672 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/05(日) 23:04:08.53 ID:HViYcJ7A0 [1/5]
月曜の魔女が来る前にSS投下 マミさん分多め
―――――ある日の帰り道―――――
さやか「まーたこの子は無自覚に可愛い事言っちゃって 罰としてハグしちゃうぞー うりゃ!」
まどか「あぅ! さやかちゃんこんなとこで抱きついたりしちゃ駄目だよ、みんなの邪魔になっちゃうよ」
マミ 「・・・・・・」
さやか「おー? 生意気いっちゃって そんな事言っても嫁の体は正直だぞぉ!」
まどか「だ、だめだよさやかちゃん そこわたしの弱い所だって知っt・・・ひゃん!」
マミ 「・・・・・・・・・ねぇ 二人ともちょっといいかしら?」
さやか「あ、ごめん!マミさん ちょっと騒ぎすぎだったかな?」
まどか「ご、ごめんなさい!マミさん ついはしゃいじゃって えへへ・・・」
マミ 「あっ、違うのよ? 別に周りの迷惑になったりはしていなかったわ ただ二人にちょっと聞きたい事があって・・・」
二人 「なんでしょう?」
マミ 「もしかしたら二人の気を悪くさせてしまうかもしれないのだけれど・・・ 怒らないで聞いてね?」
さやか「いやいや あたし達がマミさんに怒るなんてありえませんよ さやかちゃん何でも答えちゃいますから!」
まどか「そうですよ! わたし達がマミさんに怒られる事はあるかも知れないけど、その逆はちょっと考えられないかも」
マミ (あぁ無条件の信頼が眩しいわ・・・ 私ひょっとして間違った事を―――って駄目よ!ここまで来たら覚悟を決めなさい巴マミ)
マミ 「・・・えっとね、私の勘違いだったらそれでいいのだけれど。ひょっとして美樹さんと鹿目さんは付きあっていたりするのかしら?」
さやか「付き・・・あう・・・・・・って、え? それはどういう意味で?」
マミ 「二人は恋愛関係にあるのか、という事よ」
まどか「わたしとさやかちゃんが恋人同士・・・」
「2年の美樹と鹿目は女同士なのに付き合っているらしい」
そんな噂を耳にしたのはつい最近の事
その時は無責任な噂だと気にも留めなかったのだけれど
やはり毒されてしまったのだろうか、その日から二人のふれあいが気になって仕方なくなってしまった
私のクラスにだって仲の良い女の子同士は勿論いる、だけど―――
美樹さんと鹿目さんの関係はその子達と比べてもちょっと逸脱したレベル
スキンシップが過剰すぎるし、いつも何かにつけてイチャイチャしている気がするわ
673 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/05(日) 23:07:00.79 ID:HViYcJ7A0 [2/5]
さやか「・・・・・・」
まどか「・・・・・・」
マミ 「鹿目さん、美樹さん。誤解しないでほしいんだけれど。私は二人がそういう関係だったとしても色眼鏡で見たりはしないわ」
マミ 「ただ、もし二人がそういう関係だったなら私も色々気を使ったりできると思うの。二人でいたい時もあるで――――」
さやか「――――っぷ あっははははは!」
マミ 「!?」
まどか「さ、さやかちゃん! そんなに笑ったらマミさん失礼だよ」
さやか「あー・・・ いや、ごめんごめん。マミさんがあんまり突拍子も無い事言うもんだから つい」
マミ (美樹さんこの反応からすると。これは、つまり―――)「私の勘違い、という事かしら?」
さやか「そういう事になっちゃいますね。確かにあたしはまどかの事は大好きだけど、恋人とかいうのとは全然違いますよ」
マミ (少なくとも美樹さんの方にその気は無い・・・・・・ ということね、なら―――)
まどか「わたしもさやかちゃんの事は大好きだけど、男の子と女の子の好きとは違うと思います。わたしにとってさやかちゃんはもう家族みたいなものなんです」
マミ (鹿目さんの方にもその気は無し、か)「・・・ふぅ、私の勘違いだったみたい。二人とも変な事聞いてごめんなさいね」
さやか「いえいえ、でも他の人から見るとあたしとまどかってそんな風に見えますか?」
マミ 「ついそういう関係を疑ってしまう程度には、ね。 だって美樹さんと鹿目さん本当に仲が良いんだもの」
まどか「そんな風に言われるとちょっと照れちゃうかも///」
さやか「おー? 照れた顔もまた可愛いやつめ! でも他の男の嫁にはやらんぞぉ!!」
まどか「きゃぅ! もー・・・ さやかちゃんったら まだわたしにはお嫁さんなんて早すぎるよ///」
マミ 「・・・・・・それよ」
二人 「え?」
マミ 「小学生時代からの親友だって話は聞いているけれど、少しスキンシップが過剰すぎないかしら?」
さやか「んー・・・ でもあたしとまどかは昔からこんな感じだから、今更変えたりはできないと思う」
まどか「あ、あの! さやかちゃんは何も悪くないんです!! だから―――」
マミ 「落ち着いて、鹿目さん。別に責めているわけじゃないの。ただ、あなた達にそんな噂が立っていたものだから」
さやか「そっか、マミさんはこれ以上あたしとまどかに変な噂が立たないよう教えてくれたんだ。ありがとうマミさん」
マミ 「ううん、私の方こそあまり褒められたものじゃない勘ぐりだったわ」
まどか(マミさんがそんな風に思うって事は、他の人からはもっとそんな風に思われてるのかな・・・ さやかちゃんに迷惑はかけたくないけど、でも・・・・・・)
さやか「こぉら! 何一人で暗い顔してんのまどか!!」
まどか「さ、さやかちゃん! 抱きついちゃ駄目だよ!! 今マミさんに注意されたばっかり――――」
さやか「そんなの関係ないよ、誤解されたならその都度説明すればいい。マミさんだって分かってくれたじゃない」
まどか「で、でも・・・・・・マミさんは分かってくれたけど、他の人は分かってくれないかも知れないんだよ?」
さやか「それなら―――それでいいよ。そんな無責任な噂のためにまどかと距離を置くなんて馬鹿な真似あたしにはできない」
まどか「そんなの駄目だよ! だってさやかちゃん、上条君のこと―――」
さやか「ストップ!それ以上は言っちゃ駄目だよ、まどか」
まどか「・・・・・・あぅ」
674 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/05(日) 23:09:43.00 ID:HViYcJ7A0 [3/5]
さやか「大丈夫だよ。ちょっと抜けたとこはあるけどさ、恭介はそんな無責任な噂を信じるような奴じゃない」
マミ (二年の天才ヴァイオリニストが美樹さんの――― いえ、今のは聞かなかった事にするのが礼儀というものね)
さやか「それともまどかの方が嫌かな? レズだなんて噂立てられちゃったら男子からラブレターなんて貰えなくなっちゃいそうだし」
まどか「嫌な筈ないよ! さやかちゃんと距離を置いてまで、わたしラブレターなんか欲しくない!!」
さやか「よしよし、いい子だ。それならこの話はこれでお終い、明日も明後日もずーっとあたしとまどかは今まで通りだからね?」
まどか「でも・・・さやかちゃん・・・・・・」
マミ 「大丈夫よ、鹿目さん」
まどか「マミさん・・・」
マミ 「あなた達の気持ちの確認は取れた。もし無責任な噂で私の可愛い後輩達を泣かせる様な人がいたら・・・ その時は私が黙っていないわ」
さやか「まぁ、そういう事。あたしだって黙っちゃいないよ、だからさ。まどかはいつも通りあたしの隣で笑っててよ」
まどか「さやかちゃん・・・・・・・ うん、わたしいつも通りにする。いつも通りさやかちゃんの隣にいるよ。明日も明後日もずーっと!」
マミ (美樹さんはかなりの天然ね。今の台詞は普通だったら完全にプロポーズの言葉よ)
さやか「もし、さ。それでもレズだなんて噂が立って、まどかが男子からそっぽ向かれちゃったらその時は―――あたしが本当にまどかを嫁にもらってあげる!」
まどか「もう! さやかちゃんったら女の子なのにそんな冗談ばっかり言って!! わたし本気にしちゃうよ?」
マミ (美樹さんが男性に生まれていたらどれ程の女の子が被害にあったかしら、この言動が天然なんて性質の悪い冗談ね・・・・・・)
さやか「さやかちゃんに二言は無い! まどかはあたしの嫁になるのだー!!」
マミ (うーん・・・やっぱりこれは普通じゃない気が・・・・・・ まぁ、いいわ。私のやるべき事は可愛い後輩達を守ってあげる事だもの)
まどか「えへへへ////」
さやか「うん、やっぱりそうだ。こうやってまどかを抱きしめると分かる。マミさん、やっぱりあたしのこの気持ちは恋なんかじゃないよ」
マミ 「本当に?」
さやか「間違いないです。だってあたしまどかを抱きしめても全然ドキドキしないもん」
まどか「わたしもさやかちゃんと同じです。さやかちゃんに抱きしめられてもドキドキしたりしないです」
さやか「あたしがまどかを抱きしめても、胸に溢れてくるのはドキドキじゃなくて。ぽかぽかとしたあったかいものばっかりで」
まどか「わたしはさやかちゃんに抱きしめられると、ドキドキとは全く逆で・・・・・・すごく落ち着いて、優しい気持ちになれるんです」
マミ 「さっき鹿目さんが言っていたけれど、あなた達の関係は家族のようなもの・・・・・・という事なのかしら?」
さやか「そんな感じですね。まどかはあたしにとっちゃ可愛い妹ってとこかなー」
まどか「むぅー、さやかちゃんは一人っ子じゃない。タツヤのいるわたしの方が本当はお姉ちゃんなんだよ?」
さやか「あっはは、まどかったらそこは譲れないんだ? 可愛いなー」
マミ (家族、か・・・・・・)
675 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/05(日) 23:11:55.18 ID:HViYcJ7A0 [4/5]
あの時、事故で最も近しい血の繋がりを永遠に失ってしまった私には
例え血の繋がりが無くとも本物の家族と同じ、あるいはそれ以上に
互いを想い愛する二人の関係は酷く眩しく見える
魔法少女になったから、両親を亡くしてしまったから
そんな風に言い訳をしないで、誰かと関わる勇気があったなら
私も誰かとこの二人のような関係を築く事が――――
二人 「マ~ミさん!」
マミ 「きゃっ! ど、どうしたの二人とも? 急に抱きついたりして」
さやか「なーに一人で難しい顔してるんですか。さっきの話はもうお終いですよ?」
まどか「えへへ、わたし達の為にマミさんが悩んでくれるなんて嬉しいけど。笑ってる方が楽しいよマミさん!」
マミ 「ふふ・・・そうね。せっかく新しいケーキと紅茶を用意してあるんだもの、こんな顔で食べちゃ勿体無いわ」
まどか「やったぁ! マミさん特製の新しいケーキ・・・楽しみだなぁ。絶対美味しいですよ」
さやか「うんうん、マミさんのケーキが美味しくないわけない!ってね」
マミ 「あらあら、随分と期待されちゃってるみたいね。二人の期待に応えられる出来ならいいんだけど」
さやか「そうと決まれば善は急げだ! マミさん家にレッツゴー!!」
まどか「おー!」
マミ 「ちょっ!? 二人とも手を引っ張っちゃ駄目よ、別にケーキは逃げたりしないわ!!」
――――とても寂しくて 暗い処へ落ちかけた私の心
けれど 両の手を引く二つのぬくもりは あっという間にそれを振り払ってしまって
私がとっくに孤独じゃなくなっている事を とても優しく教えてくれる
大丈夫 もう 何も怖くない 私、一人ぼっちじゃないもの
最終更新:2012年02月28日 00:11