959 名前:そんな二人の涙1/3[sage] 投稿日:2011/12/29(木) 02:50:21.86 ID:Rz3cYud50 [1/3]
年末なので悔いのないよう思いつく限りのSSを書きたい…というわけでまず1つ
3レスほど使わせていただきます
「…………」
「…………」
やぁ、みんな元気にしてる?魔法少女さやかちゃんだよ!
最近はすっかり寒くなって朝とか夜はキツいよね~…風邪をひかないようにしなきゃね!
「さやかちゃん…」
「…………」
…うん、ごめん、そろそろ現実逃避はやめる。
というかなんであたしは正座させられてるの?なんであたしの嫁は怒ったような泣きそうな顔してるの?
わけがわからないよ…っとこれはあたしの台詞じゃないや。
「さやかちゃん」
「うぐっ…」
まずい、そろそろまどかの感情が怒りの方向に向いてきてる…あたしの名前を呼ぶ声がいつもよりちょっと低いのがその証拠、間違いない。
「あのさ…まどか。あたしはどうしてこんなことになってるのかな~…?」
とりあえずまどかがなんで怒ってるのかわからないと謝る事もできない。
適当に謝ったってまどかにはバレバレだし…いやぁ、お互いをわかりあってるっていうのはこういう時は不便だね、うん。
「わからないの?」
「えっとまぁ、うん…」
前言撤回…考えたらあたしはこういう時まどかの気持ちをまるでわかってあげてない。
まどかにこんな顔させたくないのに、まどかにはいつも笑っててほしいのに…他でもないあたしがこの子の笑顔を奪ってるんだ…
960 名前:そんな二人の涙2/3[sage] 投稿日:2011/12/29(木) 02:52:32.57 ID:Rz3cYud50 [2/3]
「さ、さやかちゃんっ!?ど、どうして泣いて…」
「あ…」
嘘、あたしどうして泣いてんの…今泣きたいのはきっとまどかなのに、あたしが泣くなんておかしいのに…
あぁ、くそ、泣き止みなさいよあたしっ…まどかだって困るでしょうがっ…
「っ…~~~っ…」
「…………」
気持ちとは裏腹にあたしの涙は止まらなくて。
…わかってる、あたしが泣いてる理由はきっと情けないから。
この子を悲しませておいてその理由もわからない…まどかを嫁だとか言っときながら最低じゃんあたし…
ううん…それ以前に友達としてもあたしは…
「さやかちゃん…もういいよ」
「えっ…?」
自分でも考えちゃいけないってわかってる事を考えてしまいそうになってたあたしを止めたのは、まどかの優しい声と温もり…
あぁ、あたしは抱き締められてるんだなって気付いたのはまどかが喋りだすちょっと前だった。
「ごめんね、わたし…エリーちゃんに頼んでさやかちゃんの心を読んでたの。だからさやかちゃんの悲しみもちゃんと伝わってるよ」
「っ…」
「ほんとはね、怒った理由も大した事じゃないの。ただわたしが勝手に嫌な気分になって、1人で暴走して…ごめんなさい、さやかちゃん…」
まどかが謝る事なんてないのに…あたしが情けないだけなのに。
あたしに抱きつきながら肩を濡らしてくるまどかに、あたしは何も言えずただ抱き締め返す…
結局泣かせちゃったじゃん…あたしの大バカ。
「まどかぁ…ごめんね、ごめんねっ…」
「ううん…違う、違うのっ…さやかちゃんは悪くないのっ…」
「まどかぁ…」
「さやかちゃんっ…」
あたし達は泣いた、それしか知らないみたいにお互いを呼びながら泣き続けた。
ごめんね、まどか…こんたあたしで。
でもあたし頑張るから、まどかを泣かせないように頑張るからっ…
だからまどか…お願い、これからも一緒にいて…
あたしは、あんたが大好きだから…
961 名前:そんな二人の涙3/3(おまけ)[sage] 投稿日:2011/12/29(木) 02:56:20.52 ID:Rz3cYud50 [3/3]
†
後日…
「…それで今回は何が理由なんですか?」
「そうだよ、聞いてよ仁美ちゃん!さやかちゃんったらね、この前また告白されたんだよっ!?しかもその時抱きつかれちゃったってっ…」
「だから告白は断ったし抱きつかれたのもちょっとだけでしょうがっ!だいたいなんで抱きつかれたの知ってんのよっ!?」
「抱きついた時にさやかちゃん以外の匂いがしたからだよ!」
「匂いってあんたは犬かっつうの!」
「さやかちゃんのためならいいよわたし!」
「尻尾と耳生やすな、首輪を持ち出すな、おバカ!」
「きゃうんっ!?ひ、酷いよさやかちゃん!」
「うっさい!どんなにすごい理由かと思ったらいつもの焼きもちなんて、あたしの涙を返せー!」
「きゃうううっ!?尻尾引っ張らないでー!」
「ふふ…お二人共本当に仲がよろしいですわね」
「このこのこのー!」
「ひゃああんっ…!」
「もうやだ…あの二人の桃色思考なんか読みたくないよぉ…」
「よしよし、ご苦労様エリー」
「エルザァ…」
最終更新:2012年01月02日 21:16