ジャミル

『ジャミル・ビン・マアマル・アル・ウズリ』

アラビアの詩人。
①ジャミールが悲恋の恋を歌った詩をシャルルカンがアブリーザ姫に歌っている。
②『ウズラー族の恋人たち』の語り手。
出典表記:ジャミール、Jamìl b. ‘Abd Al-läh b. Ma‘mar al-‘Uddhrì.
     ジャミル・ビンマアマル・アル・ウズリ
名前由来:「美しい」という意。
【出典】
『千夜一夜物語』
 >>・バートン版『シャルカーンとハルドゥーブ王の娘アブリーザ姫との話(第48夜 - 第51夜)』
『アラビアンナイトストーリー』
 >>『146 ウズラー族の恋人たち(第688夜 - 第691夜)』

■『ウズラー族の恋人たち』
ジャミルには思い焦がれている人がいて、その女性に逢うために旅をしていた。
その旅の途中に従弟に出会った。聞いてみると従弟にも思いつめている恋人がいるが、その恋人の父は従弟の結婚の申し込みをはねのけ、恋人を他の男に嫁がせてしまったという。それ以来二人は不倫の仲で密会しているという。
ジャミルは二人に、駆け落ちするようにけしかけ、恋人も今夜、恋人が来たら-と計画を立てた。
しかし、恋人はその夜、テントに来る途中、ライオンに食い殺されてしまった。
従弟はライオンに立ち向かい恋人の敵を討つが、自分も恋人の後を追って死んでしまう。
ジャミルは従弟と、ライオンが食い残したその恋人の骨と布を一緒に葬った。
ジャミル、従弟、恋人がみなアラブ人のうずらー族であったので、この物語は『ウズラー族の恋人たち』と呼ばれる。
(参照:『アラビアンナイトストーリー』他)


『アラビアン・ナイト3』前嶋信次/訳〈東洋文庫85〉 平凡社〈平凡社東洋文庫>
『アラビアンナイトストーリー』實吉 達郎/著  新紀元社
最終更新:2013年02月18日 18:28