22-918

918 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/03/05(月) 17:40:53.83 ID:hUAG+IRb0 [2/4]
>>914 とりあえず書いてみた

[さやかちゃんのバイト]

高校2~3年生のお話です。
放課後いつもであれば遊びに行く所だが、最近のさやかは外す事が多くなっていた。
「さやかちゃん、最近帰り忙しそうだね?」
「うん。まぁ…バイト入れてるからね。全然遊べなくてごめんね」
「さやかさん、働き過ぎは身体に毒ですわよ」
「大丈夫だよ。無茶はしないつもりだからさ」
「貴女に補習を回避させる私達の身にもなって欲しいわ」
「うっ…スミマセン」
最後のほむらの一言は全く持って反論出来なかったらしい。

………………………♭♭♭………………………

「さやかちゃん、明日土日だけど4人で遊べる?」
 仁美ちゃんもおっけーらしいよ。」
「…ごめんっ!」
だが生憎さやかは両手を合わせて謝って返した。
「むー…さやかちゃん最近つれないよねー…」
「さやか。貴女が何を求めているのかは理解らないけど、まどかの気持ちも考えてあげて」
「うん…そだね…。今月終わったらまた遊べると思うから。だから…!」
「ホントのホントにだよ?」
「約束するよ。だからもうちょっとだけ待って欲しい。」
金曜の放課後も、そう言ってさやかは一人先に抜けてしまった。
ふと何かを思い出したらしい仁美が、心当たりありますと言いたげに呟く。
「…そういえばそろそろ上条さんのお誕生日ですわね。」
「―――!! そっか…さやかちゃん…上条君に何かプレゼントするつもりなんだ…。」
「………。」
表情が一気に暗くなるまどか。それを見てほむらは少し険しい表情になる。
「まどか。貴女は黙っていていいの?」
「へ!? う、うん…さやかちゃん、頑張ってるんだなって。親友だし応援しなきゃね!」
その姿は何処不自然に切っている様に見えた。

………………………♭♭♭………………………

「さやかちゃん、頑張ってね。」
「へ!? あ、う、うん…(もしかしてバレた…!?)」
廊下でさやかが一人になった所で腕がぐいっと引っ張られる。
「わわっ!? びっくりした、ほむらか…」
「さやか…。誰よりも近くで貴女を見てくれている人に気付いてあげる気は無いかしら…?」
何とかしてまどかの気持ちを届かせてあげたい。そう考えてのほむらの行動だった。
「えっ? うーん…あたしはそのつもりなんだけどなー…♪」
「………そう…。」
だがさやかの視線は限りなく一途だった。
そんな彼女をこれ以上邪魔する事は出来ない…ほむらはそう痛感したのだ。

………………………♭♭♭………………………

919 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/03/05(月) 17:41:28.44 ID:hUAG+IRb0 [3/4]
結局事態は何一つ進展しないまま月末を迎えてしまった。
ほむらは放課後、公園の木陰でべそをかいているまどかを見つけ思わず駆け寄っていた。
「………まどか…。」
「…っ!! え…えへへ…。ぐすっ…」
「…馬鹿。全然誤魔化せてないわよ…。」
「やっぱり…おかしいよね…。どうして心の中で…素直に応援してあげられないのかな…」
「まどかの気持ちは間違っていないわ。ただ、運命がすれ違ってしまった…それだけよ…」
「えぐっ…ほむらちゃん…」
それ以上慰めの言葉は何も言えなかった。
自分ではさやかの代わりにはなれない事も理解りきっていたから。

「―――まどかっ!!」

その時、当のさやかが息を切らして走って現れたのだ。
「さやかちゃん!?」
「はぁ…はぁ…やっと見つけたよ。何で今日に限っていないのさー。てか、何で泣いてんの…!?」
「な、何でもないよー…てぃひひひ…」
親友を前にすればまどかはこんな状態でも必死に笑おうとしてみせる。
平然と現れたさやかに、ほむらは文句の一つでも言ってやりたかった。
だが鞄から何かを取り出すさやかを見て留まる。
「まどか…これ、バイト代貯めて買ったんだ! あ、あああたしと…その…」
「ええっー!? こ…これって…」
まどかは"バイト代で購入した物"を手渡されて目を丸くしていた。
何せ今まで上条恭介の為にバイトしていたと思い込んでいたのに突然の出来事である。
両手で差し出された高そうな箱を開けてみると、中にはピンクの宝石が輝く指輪があった。
「―――ふぇぇぇぇっ!!!!???///」
「け…けけけ…結婚して…ください…っ!!///」
二ヶ月近くのバイトを経て、さやかが用意したのはプロポーズの言葉と婚約指輪だったのだ。

………………………♭♭♭………………………

「つまり、あんたらはあたしが恭介の誕生日プレゼントでも買う為にバイトしていた、と?」
「…凄まじく取り越し苦労だったわ…。」
「ごめんね…変な事考えたりして…。」
「いやまぁ、黙ってたあたしも悪いんだし…でもやっぱ先に理由話すのはどうかなって思ってさ…」
「全く…ずっと心を痛めていたまどかの気持ちにも…ってまどか…?」
「え?指輪ぴったりだよー♪」
既に指輪はまどかの左薬指で輝いていた。
さっきまでとは打って変わって、ほむらも呆れる程の満面の笑顔である。
「サイズは前にオモチャの指輪で遊んだ時にだいたい知ってたからね。それでその…返事は…?」
「あ、ああああのっ…えっと…///」
「くすっ…。この様子を見ると今更聞くまでもないんじゃないかしら?」
「「!!」」
悪戯っぽく笑うほむらを前に二人は何も言えなかった。

………………………♭♭♭………………………

「まどかさん、その指輪はどうされましたの!?見た所本物の宝石の様ですが…?」
「えへへ…さやかちゃんからプロポーズされちゃった…///」
「―――!!!! キ、キマシタワ~!!」
歓喜の余り仁美はくるくると変な回転をしながら通学路を外れてゆく。
周囲に同じ高校の生徒が多数居るにも関わらず。
「ちょっ!仁美!?何処行くのー!?」
「仁美!は、恥ずかしいからやめなさい!お願い止まってー!」
暴走した仁美を必死に止めようとするさやかとほむら。
そんな三人には目もくれず、まどかは唯々愛する人からの証を抱き締めて微笑むのだった。

[さやかちゃんのバイト]
おしまい。結婚式には繋げられなくてゴメン

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最終更新:2012年03月12日 01:26
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