさい。」
仁美「お帰りなさい、さやかさん。」
さやか「ただいま、まどか。ただいま、仁美。」
まどか「えへへっ…奇跡も…」
仁美「魔法も…」
さやか・まどか・仁美「あるんだよ!」

手を繋いでぐるぐると無邪気に回る三人の幼馴染。
今は魔法少女の使命など関係ない、ごく普通の少女達三人に戻っていた。
巴マミはそんな後輩達を瓦礫に腰を下ろして見守りながら、以前の自分を懐かしく思っていた。

マミ「佐倉さん…私達、また前みたいに一緒に…戦えないかしら…?」
杏子「………。無理に決まってんだろ…。アタシみたいなのに…そんな資格無いよ…。」
マミ「佐倉さん…」ジッ
杏子「うっ…。」

マミの見つめる視線に耐え切れず杏子は反対を向いた。
しかし振り向いた先にはほむらの顔があり、モロに向かい合うハメになる。

ほむら「…」ニコニコ
杏子「…なんだよその笑顔は!」
ほむら「でも貴女は真実を教えた時、私と巴さんと共に戦ってくれたじゃない?」
杏子「あ、あれはそういう取引だったじゃねーか!」
ほむら「嬉しかったわ、命まで投げ出そうとするんだもの。でも巴さんの為には嫌なの?」
マミ「そ…そんな…」ウルウル
杏子「な、何だよったく!マミはあたしが居ねぇと駄目なんだろ!しょーがねーなーもう!」
マミ「わぁぁぁん…!…杏子ぉぉぉぉぉ…」

嘗(かつ)て杏子が新人魔法少女として出合った頃、同じ思いを胸に戦った二人。
彼女達もまた同じ様に、懐かしい時間を取り戻そうとしていた。

杏子「なぁそれよりほむら、アイツ等に混ざらなくていいのか?」
ほむら「ええ。あの子達の絆…私がまどかと出会う前よりずっと強いんだもの。羨ましいわ。
    だから二度と引き離したくない。見守りたい。」

さやか「ほむらぁぁぁ〜!」ガバッ
まどか「ほむらちゃ〜ん!」ダキッ
仁美「ほむらさぁぁん!」ギュウッ
ほむら「きゃぁぁぁぁー!!??」ホムゥ

さやか「一人だけ見守るとかズルいぞほむあぁぁ〜!」
まどか「そうだよそうだよ!諦めないで一番戦ってたのはほむらちゃんなんだよ!」
仁美「ほむらさんの決意があったからわたくし達は今ここに居るのですわ!」
ほむら「…もう…ホントに………仕方ないんだからぁ…」グスッ
杏子「アっタシも混ぜろぉ〜!」ガシッ
マミ「みんなズルいわよ!独りぼっちは寂しいじゃない!」ムギュッ
ほむら「巴さんっ…貴女は背中に当たってるその無駄なブツが非っっっ常に屈辱的なのだけど…?」
マミ「ふふっ、これは個性というものよ!伊達に先輩やってないわ。一年の差は歴然ね!」
ほむら「うぐぐっ…! さっきまで大泣きしてたのは何処の誰かしら…!」
仁美「巴先輩!わたくしだって負けませんわ!」
まどか「さやかちゃんだって負けないよ!ほらほら!」ムギュギュ
さやか「ぎゃぁぁぁ〜!?ま、まどかストップ!人の胸を…」
杏子「ならマミが一番だな!おりゃぁぁぁッ!」
マミ「△★※〇?〜〜〜っ!??」

(ぎゃぁぎゃぁぎゃぁ)(キャッキャウェヒヒ)

運命を乗り越えた六人の魔法少女達。彼女達に絆がある限り、誰一人として絶望に屈する事は無いだろう。
魔法少女として、普通の少女達としても未来へ希望を繋げたのだから。


………………………♭♭♭………………………

―ワルプルギスの夜、進行経路跡―

QB「きゅっぷい、きゅっぷいっと…。
  やれやれ…みんな戦闘中に投げ捨てたグリーフシードを完全に忘れてるよね。
  一体何個使い捨てた事やら。」

ワルプルギスとの死闘で使い切ったグリーフシードは嵐の中で散り散りになっていた。
これを放置する訳にもいかず、インキュベーターは仕方なく独り回収作業を続けている。

QB「きゅっぷ…きゅっぷ…きゅぷ………うぷっ…! …もう食べたくない…。
  で、でも残したらまた鹿目まどかにスペアごと串刺しにされちゃうし…。
  どうして僕がこんな目に。きゅぷぅぅ…。」


………………………♭♭♭………………………


―エピローグ/朝の登校風景―

まどか「さやかちゃーん! おっはよー!」
さやか「おっ! まどかおは―――」

(ぎゅむっ!)
まどかは突如さやかの背後に回り込み、景気付けとばかりに奇襲を掛けた。
両手は見事にさやかの双丘をガッチリと捉えている。

さやか「ぎゃぁぁぁぁっ!? 何すんのまどかぁー!?」
ほむら「おはようさやか。まどか、良い攻め方だったわ。」
さやか「なぬっ!? ほむらはあたしの嫁に何教えてんのー!」
ほむら「全ては貴女の為よ。同姓というハンデを乗り越えるならこの程度のセクh…
    もとい、愛情表現は必要よ。ね、まどか♪」
まどか「ねー♪」モミモミ
仁美「あらあら、さやかさんの貞操が危ういですわね。」
まどか「えへへ」モミモミ
マミ「おはようみんな。…ところで鹿目さん、そろそろ手を離してあげたほうが…。」
まどか「へ?」モミモミ
さやか「………」ピクピク
まどか「ああっ!さやかちゃんがぐったりしてる!?」
ほむら「幸せそうな死に顔ね。」
仁美「ほむらさんも駆けつけ一杯わたくしににどうですか?」
マミ「あら、私の方が大きいわよ?」
ほむら「結構よ…貧血で倒れそうだから…orz」
仁美「あらあら、胸のお悩みでしたら今度お勧めのエステをご紹介しますわ。」
ほむら「えっ? でもまだ私達中学生よ…。」
仁美「うふふっ…若い内から手を打つに越した事はありませんのよ?
   わたくしの紹介ですからご料金の方もご心配には及びませんわ。ごにょごにょ…」
ほむら「…っ///」

両手で顔を抑えて何故かほむらは赤面していた。
にやけ顔を周囲に見られるのが嫌で…だが隠そうとしている口元のそれは見事に溢れていた。

まどか「そういえば仁美ちゃん、最近ほむらちゃんと凄く仲良くなったよね。」
さやか「あれだね、昨日の敵は今日の友って奴ですな。」
マミ「まぁ…お互いに"変態友達"という要素もあると思うけど。」

―  変  態  友  達  ―

衝撃の四文字熟語(?)が仁美とほむらの脳天を直撃した。

仁美「なぁっ…!?」
ほむら「へ…変態…!!(ホムガーン!!)」
マミ「志筑さんと暁美さんは二人共時間を止める魔法が使えるものね?」
仁美「わ、わわわたくしは決してまどかさんとさやかさんの痴態を録画に保存したりは…」
ほむら「私だって今はストーカーとか覗きとかしてないわよ!」

必死に顔の前で手をぶんぶんを振って否定する二人。
両者の発言は共が墓穴を掘った事には全く気付いていないらしいが。
三人の冷やかな視線が変態コンビに降り注ぐ。

仁美「…ほむらさん。もういっその事、時間を止めて二人のパ○ツ辺りを剥ぎ取ってみませんか?」
ほむら「うふふふふ…素敵ね。どうせなら二人のをそれそれ入れ替えてみたいわ。
    恋人同士による所謂パ○ツ交換よ。」
まどか「」
さやか「」
マミ「(流石変態の真祖、暁美さんね、発想が違うわ。)」

ヤケクソ…というか覚悟を決めた二人の時間遡行者は目が据わっていた。
恐怖を感じたターゲット二人はその場から逃げ出した。勿論時間遡行者相手に無駄な行動ではあるが。

さやか「いやあああああああああっ!!」
まどか「変だよ!そんなの絶対おかしいよ!!」
マミ「〜〜〜っ!〜〜〜〜っ!」

しゃがみ込んで笑いを必死にこらえようとしていたマミは、無言で地面をバシバシと叩いていた。


………………………♭♭♭………………………


和子先生「今日はみなさんに大事なお話があります。心して聞くように(以下中略)
     あと、今日は皆さんに転校生を紹介します。」

ドアを開けて現れたのは、赤いポニーテールに八重歯が覗く女子生徒。
まどか達の戦友が新たに転校生として編入して来たのだが、黒板に書かれた名前を見て仲間達は驚いていた。

杏子「えっと、さ…[巴杏子]です。これからよろしくお願いす…します。」
(パチパチパチ)


―休み時間、廊下―

戦友佐倉杏子の突然の転入はともかく、苗字が改まった事にマミを除く四人は驚いていた。

さやか「杏子あんた…マミさんと結婚したの!?」
マミ「あら、いきなりバレてしまったみたいね…///」ポッ
杏子「ばっ…ちげーよ!! マミも悪ノリしてんじゃねーよ!」

天涯孤独の身となっていた杏子はマミの親族の養女となる事で、改めてこの街に滞在する事にしたのだ。
元々聖職者の娘という肩書きもありすんなり承諾してもらえた。現在はマミの義理の妹という扱いである。
ただマミの親戚自体が遠かった為にそれなりの時間は要したのだが。

まどか「杏子ちゃん転入試験頑張ったもんね。」
ほむら「勉強はさやか並に教え甲斐がありそうだけど。」
さやか「…いつも迷惑掛けて申し訳ないっす。」

今までマトモに学校すら通っていなかった杏子だったが、この仲間内には強力なバックが三人も居るのだ。
ほむら、仁美、そして一学年上のマミ。逆に言えばそれ以外のまどかとさやかはお世辞にも成績が良いとは言えないが。

仁美「杏子さん、本当に良かったのですか…?
   わたくしの魔法を使えば記憶の差異こを出ますが、ご家族を取り戻す事も…。」

仁美の時間退行魔法を行使すれば失った人間を戻す事も可能であった。
ただし時間が遠ければ遠い程取り戻すのに時間と魔力を消費するし、
また数ヶ月以上になると精神的部分(=記憶)の再現性も若干ぶれが生じ始める。

完璧とは言い難いが、失った大切な時間を取り戻すにはこれ以外に在り得ない手段である。
だが杏子は敢えてそれを拒否した。

杏子「気持ちは凄く嬉しいけどさ…いいんだよ、もう。何ていうか、踏ん切り付けちまったからさ。
   アタシは失ったものに縋(すが)るより、これから作る思い出の方が大事だと思うんだ。
   それに…いろいろ失くしてから得たものだった結構あるからな。」
仁美「ふふっ、杏子さんはお強いのですね。いつも純粋に前を向くのって大切だと思いますわ。」
杏子「あんがとな。それよりはさぁ…アタシとも友達で居てくれよ。
   (ゴソゴソ…)庶民的なお菓子だけど、食うかい?」
仁美「はい、いただきます!」

仁美は杏子に親愛の印にと手渡されたうんまい棒を迷わず受け取った。


―帰り道―

マミ「今日はこれからうちでお茶会だから、みんな出来るだけ寄り道しないで来てね。」
杏子「うおー!久しぶりにマミのお菓子と紅茶が堪能できるぜ!」
ほむら「ふぅ、巴さんの妹になったのに相変わらず落ち着きが無いのね。」
杏子「何だよー、いいじゃねーか別に。」
ほむら「貴女に負けないくらい煩かったさやかはまどかのお陰ですっかり落ち着いたわよ?」
さやか「へ…? そ…そうっすか…?」
まどか「さやかちゃんはいつだってさやかちゃんだよー♪」
仁美「ではまどかさんもいつだってまどかさんですわね♪」
マミ「くすくす…何それ、そのまんまじゃないの。」

これからも魔女退治の合間にはこんな他愛の無い時間と会話が流れ続けるのだろう。
過去を乗り越えた少女、孤独から解き放たれた少女、仲間を遡った少女、
希望を繋げた少女、皆の剣となった少女、全てを知った少女。六人の少女達は今日もこの街を見守っている。


見滝原は今日も平和です。


まどか「あ、そうだ。さやかちゃん。」
さやか「どしたの?」
まどか「いつもありがとう。」
さやか「へ?」
まどか「いつもわたしを支えてくれてありがとう! 今までも、今も、これからもよろしくね!」
(チュッ)

さやか「わ…!」
まどか「えへへ…♪」


[Gate of Magia]―終編?―

おしまい。

………………………♭♭♭………………………

あとがき

厨二病と妄想全開の駄文に最後までお付き合いいただいた方、ありがとうごさいます。
ロッソファンタズマあたりからいろいろとおかしかったですねw
ホントはカリ剣ガラ剣もアナグラムとかでオリジナル名考えてたんですが、
イラストにチラッと「えくすかりばー」と書かれた方がいらっしゃったのでそのまま行きました。

本当言うともうちょっと丁寧に描写すべきかと思うのですが、
何分経験不足故、読み辛く申し訳ございません。

今後もちょくちょくまどさやに関する妙な文章を灯火させていただくかと思いますが、
何卒生暖かく見守っていただければ幸いです。
どうか一人でも多くの方ににまどさやが伝わりますように。

まどまどさやさや。

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最終更新:2012年01月02日 20:13
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