2-724

724 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 00:22:16.41 ID:32kQTMBCO [1/3]
今夜は投下が多いな…嬉しい
それに続くように投下。規制に巻き込まれたせいで携帯からだけど、二レス

「まどか。わがままとか、ない?」
さやかちゃんが妙に神妙な顔でおかしなことを言い出した。
「わがまま?」
わがままって、言われてするようなものだったっけ。
あまりに唐突すぎる質問に、首を傾げてオウム返ししてしまった。
「ほら、いつもあたしの方がわがまま言うからさ」
たまにはまどかのわがままも叶えてあげたくなったというか、そのー。
間延びした声で、しどろもどろに答えるさやかちゃん。
また変なことを企んでるんじゃないかな、これは。
「ジュース買ってきて、とかじゃだめだよね?」
「それはただのパシリじゃん」
できるだけ簡単なことで済まそうと思ったのに。
唇を尖らせたさやかちゃんに、却下と一言で言われてしまった。
「えー、特にないよ」
「まどかは無欲すぎだよね。もっとあたしみたいに欲望まみれで……まみれじゃないよ!」
むむむと考え込んでいると、さやかちゃんはそんなことを言い出す。
「さやかちゃんは割と欲望まみれだと思うけど」
「まどかひでぇー!」
まあでも、さやかちゃんはいつでもやりたいことに真っ直ぐなのがいいところだと思うけど。
「私の嫁がすごく冷たい……これが、倦怠期というものか……ッ!」
さやかちゃんはぐぎぎと唸って、大げさに悔しさを表現している。
……うん、いいところだと思う。
「それにしても、やっぱり難しいなぁ」
突然、何かわがままをしろと言われても、なんだか漠然としててよく分からない。
この状況自体がさやかちゃんのわがままみたいなものだし。
「ほんとかー? あたしにできることなら、なんでもしてあげるのになあ」
なんでも、かあ。
範囲が広すぎて、逆に何を考えたらいいのかさっぱりだ。
「うーん。さやかちゃん的には、どんなわがままがいいの?」
「え? ……特に考えてなかったけど」
「なにそれ」
呆れたふうに返すと、さやかちゃんは不満そうな表情をしてしまった。
そのまま、そっぽを向いて、ぽつぽつと話し出す。
「いいじゃん。とにかく叶えてあげたくなったんだよ。まどかのわがまま」
叶えてあげたくなったって言うのも変な言い方だけど。
さやかちゃんが変なのはいつものことだし。

725 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 00:23:00.36 ID:32kQTMBCO [2/3]
「あ、そうだ」
「お? やっと見つけたか?」
「うん。さやかちゃん以外には叶えられないこと、見つけたよ」
そう言うと、さやかちゃんは目を輝かせて身を乗り出してきた。
「あたし以外? 一体どんな?」
内容が気になるようで、さらにずずいと顔を寄せてくる。
そんなさやかちゃんの耳を寄せて、つぶやく。
「ずっと、一緒にいてね?」
我ながら、だいぶ恥ずかしいわがままだった。
「なにそれ」
さやかちゃんは輝いていた目を細めて、さっきのお返しとばかりに私と同じことを言った。
「ダメだった?」
軽く首を傾げてみると、ちょっとだけ困ったように頭をかく。
そのまま、はあとため息を吐いて、続けた。
「わがまま言うまでもないじゃん、それ」
「そうだよ。だからわがまま言わないの」
笑顔で返すと、さやかちゃんはあーとかうーとか言いながらもごもごしだした。
照れてるんだろうなあ。こういうところ、すごく可愛いと思う。
「あー、もう。まどかには負けるよ」
「えへへ」
つまるところ、一緒にいてもらうだけで、私は幸せで。
わがままなんて言う必要ないくらい、さやかちゃんのことが大好きなのだった。


おまけ

「それで、なんでわがまま?」
「う……。なんでもだよ」
「言わなきゃ分かんないよ? もう」
「ほむらとかと仲良くしてるのに、嫉妬とかしてないし」プイ
「へ?」
「だからわがまま叶えてやって、優位に立とうとか思ってないし」
「さやかちゃん……」
「なに?」
「なんか、子供っぽい」
「こ、子供ってなんだよ!」
「大丈夫だよ。私、さやかちゃんのこと大好きだから」
「あたしも大好きだけどさー……」
「拗ねないでよ」
「拗ねてない」

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最終更新:2011年08月15日 21:43
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