735 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 15:27:10.57 ID:jXwoCKUc0 [7/10]
大変長らくお待たせしました。では朝の続きです。もう色々ツッコミどころはあると思いますが突っ走ることに決めました
まどか「お待たせ、さやかちゃん」
まどかは目を開き、金色の瞳がその姿を覗かせた。
まどかはスカートのサイドをそれぞれ両手で一撫で。さらに右手で真後ろの部分を一撫ですると、スカートの長すぎる部分が内側へと回転しながら収納されていった。
スカートの両サイドと、後ろの裾の長さが歩くのに差し支えない長さになったところで、まどかはソファーへと歩を進めた。
そしてまどかは、スカートの後ろの撫で下ろす様にして押さえながらさやかの隣に腰掛けた
さやか「凄いわね、そのドレス裾の収納なんてできるんだ」
まどか「ふふ。実はね、このドレス自体が私の魔力で出来てるんだ」
さやか「へぇ、そうなんだ」
まどか「うん。だから自分の意思で裾の長さとかコントロールすることも出来るんだよ。まぁお迎えに行くときは、基本飛んでばっかりだから余りこういうことはしないんだけどね」
さやか「そっか。じゃあ、まどか。そろそろいいかな?」
まどか「うんっ。いつでもいいよ」
まどかはひざを寄せて太ももをぴったりと合わせ、
まどか「膝枕、どうぞ」
太ももをぽんっと叩きながら、やわらかい笑顔と共にさやかにリクエストの実行を促した。
さやか「うん、ありがとう。それじゃ遠慮なくっと……」
さやかはソファーの上にお尻を乗せて、頭の位置が太ももにピタリと合うようにもぞもぞとお尻を動かした。
さほど時間を掛けずにお尻の位置調整を終え、ゆっくりと上半身を後ろに倒す。ちょうどさやかの頭がまどかの太ももの真上に配置される形となった。
さやか「んじゃ、乗せるよ~」
まどか「どうぞ~」
ぴとっ
さやかの後頭部が、吸い付くように太ももの上に密着した。
まどか「どう?さやかちゃん」
まどかはさやかの髪をさらさらと手で梳きながら問いかける。
そしてさやかはまどかの掌と太ももの感触、温もりのおかげですっかり桃源郷の住人となっていた。
さやか「もうね……気持ちいい……そんだけ」
さやかは満面の笑みと共に、一言呟いた。
736 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 15:27:32.71 ID:jXwoCKUc0 [8/10]
まどか「ふふっ、良かった。さやかちゃんに喜んでもらえて。もし眠くなったら寝ちゃってもいいよ」
さやか「……ん~、そうね。ほんとに眠くなっちゃったときは素直に眠っちゃうかも」
まどか「うん、いいよ。その時は時間見計らって私が起こすね」
さやか「よろしく……ああ、そうそう。まどか」
まどか「なぁに?さやかちゃん」
さやか「まどかはさ……まだリクエストとかある?もしあるならさ、何でも言って。可能な限り叶えられるようにがんばるからさ」
まどか「……いいの?」
さやか「うん、いいよ。それから一つや二つなんてけちな事言わないでさ、ガンガンお互いに言い合っちゃおうよ。ね?」
まどか「……ありがとう。じゃあリクエストはさやかちゃんを膝枕してる最中にでも考えとくよ。今はさやかちゃんのほうが先だから」
そう言ってまどかはさやかの頬を一撫でする。
さやかはうっとりとしながら目を瞑り、その安らぎに身を任せた。
さやか「うん、せっかくのまどかの膝枕だもん。あたしもゆっくり……楽しませてもらうよ」
それから二人はしばらくの間、会話をする事なく、その場の暖かな空気と互いに伝わる温もりをまったりと楽しんだ。
そんな中、まどかはさやかの整った顔立ちを見つめながら、とある思いを抱いていた。
そしてその思いが願いに変わるまで、時間は掛からなかった。
お互いが沈黙を始めてから10分後、口を開いたのはさやかからだった。
さやか「まどか」
まどか「ん、どうしたの?」
不意に話しかけられたまどかは、さやかの髪を撫でていた手を思わず止めた。
さやかは閉じていた目を開き、膝枕の終了を申し出た。
さやか「ありがと。膝枕、もういいよ」
まどか「え、もういいの?まだ10分くらいしか経ってないよ?」
さやか「うんん、もう十分よ。これ以上してたら気持ち良過ぎて融けちゃうよ、あたし。でろ~んって」
まどか「さやかちゃんったら……」
おどけてみせるさやかに、まどかはくすっと笑みを零した。
さやか「よいしょっと」
さやかはまどかとぶつからないようにゆっくりと上半身を起こし、ソファーに腰を掛けなおした後、まどかの方に上半身を向けた。
さやか「それじゃあまどか。さっきも聞いたけどさ、リクエストある?」
まどか「うん、あるよ。さっき膝枕してる最中に思いついちゃった」
さやか「へぇ、そっか」
まどか「うんっ、でも……さやかちゃんには少しハードル高いかも」
さやか「おっ、言ってくれんじゃないまどか。良いよ、言ってみなって」
まどかが話す事を躊躇するようなリクエストの内容に興味を持ったさやかは、持ち前の負けん気を発揮させ、まどかに話す様に促した。
まどか「……わかった。じゃあ遠慮なくリクエストさせてもらうね」
さやか「うむっ、このさやかちゃんに任せなさいっ!」
まどかの言葉に、さやかは自信たっぷりの笑顔とサムズアップで応えた。
まどか「私のリクエストはね」
さやか「うんっ」
まどか「この白いドレスを着たさやかちゃんが見たいな」
737 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 15:30:35.56 ID:jXwoCKUc0 [9/10]
まどかから発せられた言葉の内容を理解したさやかは、
さやか「……っ!!ぁぅ」
思わず自分のドレス姿を想像し、赤面してしまった。
さやか「なるほど……確かにこれはハードル高いかも……」
まどか「でしょ?私もそう思ったんだ。さやかちゃん、こういうのって結構敬遠しがちだもんね…あとフリフリのレースとか」
さやか「う……そ、そうね」
さやかの女の子らしさに対するコンプレックスは、恋人であり親友であるまどかのお陰で少しずつ緩和されてきてはいるものの、
女の子らしさを前面に出したような、可愛らしい服装を自身が着ること関してはまだまだ抵抗してしまう部分があった。
そしてそれはさやかの一番傍にいるまどかも重々承知している。
だが、それでもまどかはその願いを譲らなかった。
まどか「でもね、さやかちゃん。さやかちゃんはさっき私の事、ドレスに負けないくらい綺麗だよって褒めてくれたけど
私だって、さやかちゃんの事、綺麗だって思ってるよ」
さやか「まどか……」
まどか「膝枕してる最中にさやかちゃんの顔を見てたときに思ってたんだ。
こんなに可愛くて、綺麗で、スタイルだって良いさやかちゃんならこのドレスだってきっと似合うって」
まどかは赤面の引き始めたさやかの目を直視する。そのまどかの真剣なまなざしに、からかいの色は微塵もない。
さやか「まどか」
まどか「なぁに?」
さやか「その……ありがとね」
まどか「どういたしまして、でもお礼なんていいよ。私は思ったことをそのまま言っただけだから、ね?」
さやかはが照れながらも述べた感謝の言葉を、まどかは優しい笑顔と共にやんわりと、丁寧に打ち消した。
確かに、ただまどかは自身の思いを真っ直ぐ、偽ることなく伝えただけである。
さやか「そっか……よし、まどか」
だが、その偽りなき心はしっかりとさやかの胸に届いていた。
さやか「あたしのドレス姿、あんたにしっかりと見届けてもらうわよっ!」
738 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 15:31:29.52 ID:jXwoCKUc0 [10/10]
さやかの表情からは照れや羞恥など跡形もなくなり、そこにはさっぱりとした笑顔が浮かんでいた。
まどか「ほ、ほんとにっ?本当にドレス着てくれるのっ?」
さやか「おうっ!さやかちゃんに二言はないよっ!」
まどか「やったぁ!」
さやか「おわぁっ!?」
まどかはさやかの力強い言葉を受け、溢れる喜びと共にさやかに抱きついた。
さやか「こらこらっ。まどかったら、喜びすぎだぞ」
さやかは急に抱きついてきたまどかに苦笑いする。
だが、まどかは気にせずさやかの首の後ろに両腕を回し、さやかの耳元で話し始める。
まどか「だって見れるんだもん、さやかちゃんのドレス姿っ。もう楽しみで楽しみで仕方ないよっ」
まどかは一しきりさやかの首筋に頬を摺り寄せたり、さやかの頬をぺろぺろと舐め回したりして戯れていたが、
ある程度したところで自ら腕を解き。大事な説明をするためにさやかと向き合う形を取った。
さやか「あれ、もういいの?」
まどか「うん。さあかちゃんに大事なこと説明しなきゃと思って」
さやか「大事なこと?」
まどか「うん。さっきほんの少しだけ触れたけど、このドレスについてのこととか、着替え方とかまだ説明してなかったはずだから」
さやか「あっ……うん、そうだね。あたしこのドレスについては、さっき教えてもらったことくらいしかわかんないや。
じゃあまどか。説明、よろしくお願いします」
まどか「こちらこそ、よろしくお願いします」
さやかがまどかに軽く一礼し、まどかもさやかに返礼する。
こうして、まどかの説明が始まった。
以上です。次は夜23時くらいまでにはなんとか……
最終更新:2012年01月02日 20:49