230 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/25(土) 21:40:28.71 ID:/lDmyuTa0 [3/4]
>>213
>>214
椅子に座っているあたしのところに、まどかがやってきた。
「ん? どしたの?」と聞いてもニコニコ笑っているだけで何も言わない。なんだろ、と思っていると、まどかが軽く頭を傾け、
あたしの方に近づけてきた。
考えるよりも先に、あたしの手がまどかの頭を優しく撫でる。その条件反射的な動作に我ながらあきれつつも、嫌な気持ちはしない。
あたしのなでなでに、まどかの顔がさらに綻ぶ。その笑みを見ていると、もっとまどかを喜ばせたい、もっとまどかを笑顔に
してあげたいと思ってしまう。
まどかが、あたしの膝の上に視線を落とした。あたしはすぐに「ああ、膝に乗せてほしいんだな」と気づき、膝をぽんぽんと叩いた。
それを見たまどかが、背中を向けてあたしの膝にお尻を乗せてくる。柔らかなにおい、くすぐったい感触、心地よい重み。
それらを満喫しているとき、「ああ、あたしまどかに飼いならされてるなあ」とつくづく思う。もちろん、悪い気なんてしないけどね。
背中からまどかのお腹に手を回し、まどかをしっかり抱きしめていると、まどかがもぞもぞと動いて顔を後ろに向け、あたしの
目を見た。同時に、体もひねって右手をあたしの左肩にかけてくる。お、これはお姫様抱っこのおねだりだ。
今日は随分積極的だなと思いながら、あたしは膝の上でまどかの体を横に回転させ、まどかの両膝の後ろに左手を添えた。
右手はまどかの背中に当て、まどかがあたしの首に手を回すのを待つ。まどかの両腕があたしの首にかかったのを確認して、
あたしはまどかを持ち上げた。
上半身の力だけで持ち上げているのに、まどかの体は羽根のように軽く感じられた。お姫様だっこに限らず、まどかに関わること
なら普段の三倍増し位のパワーが出るあたしだけど、こういうところも飼いならされてる所以かな。それにしても、まどかは軽い。
もしかして、まどかは体重を軽くする魔法でも使っているんじゃないだろうか。そうだとしら、それあたしにも教えてほしいぞ。
いままでよりぐっと近づいたまどかの顔を覗き込むと、まどかは赤くなりながら上目づかいであたしの目を見上げてきた。
あ、これやばい。思わずくらっとくる。
あたしは、まどかの唇に自分の唇を重ねた。まどかの唇に一瞬触れるだけのキス。まどかは一瞬はっと驚いた表情をしたが、
すぐに今までよりずっと顔を赤くし、両手を頬に当てながら幸せそうに微笑んだ。
その笑顔に、あたしの顔も幸せに綻ぶ。可愛い。まどかは可愛い。「あー、もう食べちゃいたい」と思っていると、まどかが
手を伸ばしてあたしの服の裾を引っ張った。これは、"あれ"のサインだ。
普段は、赤い顔を伏せながらあたしの服の裾を後ろからつまんでくる。だから今回もそうしたんだろうけど、お姫様抱っこ
されてる状態で間で無理して手を伸ばさなくたって、直接言えばいいのに。でも、恥ずかしがりやさんのまどかに、それはむりか。
あたしはまどかをゆっくり机の上に横たえ、まどかの胸のふくらみとスカートの中に手を伸ばした。途端にまどかが体をびくりと
震わせ、あたしの手をおさえて抵抗した。「ま、待って、さやかちゃ、んんっ……」と抗議するまどかの口をキスでふさぐ。
全く、自分から誘っておいていやいやするなんて、まどかはなんて素直じゃない子なんだろう。こんな悪い子にはお仕置き
しないとねぇへっへっへ。
231 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/25(土) 21:40:58.78 ID:/lDmyuTa0 [4/4]
そう思いながらまどかの制服を脱がしにかかったあたしの腕を、誰かの腕が掴んだ。
「やめなさい、さやか。いくらなんでも目に余るわ。なんてことをしようとしてるの」
腕の主は、ほむらだった。あたしはお楽しみを邪魔された怒りで、思わず声を荒げて言った。
「なによ、ほむら。いいところなんだから邪魔しないで……ってあれ? なんでほむらがいるの?」
「なんでもなにも、ここ、学校なんですが……」
別の声がした方向に向くと、仁美が困惑の表情を浮かべながら自分の席に座っていた。遠巻きながら好奇のまなざしであたし
たちを見つめているクラスメイトの顔も見える。よくよく思い出してみると、あたしは放課後の教室でほむらたちとおしゃべり
していたような気がする。そこにまどかがやってきて……。あれっ、もしかして、あたしはとんでもないことをしていたのでは
ないだろうか。
「えっでも、誘ってきたのはまどかで、いつも服の裾掴んでねだってくるから……」
恥の上塗りをしていることにも気づかず、混乱した頭で必死に弁解ともつかない言葉をまくし立てるあたしを遮るように、
まどかが言った。
「違うの、わたし、さやかちゃんの制服の裾に糸くずがついてたから、それを取ろうと思って……」
あたしは次の日、学校を休んだ。
最終更新:2012年03月12日 00:42