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399 名前:そんな四人のバレンタイン1/4[sage] 投稿日:2012/02/15(水) 09:12:03.39 ID:aoSCil8h0 [2/7]
さ「……どうしよう。つい習慣で恭介の分も作っちゃった…」
「今年のあたしには本命が別にいるし、仁美に悪いから市販のですませようと思ったのに」
「……しょうがないか。せっかく作ったんだし、でっかく【義理】って書いて渡しますか」
「…で、まどかに渡すやつには…………ま、まあ【大好き】って書くくらいいいよね…うん」
「ラッピング…包装紙一種類しかないや。まぁ、間違えるなんてベタなことしないでしょ」
「よし、完成ー!まどか、喜んでくれるかな…」



さ「恭介」
恭「あっ、さやか」
さ「はい、これ」
恭「チョコ?…あぁ、今日はバレンタインだったっけ」
さ「こらこら、一応女の子にとって決戦の日なんだから、彼女持ちがその反応しちゃダメでしょ!」
恭「ははは、それもそうだね。ごめんごめん」
さ「まったくもう、仁美におんなじ反応返したら承知しないからね!」
恭「大丈夫だよ、こうやってさやかからもらったチョコがあるから」
さ「だったらいいけど…あ、じゃああたし他にも行くとこあるから!」
恭「うん、チョコありがとう」
さ「ホワイトデーは三倍返し期待してるからね!」
恭「はいはい」
さ「はいは一回!というかそんな投げやりに言うなっつーの!」
恭「あはは、わかったよ」
さ「えへへ、じゃあねー!」
恭「相変わらず元気だなさやかは…さて、じゃあ志筑さんが来る前にこのチョコは食べておこうかな」ガサガサ



「――――えっ?」


400 名前:そんな四人のバレンタイン2/4[sage] 投稿日:2012/02/15(水) 09:15:41.58 ID:aoSCil8h0 [3/7]


さ「まどかー!」
ま「さやかちゃん、待ってたよ!はい、チョコレート!」
さ「おぉ、なんて美味しそうなチョコレート…さすがあたしの嫁!」
ま「さやかちゃんまだ開けてもいないよ…」
さ「いやいや、間違いない!なんせこのチョコレートにはまどか印の愛情がたーっぷりつまってるからね!美味しくないわけがないって!」
ま「さ、さやかちゃん…大きな声でそんな事言われると恥ずかしいよぉ」
さ「本当なんだし別にいいじゃん!……さて、そういう事だからあたしからも…はい、まどか」
ま「ありがとう、さやかちゃん!えへへ、さやかちゃんからのチョコレート…ねぇねぇ、開けていい?」
さ「あっ、待って!ちょっと目の前で開けられるとあれだからさ…あたしがいなくなってから開けてくんないかな?」
ま「えー」
さ「えー、じゃないの!あぁ、なんかこのままここにいるとあんた開けちゃいそうだし、あたしちょっとトイレ行ってくる!」
ま「あっ、さやかちゃーん…行っちゃった」
「えへへ、さやかちゃんからのチョコ、今年はどんな感じかなー…」ガサガサ

「――――えっ」







恭「【まどか大好き】って…さやか間違えてるよ…しょうがないなぁ」

ま「【義理】…?えっ?さやかちゃん…?そんな…なんで…」

401 名前:そんな四人のバレンタイン3/4[sage] 投稿日:2012/02/15(水) 09:21:53.10 ID:aoSCil8h0 [4/7]


さ「まどかー」
ま「…………」
さ「あ、あのさ…もう開けちゃったよね…?」
ま「…………」
さ「えっと…いつもは言えてないけど、一応あれがあたしの本音と言いますか…正直な気持ちと言いますか」
ま「!!」
さ「は、恥ずかしいなぁ…だから、そのあたしはまどかの事」
ま「――――ない」
さ「えっ?」
ま「そんなセリフ…聞きたくないよっ!!」
さ「ま、まどか?」
ま「わたし、馬鹿みたいだよ…一人で浮かれて、頑張ってチョコ作って…」
さ「な、なに言って…」
ま「さやかちゃんの馬鹿っ!!大っ嫌いっ!!」
さ「!!」
ま「うぇぇ…うああああああんっ!!」ダッ…
さ「まど、か…えっ?なんで?わけわかんない……あ…これ…あたしのチョコ…ああっ!」



ま「さやかちゃんの馬鹿!馬鹿!馬鹿…!」
恭「あっ、鹿目さん!ちょうどよかった!」
ま「上条君…なにか用?」
恭「実はさ、さやかが鹿目さんに渡すチョコと僕に渡す義理チョコを間違えたみたいなんだ」
ま「えっ…?」
恭「まぁ、見てもらえればわかると思うんだけど、僕のチョコにこんな事書いてあるわけないし」
ま「あっ…」
恭「まったく、さやかもおっちょこちょいだよね。本命と義理を間違えるなんて…って鹿目さんっ!?」

ま「さやかちゃん…さやかちゃん、さやかちゃんさやかちゃんさやかちゃんっ!」




さ「……あーあ、あたし馬鹿だなあ。まさか恭介とまどかに渡すチョコ間違えるなんて…」モグモグ
「あはは……砂糖と塩も間違えちゃったのかな…このチョコレート、しょっぱいや…」
「どうして、こんな事になっちゃったのかな…あたし、まどかに喜んでほしかっただけなのに…」
「ううっ…まどか、まどかぁ…」

ま「さやかちゃん!!」
さ「あ…」
ま「上条君から全部聞いたよ…わ、わたし、あの…ご、ごめんなさい!!わたしさやかちゃんにあんな、酷い事…」
さ「まどかぁ!!」
ま「きゃあっ!」
さ「あたし、あたしこそごめんっ…ごめんねっ…」ギュウウウ…
ま「ううん、悪いのはわたしだもん…だから、だから謝らないでよさやかちゃんっ…」
さ「違うよ、あたしが馬鹿な間違いしたからっ…ひっくっ…」
ま「さやかちゃんっ…さやかちゃあん…!」
さ「まどかぁ…!」


402 名前:そんな四人のバレンタイン4/4[sage] 投稿日:2012/02/15(水) 09:24:25.46 ID:aoSCil8h0 [5/7]


恭「…………」
仁「そのチョコ、お届けにならないんですか?」
恭「志筑さん…いや、さすがに今は邪魔しない方がいいかなって」
仁「それもそうですね…」
恭「――――よかったよ」
仁「はい?」
恭「なんだかんだ言ってさやかは幼なじみだからさ、ちょっと心配だったんだ。女の子同士の、まぁ、そういう事で傷ついちゃわないかなって」
仁「……」
恭「でも、うん。鹿目さんなら大丈夫そうだ…きっと幸せになってくれる、志筑さんもそう思うだろう?」
仁「うふふ…」
恭「?」
仁「愚問ですわ。むしろあのお二人が幸せにならない道理がどこにあると仰いますの?」
恭「なるほど…確かに愚問だったね。僕もまだまだだなぁ」
仁「まったくですわ……ところで上条君」
恭「なんだい?」
仁「私からもあなたにお渡ししたいものがあるのですが…」
恭「…………うん、喜んで受け取らせてもらうよ」



ま「さやかちゃん、あーん」
さ「あの、まどか…やっぱりこれはちょっと…」
ま「ダメだよー。だってわたし結局さやかちゃんのチョコもらってないもん!」
さ「いや、だからそれは恭介から返してもらえば…」
ま「だって上条君、今頃仁美ちゃんと一緒にいると思うよ?邪魔したら悪いんじゃないかな?」
さ「うぐっ…そりゃそうだけど…やっぱりそれは…」
ま「もう、しょうがないなぁ…はむっ」
さ「わかってくれたなら…ってあんたチョコくわえて何してんの?」
ま「んー!」
さ「ちょっ、まさか、まどか待っ…わあああっ!?」

チュッ!

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最終更新:2012年02月28日 01:05
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