887 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 00:45:36.75 ID:dQbPQg/70 [1/3]
小学生の頃にな
さやかちゃんがまどっちのおうちに遊びに行くんだ
たっくんも交えて遊び尽くして、たっくんと一緒にまどっちも疲れてねちゃってな
んで、さやかちゃんがタオルケットをかけてあげるの
そのあと知久さんと休日で家にいた詢子さんがさやかちゃんを食卓に手招いてね
カルピスジュースを出してあげるの
それで夫妻はお引っ越し前のまどっちのこととか、引っ越してきた直後のまどっちのこととかのお話をしてね
さやかちゃんと友達になってすごく明るくなったとか、毎日が楽しそうだとか、
そういう感謝と喜びのことばをさやかちゃんにたくさんたくさん伝えてね
さやかちゃんはテレテレしながらあたしはなんにもしてないです、
まどかと友達になれたおかげであたしのほうが毎日楽しくて、お礼が言いたいくらいです
って感じでね
そう言ってくれたことが夫妻は嬉しくて、またそこに「ありがとう」と言葉を重ねてね
そんで言うの。まどかのことよろしくって
そしてさやかちゃんは言うの。任せてください!って。まどかはあたしが守ります!って
時は流れてまど界
自分のことに関してはこれでいいよととは言ったけど、あとから家族がまどっちのことを忘れてしまってると知って
なんてことを……!って、全然これでよくないじゃないかまどっちを怒っちゃったさやかちゃんは、
それ以来なんとなくまどっちと顔を合せづらくなって、卑弥呼様んちに転がり込むの
ひとりぼっちになってしまったまどかの想いを否定したくない
ないけど今顔を見たら、やっぱり否定してしまうかも知れない
また怒ってしまうかも知れない。憎んで、ひっぱたいて、むちゃくちゃに泣いてしまうかも知れない
って卑弥呼様に相談するの
そしたら卑弥呼様はこう言った
怒ればいいって。ひとつの家族から娘の記憶を奪ったその娘の不孝を否定すればいいって
ひっぱたけばいいって。憎んで、ひっぱたいて、むちゃくちゃに泣けばいいって
それはあなたにしかできないことだからって
さやかちゃんはその言葉を聞いて、心を決めて、まどっちに会いに行くの
まどっちのおうちでまどっちはソファでお昼寝中でね
今日はちょっと冷え込んでるのに薄着で、だからさやかちゃんはまどっちにタオルケットをかけてあげる
そしてさやかちゃんはホンの軽い力でデコピンして、バカ、ってまなじりに涙をためながら言って
でもまどかを守るって約束したから、自分はそれを覚えてるから、これからもずっと守るって言って
デコピンのせいで結局目がまどっちは、さやかちゃんの言葉はほとんど聞いてないけど
何を言われたのかは何となくわかっちゃって、それでまどっちも泣いちゃったけど、かなしみはあんまりなくて、
もうそういう感情がそもそもちょっと鈍くなってて、でもうれしいのともちょっと違う涙だったので、まどっちはどうしようもなくなって、
起きたまどっちの両手を握りしめたて泣くさやかちゃんが、その手をほどくまでずっと
若干混乱しながら、まどっちははらはらと涙をこぼしては、枕代わりのクッションを濡らしてた
そういうまど界の夕暮れ
最終更新:2012年04月02日 07:55