バベルの塔

古代ローマの闘技場コロッセウムをモチーフにされたピーテル・ブリューゲル(父)によるバベルの塔

『バベルの塔』

(バベルのとう、ヘブライ語:מגדל בבל‎、英語:Tower of Babel)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。
神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キのジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱している。

■『バベルの塔』概要(創世記11章1-9節)
ノアの大洪水の後、東方から移動してきた人々は、シンアルの平野に住み着いた。彼らは、
『石の代わりにレンガを、漆喰の代わりにアスファルトを使って、天まで届く巨大な塔を建てる、人々が各地に散らされないことを免れるために』
とし、塔の完成を夢見た。しかし、完成に近づいた時、神は天から降りてきて、
『一つの民で、皆一つの言語を有しているからこのようなことをし始めたのだ。これでは彼らが何を企てたとしても防ぐことができない。 私たちは直ちに言語を通じないようにしなければならない』
そうして神は人々の言語を違わせ、人々を散り散りに全地に散らせ、塔を建てることを阻止した。
故にこの都市の名は、バベル (混沌)と呼ばれるようになる。

11:1 全地は一の言語一の音のみなりき
11:2 茲に人衆東に移りてシナルの地に平野を得て其處に居住り
11:3 彼等互に言けるは去來甎石を作り之を善く爇んと遂に石の代に甎石を獲灰沙の代に石漆を獲たり
11:4 又曰けるは去來邑と塔とを建て其塔の頂を天にいたらしめん斯して我等名を揚て全地の表面に散ることを免れんと
11:5 ヱホバ降臨りて彼人衆の建る邑と塔とを觀たまへり
11:6 ヱホバ言たまひけるは視よ民は一にして皆一の言語を用ふ今旣に此を爲し始めたり然ば凡て其爲んと圖維る事は禁止め得られざるべし
11:7 去來我等降り彼處にて彼等の言語を淆し互に言語を通ずることを得ざらしめんと
11:8 ヱホバ遂に彼等を彼處より全地の表面に散したまひければ彼等邑を建ることを罷たり
11:9 是故に其名はバベル(淆亂)と呼ばる是はヱホバ彼處に全地の言語を淆したまひしに由てなり彼處よりヱホバ彼等を全地の表に散したまへり

【バベルとバビロンとジオグラッド】
この寓話は、古代メソポタミア文明の中心地、ユーフラテス河畔に建設されたバビロンの町を指していると言われている。
実際の巨大な塔「ジグラッド」の建設はシュメールの王によって着手され、セム族の侵入によってしばしば中断された。
新バビロニアのネブカドネザル二世の時に完成したことが碑文に記録されている。
それは七層から成る高さ百メートルほどの巨大な塔で、最上階には月の女神イナンナを祀る神殿が設けられていた。
イスラエっる人から見るとそれは異教の神の聖所であり、人間の傲慢の象徴であるゆえに弾劾されるものであった。
なお、ジオグラッドは、メソポタミア一体に、30基以上発掘されている。

最終更新:2013年11月28日 00:09
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