205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/01/01(日) 13:51:29.80 ID:nUKKffIh0 [1/2]
自分なりのまどさやお正月です。
一応ほのぼの?な感じで書かせていただきました。
レス食いそうなので今回から出来るだけろだにします。
「行っくよーさやかちゃん!これでトドメだよっ!!」
(カン!)
「くぅっ…! うっ…わぁぁぁっ!?」
(フラフラ…スカッ…)
[みんなで過ごすお正月]
元旦早々から羽根突きを楽しむまどかとさやか。
二人は既にそれぞれ青色と桃色のを基調とした晴れ着に身を包んでおり、お正月の準備は万端といった姿格好だ。
しかし普段の身体能力の差からは考えられない程、まどかの動きはさやかを圧倒していた。
「…嘘………あたしがまどかにこんなにアッサリ負けるなんて…!」ガックリ
「わたしの勝ちだよー! それじゃ、早速さやかちゃんの顔に落書きしちゃおっと。」
「ぅぅー…二人共着物だし動き難いのは同じなのに―――…ってまどか、あんたその靴ブーツじゃん!」
「うぇひひ♪ 着物にブーツって意外と似合うよねー。」
履物が草履のさやかに対し、まどかの足元裾からはブラウンのショートブーツが覗いていた。
同じ着物でも履物で機動力に差が付いていたのだ。
草履が歩きにくい訳ではないが、急に方向を変える様な激しい動きには向いていない。
「こらー!ブーツはずるいわよー!」
「えへへっ、でも勝ちは勝ちだから罰ゲームだよ♪ えーっと墨無いから…これでいっか。」
まどかの手に持つマジックがキュッキュッと音を立ててさやかの左頬をなぞる。
三文字程書かれたさやかは手鏡を見て仰天した。
「わーっ!あんた何て事すんの!」
さやかの左頬には大きく"まどか"と書かれていたのだ。一方でまどかはご満悦で顔一杯に笑顔を浮かべている。
「うぐぐぐ…次は絶対負けないわよ!」
「さ、さやかちゃん…?」
さやかの全身から何から青いオーラが湧き上がりまどかはたじろぐ。たかが羽根突きなのに何だか異様な雰囲気だ。
二ラウウド目は手加減無しというか本気でさやかは挑みかかった。
「でやぁっ!!」
(ガキンッ!)
「わわわっ!?」
「よ、よし…何とか勝った! それじゃまどか、お返しだ〜!」
「きゃー!」
両手をわきわきとさせながらこの時を待ってましたとばかりにさやかの不気味な笑顔が迫り来る。
まどかの左頬には先程の罰ゲームの報復として"さやか"と大きく文字が書かれた。
「ううーっ!次は負けないよっ!」
「えっ?まだやるつもりなの!?」
………………♭♭♭………………
―志筑邸―
まどさや「「あけましておめでとうございます。」」
マミ杏ほむ「「「………!!」」」
仁美「あらあらうふふ♪」
杏子「…お前ら一体何やってたんだよ…?」
さやか「いや、羽根突きを少々…。」
ほむら「そうじゃなくて!どうして貴女の顔に"まどか大好き"、まどかの顔にさやかLOVEと書いてあるのよ!?」
まどか「えへへ…罰ゲームでわたしがさやかちゃんに自分の名前書いたらこうなっちゃって…。」
結局あの後続いた羽根突きはお互いがそれぞれもう一度ずつ罰ゲームを与える結果になった。
まずまどかはさやかの"右頬に大好き"、次いで反撃したさやかが"LOVE"と文字を刻んだのだ。
仁美「さぁ皆さん、早速初詣に参りましょう!」
杏子「オイ…コイツらも連れて行くのかよ…?」プルプル
マミ「仕方ないわ、年に一度の行事なんだから…。」プルプル
ほむら「と…とりあえず恥ずかしいから顔洗ってもらえるかしら?」プルプル
杏子、マミ、ほむらの三人は何故か落書きされた二人を直視しようとはしない。
さやか「いやぁそれがですね…。」
まどか「油性ペンってなかなか落ちないよね。」
既に洗おうとはしたのだが、後先考えず油性マジックを使った為に現在の状況に至る…。
杏子「―――………あははははははは!!も〜〜〜駄目だ!我慢無理!!」
マミ「ちょっと駄目よ佐倉さん…フフフフ…フフフふふっ…!」
ほむら「そういう巴さんだって…うぷぷぷぷ…!
いくら恋人だからって顔に…顔は…顔とか…顔って…顔なんだもの…あははははは!!」バシバシ
仁美「あらら? みなさん凄いテンションですわね♪」
この中で一番激しく笑い転げているのはほむらで、唯一平常心を保っているのは仁美だけだ。
当のまどかとさやかはここまで爆笑されるとは思いも寄らず唯々唖然としていた。
―神社―
(ガランガラン)
さやか「(今年もまどかと一緒に居られますように。)」
まどか「(今年もさやかちゃんと恋人同士で居られますように。)」
参拝を済ませた一行は記念にと神社にあるお店に立ち寄った。
バイトの巫女さんが御神籤や御守り、絵馬といったものを売っている。
さやか「御守りが欲しいんですけど。」
巫女「それではお二人はこれをどうぞ。」
まどかとさやかが薦められるまま購入したのは水色とピンクのお守り。
とりあえず貰ったは良いが、その内容に気付いたのは暫く経ってからだった。
さやか「…これ、縁結びのお守りなんだけど…?」
まどか「えっ? わたしさやかちゃんのと色違いだよ。」
杏子「まぁ顔にデカい字でお互いの名前書いてありゃそうなるだろw」
さやか「うわぁぁぁぁぁ!それ言うなぁー!!」
二人にとって人生で一番恥ずかしい初詣となったのは間違いない。
―再び志筑邸―
それぞれ私服に着替えて餅搗きの準備が始まる。
敷地内の広い庭には立派な杵(きね)と臼が置かれ、蒸篭(せいろ)で蒸された餅米が運び込まれていた。
マミ「本格的な餅搗きなんて久し振だけど、ここまでしてもらうと志筑さんに申し訳ない気もするわね。」
仁美「今年はせっかく六人も集まれたのですから、皆さんと楽しく盛り上がりたいのですわ。」
資材は全て志筑家が好意で提供していた。仁美にとって五人もの友人というのはとても嬉しく掛け替えのないものだ。
元々仁美はお嬢様育ちで、最初は周囲になかなか馴染めず孤立しがちだった。
しかしまどかとさやかを通して仲間と世界が広がった、自分に出来るせめてものお礼がこういった事なのだ。
さやか「そんじゃ、最初は餅をピンクで搗きまーす!」
まどか「ねぇさやかちゃん、わたし青がいいなー。」
杏子「アンタの気持ちは理解るけど青はやめとけ…。」
まどか「ほぇ?どうして? さやかちゃんの青なのに…。」
ほむら「青は食欲減退の効果があるのよ。例えば青いクリームのケーキを想像してみなさい。美味しいと思える?」
まどか「う…あんまり美味しそうじゃないね…。」
…………♭♭♭………
まどか「よいしょっと!」ペタン
さやか「ほいっ!」
まどかが杵で餅を搗き、さやかが餅を返す。
この共同作業はまどかの希望なのだが、当の本人は杵の重さからフラついていてやや心配だ。
そもそも女子中学生に杵を持たせる事自体無理がある気もするが、魔法少女達は是非やってみたいと全会一致で決定したのだ。
杏子「…大丈夫かよまどか? 逆の方がいいんじゃ…。」
(ゴスッ!)
さやか「ふぐおっ!?」
案の定、狙いの上手く定まらない杵がさやかの頭部を直撃してしまった…。
まどか「わわわっ!! さやかちゃんごめん!!」
杏子「死ぬなさやかぁ!傷は浅いぞ!」
マミ「美樹さん…お正月そうそう災難ね…。」
ほむら「…まどか、絶対やると思ったわ…。まずは餅の海に沈んださやかを救出しましょうか。」
仁美「ではわたしくは救急セットをお持ち致しますわ。」
頭を抱えながらマミ達もさやかの救出活動に加わる。
被害者のさやかは程なくして餅の暑さで元気(?)に飛び上がったのだが。
さやか「勝手に殺すなぁ〜っ! ってあちちちちっ!」
まどか「さやかちゃん大丈夫!?」
さやか「このくらい平気!…って言いたいトコだけどものっそ痛かったわ…。」
杏子「そりゃそうだろ…凄ぇ音したからな。」
まどか「ぅぅ…ほんとにごめんねごめんね…。」
さやか「ワザとじゃないんだからしょーがないって。」
痛さで涙目なさやかに対し申し訳なくて涙目なまどかは必死に謝っていた。
泣きそうなまどかを慰めるさやかの方も涙目なので効果はあまりない様だ…。
仁美「さやかさん、包帯と塗り薬を持って来ましたわ。」
さやか「あんがと仁美…ちょっと横にならせて貰うよ。」
マミ「とりあえずは鹿目さんも交代でいいわね?」
まどか「うん…ごめんなさい…。」シュン
すっかりしょ気てしまったまどかにほむらがそっと耳打ちする。
赤面して戸惑うまどかだが、責任を取る最善の方法だと言われてほむらの助言を実行する事にした。
まどか「さやかちゃん…あのね…。横になるなら…こっちにどーぞ///」
さやか「へ…?」
まどかは先に縁側に腰掛けており、チョイチョイと自分の膝へとさやかを促す。
さやか「そ、それじゃ…お言葉に甘えて…//」
頭に包帯を巻いたさやかは患部を刺激しない様にゆっくりとまどかの膝元へ頭を降ろした。
触れた瞬間に緊張が解けてさやかの表情が緩んだ。
スカートとソックスの領域からまどかの温もりを直接感じられてとも心地良い。
また温もりを感じたのはまどかも同じだ。さやかの頭を包帯を避けて撫で撫でし始めた。
まどか「さやかちゃん、膝枕、どうかな…?」
さやか「…すっごい気持ちいいよ…。なんかこのまま寝れそうな感じ…。」
…………♭♭♭………
(ブンッ!ペタン!)
杏子「これ楽しいな!おらぁっ!」
マミ「ちょっと佐倉さん、本気で振り下ろさないでよ!」
ほむら「杏子!巴さんを殺すつもり!?」
若干身体能力強化の魔法も用いているのか、杏子は楽しそうに軽々と杵を振り回す。
ただ全然加減というものをしないで、餅を返すマミは避けるので必死になりつつあった。
まどかとさやかが膝枕で休んでいる中、残る四名によって餅搗きは順調に進んでゆくのだった。
…………♭♭♭………
仁美「"まどか大好きさん"と"さやかLOVEさん"、お餅が出来たので起きてください。」
さやか「―――…ん…わぁぁっ!?//」
まどか「仁美ちゃ〜ん…それもう言わないでよぉ〜…//」
まどかの膝枕が心地良くて寝入ったさやかと釣られて眠ってしまったまどかは慌てて目を覚ました。
未だに二人の両頬にはお互いの名前がしっかりと残されたままである。
そろそろ忘れたかった頃だが、仁美にからかわれて再び恥ずかしさがぶり返してしまった。
その後、全員が揃ったリビングでは新たな争いが始まろうとしていたが…。
杏子「餅っつたらあんこだろ!?」
マミ「黄粉で包んだ黄金のお餅に決まってるでしょ!」
仁美「和というものをご存知ないのですか? お餅とはお醤油と海苔で食べるものですわ!」
ほむら「私…砂糖付けて普通に食べるくらいしか…。」
各々が言い出してキリが無いので結局台所から全部が出てくる事になった。
尤も全て美味しい事に変わりはなく、他人の主張した食べ方を試し合う形で飽きる事なく食が進んでいったのだが。
自己治癒能力によってさやかの怪我はすっかり治っていた。
まどかとさやかは二人寄り添いながら搗き立ての柔らかい餅に舌鼓を打つ。
まどか「色んな食べ方があって美味しいね。」
さやか「うん。ピンクのお餅もまどかみたいに柔らかくて美味しいよ。」
まどか「―――んぐっ!?」
さやか「ちょっ!まどか大丈夫…?」
さやかの言葉に悪意はなかったのだが、まどかはびっくりして餅を喉に詰まらせてしまった。
すぐにさやかが水を飲ませて事なきを得たのだが。
さやか「ごめんごめん、別に変な意味じゃなかったんだけどね。」
まどか「えへへ…さやかちゃん、わたしも柔らかくて美味しいかな?」
さやか「だ、だからそういう意味じゃないってば!//」
まどかはうろたえるさやかを楽しむ様に無垢な笑みを浮かべていた。
さやかはお餅にも劣らないまどかの柔らかさと暖かさを知っているのだから。
まどか「さやかちゃん、来年は初詣の後に羽根突きしようね。」
さやか「え!?来年もやるの!?」
羽子板、初詣、餅搗き…
今年もお正月からいろいろ大変でしたが何とか平和にやって行けそうです。
[みんなで過ごすお正月]
おしまい。
最終更新:2012年01月03日 14:21