101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/03/08(木) 03:59:21.59 ID:lW8JoIM60
静かな廃教会に佇む少女が二人。
神はおろか一般人すらも訪れる事の無いこの地で二人は愛を誓い合う。
お互いの親族からは誰一人として認めて貰えず、それでも二人は愛する者同士が居ればそれで良いと覚悟を決めたのだ。
誰にも認められず、参列者も無く、祝福する神も無いたった二人だけの結婚式である。
青い髪の少女は桃色の髪の少女の頭にヴェールを被せた。
普段はリボンで結ばれている桃色の髪は清廉な白いレースに包まれている。
まどかが手編みで作り上げたヴェールと二人分のウェディングドレス。
本物には程遠い簡素な造りではあるが、愛情は誰よりも込めたつもりだ。
「綺麗だよ、まどか。」「えへへ…さやかちゃんこそ。」
二人の掌にはそれぞれ水色とピンクの宝石があしらわれた指輪があった。
高校在学中、必死にアルバイトをして手に入れた大切な物だ。
「それじゃ、指輪の交換だね。」
お互いに左手を差し出し、相手の薬指に自分の色の指輪を填める。
まどかの指には水色の、さやかの指には桃色の指輪が輝く。
それぞれの色を交換したのは永遠の誓いの証。
そして二人は静かに唇を重ねた。
………♭♭♭………
「ねぇまどか。後悔してない?」「ん? どうして?」
「あたし達二人だけで…こうなっちゃった事…。」
「ちょっと残念だけど、後悔は全然してないよ。だってさやかちゃんがいれば、わたしはそれだけで幸せだもん。」
「嬉しい事言ってくれるね!この嫁は~!」
一対の指輪と手作りのドレス。あとはお互いが居ればそれだけで十分だった。
「まどか…愛してる…。」
「えへへ…わたしはもっとさやかちゃんを愛してるよ。」
『………ったく。何が後悔してないだ。一日教会を貸してくれなんて言うから何事かと思ったよ。』
さ「杏子!?」ま「杏子ちゃん…!?」
杏「水臭ぇじゃねぇかお前ら。仲間が居んだから祝福くらいさせろよ。」
マ「うふふ、せめてケーキやお食事くらいはあってもいいんじゃないかしら?」
さ「マミさん!?」
杏子に続いて片手に大きなケーキを抱えたマミが現れた。
ほ「周りに理解者が居ないなんて勝手に思い込まないで。世話の焼けるバカップルなんだから。」
ま「ほむらちゃん…!」
ほむらは盾からゴソゴソと大きなテーブルに弁当箱、ティーポットとカップを次々と取り出す。
仁「まどかさん、さやかさん。おめでとうございます。」
恭「まさかさやかに先を越されるとは思わなかったけどね。鹿目さん、さやかをよろしくね。」
ま「仁美ちゃんに上条君まで…!?」さ「こ、これは一体どーいう事なのよー!?」
杏「頭の固い大人が文句言うんなら、アタシら仲間が手を貸してやるまでだろ?本物みたいに豪勢にとは行かないけどさ、アタシらなりに祝福してやっからよ。」
まどかとさやかが驚いていると、何故か何処ぞからピアノの音が聞こえた。
ほ「ピアノはこの辺りで問題無いわね。仁美、気圧で調律狂ってたりしない?」
仁「はい、全然大丈夫ですわ。」
恭「それにしても暁美さんのその四次元何とかって便利だね。」
ほ「残念だけどドラ○モンみたいに万能ではないわよ?」
ほむらは盾から最後に何とグランドピアノを取り出していた。
その横ではヴァイオリンを持った恭介。一般人の二人も何故か魔法云々にすっかり馴染んでいるらしい。
さ「ねぇほむら…何故に仁美にピアノを…?」
ほ「何か音があった方が雰囲気出るでしょ?本当はオルガンが良かったんだけどここ電源死んでるし…今日はこれで我慢して貰えないかしら。上条君もヴァイオリンで手伝ってくれるそうよ。」
二人だけでひっそりと行う予定だった結婚式はいつの間にやら仲間内で計画が進行していたらしい。
杏「今日はアタシが親父の真似事で神父(?)だからな。おら、お前ら最初からやり直しだやり直し!」
マ「はい鹿目さん、ブーケ持って。誓いの言葉から始めるわよ~!」
さ「ちょっ…!それって…みんなの前でキスしろって事!?」
杏「当たり前だろ」ニヤニヤ
ま「ふぇぇぇぇ~!?///」
どうか末永くお幸せに。
おしまい。…ゴメン。途中から雰囲気ぶち壊してしまったw
最終更新:2012年03月16日 08:11