662 名前:そんな二人のクリスマス1/2[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 20:49:30.27 ID:xzAzpFs20 [2/3]
「ジングルベール、ジングルベール、鈴が鳴るー♪」
クリスマス、鹿目家のまどかの部屋で楽しげな歌声が紡がれている。
その声の主は当然部屋の主であるまどか…ではなく彼女を背後から抱き抱える形でこたつに入っているさやか。
家族が仕事でおらず独りでクリスマスを過ごそうとしていた彼女をまどかが家で行うささやかなパーティーに招待したのだ。
「今日は楽しいクリスマス、イエイ!」
「さやかちゃん楽しそうだね」
楽しそうなさやかの様子に笑みを溢しながら、まどかは持っていたピンクのマグカップに満たされていたホットミルクを喉に流し込む。
ほどよく温められたミルクは既にこたつとさやかの体温で暖まっていたまどかの身体をさらに内側から暖め、ほっこりとした笑顔を彼女の顔に咲き誇らせた。
「そりゃまぁ、家族がいなくて1人で過ごすところだったところにお誘いがかかったからねー…今年はさすがに独り寂しいクリスマスを覚悟してたからさ」
さやかはまどかを抱き抱えているため少し遠くなっていた青のマグカップを引き寄せて手に取る。
まどかのそれとは違いココアに満たされたマグカップは少し冷えていたさやかの手をじんわりと暖めていった。
「だからまどかに誘われた時はもう女神様に救われた気分だったよ、ありがとねまどか」
さやかにくしゃくしゃと髪を撫でられたまどかは、くすぐったいよぉと抗議になっていない柔らかい声を出しながら目を細める。
誰が見てもいつもより舞い上がっているさやか、それが自分が誘ったためだと言うのなら…まどかは物凄く嬉しいのだ。
…どうしてそこまで嬉しいのかはわからなかったけれど。
663 名前:そんな二人のクリスマス2/2[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 21:02:36.80 ID:xzAzpFs20 [3/3]
「女神なんて大げさだよ…わたしはたださやかちゃんとクリスマスを一緒に過ごしたいなあって思っただけなんだよ?」
「ん~…いいや、やっぱあんたはいい子だ、女神だー!」
「わわっ!?」
さやかにギュッと抱き締められたまどかが小さい悲鳴を漏らす。
さやかの平均より豊かな胸を背中に押し当てられるとこの世の不条理を感じずにはいられないがしかしまだ互いに中学生。
自分にだって成長の余地はあるはずだとまどかは背中に伝わるそれの感触を頭から追いやる。
決して逃げてはいない、いないのだ…
「そういえば、さっそく着けてくれてるんだねそのリボン」
なぜか言い知れぬ敗北感を感じていたまどかは、さやかがふってきた話題に渡りに船とばかりに乗る事にする。
さやかがふってきたのはつい数時間前に彼女からまどかに渡されたクリスマスプレゼントの話だった。
「そ、そうかな?ピンクのリボンなんて派手な気がしたんだけど…」
「いいや!まどかはもっと自己主張するべきだよ!そうすればモテモテになるかもよ~」
「モテモテ…」
リボンを変えただけでそれはないと思う…苦笑いしながら否定しようとしたまどかの言葉は眉を寄せたさやかが発した言葉に遮られた。
「……あー、でもまどかが誰かに取られるのはやだなあ…」
「えっ?」
「うん、やっぱダメだね。まどかはあたしの嫁になるのが決定しているのだー!」
「い、いつからそんなの決まったの!?きゃん、さ、さやかちゃんくすぐったいよー!」
いきなりの嫁宣言、さらにさやかの手が身体を這い回り始めまどかは抗議の声を出す。
しかしさやかはまるでどこ吹く風で手をまどかのセーターに包まれた身体の上を縦横無尽に這わせていった。
「ははは!まどかの弱いとこはぜーんぶ知ってるからね!ほらほらどうだー!」
「ひゃっ…も、もうさやかちゃーん!」
どたばたとさやかとじゃれあいながらまどかはチラッと鏡に目をやる。
鏡に映っていたのはまどかからのプレゼントのヘアピンを着けたさやかの笑顔。
そしてさやかからのプレゼントであるピンクのリボンを結んだまどか自身の笑顔も確かに映っていたのだった…
クリスマスあまり関係ないかもしれませんね…無念
最終更新:2012年01月02日 20:30