744 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 22:19:56.20 ID:iiuLeYyOO [1/4]
いいよと受け入れはしますが自分からは事を進められないのがさやかちゃんクオリティ…
それはさておき短いですがSS投下します!
まど界・付き合ってる設定です!
「まどかー、朝だよ起きなー」
チュンチュンと小鳥の囀ずりが聞こえて意識を少し浮上させてた私の事をさやかちゃんの声が優しく呼ぶ。
もちろん起きなきゃいけないのはわかってるんだけど、私はちょっとした事情からまだ寝てるふりをする事にした。
「こらこら、布団被らないの…って力強っ!?そんなに起きたくないか、このー!」
さやかちゃんが布団を引っ張ってるけど、布団はびくともしない。
当然だよね…だって布団には簡単に剥がれないように魔法かけてるもん。
「はぁ…はぁ……ちょっとー!いい加減に、起きなさいってばー!」
息を吐いているさやかちゃんは布団を剥がすのは諦めたみたい、今度はゆさゆさと私の身体を揺らしてくる。
だけど私は起きてあげない、だってさやかちゃん…【いつも朝してる事】をまだしてくれてないから。
「…朝ごはん冷めちゃうぞー」
さやかちゃんがポツリと漏らした一言に私の身体はピクリと反応しちゃう。
それはずるいよさやかちゃん…私がさやかちゃんの作るご飯大好きなの知ってるくせに…
だけどここまで来たら私もさやかちゃんが【あれ】をしてくれるまで起きる気はなかった。
745 名前:744続き[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 22:21:46.56 ID:iiuLeYyOO [2/4]
「…これでも起きないわけ?」
朝ごはんの誘惑も何とか退けた私に、さやかちゃんがソワソワしだしたのが目を瞑っててもわかる。
後少し…もうちょっとでさやかちゃんは【いつもの儀式】をしてくれるはずだ。
「ね、ねぇまどか…ほんとは起きてるんでしょ?」
もう無駄だってわかってるはずなのに往生際が悪いよさやかちゃん…
「うっ…うぅ…わかったよ…やればいいんでしょ…!」
さやかちゃん、やっと覚悟を決めてくれたみたい…うん、今日はいつもより早かったかな…
「すぅー…はぁー…よし」
深呼吸の後さやかちゃんの手が私のほっぺたに添えられる。
その手が少し震えてるのはいつもの事…やっぱり慣れないのかな…最近は毎日してるのに。
少し身体を震わせちゃってる私もさやかちゃんの事は言えないんだけどね…
「い、いくよ…」
声を震わせながらさやかちゃんの顔が近付いてくる気配がして…
私とさやかちゃんの唇がゆっくりと重なった。
「んっ…」
「ん、うっ…」
十秒くらいキスを続けて…さやかちゃんが離れた頃にようやく私は目を開ける。
「……おはよう、まどか」
日の光で少し眩んでた目が明かりに慣れてくると、目の前に真っ赤な顔を背けてるさやかちゃんがいて。
「おはよう、さやかちゃん!」
そんなさやかちゃんに笑顔で挨拶するのが最近の私の日課だった。
746 名前:745続き[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 22:23:06.89 ID:iiuLeYyOO [3/4]
††
「ねぇ…1つ、聞きたいんだけど」
「何かな、さやかちゃん」
「…なんでさ、いつも…えーっと…ああいう事しなきゃ起きないの?」
あの後、さやかちゃんお手製のお味噌汁を飲んでいた私に、しどろもどろになりながらさやかちゃんが訊ねてきた。
そっか、さやかちゃんは知らないんだっけ…
「…さやかちゃん、私の事どう思う?」
「はっ?どうって…まどかはまどかでしょ?あたしの親友で…その、可愛いお姫様」
「だから、だよ」
「えっ…ちょっと意味わかんないんだけど…」
戸惑うさやかちゃんを置き去りにして私は朝ごはんの続きを始める。
さやかちゃんはしばらく納得いかないって顔してたけど、私がもう話す気がないってわかったみたいで諦めたように朝ごはんを食べ始めた。
(さやかちゃんだけ、だからだよ…まどかとして私と接してくれるのは…)
私はこの世界では神様として生きている…だから救済してきた魔法少女達は当然私に対して一歩引いた距離で接してくる。
自分の選んだ道だし後悔はしてないけど、やっぱり寂しくて…辛くて。
だけど、さやかちゃんだけは…
747 名前:746続き[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 22:35:37.97 ID:iiuLeYyOO [4/4]
『神様かぁ…』
『うん…』
怖かった、さやかちゃんも私に対してよそよそしくなっちゃうのかなって考えたら泣きそうになった。
でもさやかちゃんはこう言ってくれたよね…
『ふーん…まっ、どうでもいいや』
『えっ…』
『だってさ、あたしからしたらあんたはやっぱりあたしの知る【鹿目まどか】だもん』
『あ…』
さやかちゃん知らないでしょ?私がこの言葉にどれだけ救われたか
さやかちゃんは、私を孤独から助けてくれた王子様…だから私はさやかちゃんを好きになったんだよ?
『いいよ、あたしはまどかの傍にずっといてあげる…これからは新しい関係だけど、よろしくね?』
そしてさやかちゃんが私の気持ちを受け止めてくれた時…私神様のくせにわがままになっちゃったんだ。
(私、さやかちゃんの前でだけはお姫様でいたい…)
私はもう救う立場だから…救われる立場になれるのはさやかちゃんの前だけだから…
「さやかちゃん……大好きだよ」
「ぶっ!?ちょっ、ちょっといきなり何よっ!?」
だから私はきっとこれからも朝にさやかちゃんのキスで起こしてもらうんだ…
「えへへ…言ってみたかったんだ、それだけだよ」
「っ…あ、あたしだって!……だ、大好きだよまどか」
「……あ、う…恥ずかしいよさやかちゃん…」
「あんたが言うかーーーっ!!」
だって…お姫様を起こせるのは王子様のキスだけだから…
以上です!
まどかが神様になろうといつも通り接してくれるだろうさやかの存在は、まさに救う側になったまどかへの救いになるんだと思います。
だってさやかはまどかの騎士兼王子様ですしね!
それでは失礼いたしました!
最終更新:2011年08月15日 21:43