【名前】アトラ・ノーティ
【性別】♀
【年齢】15歳
【容姿】
艶やかな長髪に、氷のように澄んだ青い瞳の少女。
体格は小柄な部類で、同年代の同性と比較しても少なくない年齢差があるのではないかと思わせるほど。
しかしその体格とは対象的に非常に落ち着いた、或いは達観したような雰囲気をどこか感じさせる。
常に厚手のコートで身を包み、マフラーで口元までを隠す。
夏場であろうともその服装は変わらず、それでいて汗一つ流さない。
また右腕を喪っており、魔術によって氷の義手を精製し、手袋を着用することで誤魔化している。
それ以外にも素肌には至る箇所に凍傷、及び現在進行形で凍りついている箇所が存在するが、何も服の下に隠されている。
【性格】
感情表現に乏しいものの、感情そのものは非常に豊か。
表情を一切変えずに喜怒哀楽をコロコロ変える為、彼女の機嫌を測るには顔を見るよりも行動そのものを見た方が早い。
享楽的、刹那的な在り方を好み、興味を抱いたことに関しては後先考えずに首を突っ込んでいく。
【得意魔術】
《氷結魔法》
後述する呪詛の影響によって魔術素養が大きく歪められた結果、彼女は氷の魔術に関しては人として最高位の適性を有する。
触れた対象の凍結、氷の精製及び形状操作、果ては局所的な寒冷化現象の発生まで。
氷の属性に限った話であれば、魔術出力は学生の範疇から大きく逸脱しているものの、その力は飽くまで呪詛によって齎された副産物でしかない。
その力を躊躇いなく全力で行使するこということは、呪いの進行を加速度的に早める自殺行為と同義である。
故に彼女は己が魔法にリミッターを設け、普段はその出力をあくまで学生相応の域にまで留めている。
《凍結の呪詛》
ある龍から齎された非常に強力な呪い。肉体が少しずつ凍りつき、そして少しずつ砕けていくという悪辣な呪詛。
この呪いよって彼女は常に身を裂くような寒さと苦痛、そして恐怖を背負わされることになった。
また呪詛によって魔術の素養さえも氷の魔術に傾いたものへと変質し、ただ肉体を凍らせるだけに留まらない影響を彼女に及ぼしている。
唯一の利点があるとすれば、この呪詛が彼女の中で余りに強力な支配力を発揮している為に、他の呪術の影響が生じたとしてもその効果が即座に塗り潰されてしまうことだろうか。
呪詛を以って、呪詛を制する。最も彼女自身にとっては、凍結の呪詛そのものがなによりも不必要な呪いなのだが。
【簡単なプロフィール】
北方の山岳地域に存在した小さな寒村、それが彼女の生まれ育った故郷だった。
暮らしは決して裕福ではなかったが、家族と村民に囲また慎ましくも充実した時間は、彼女にとって幸福な記憶と呼べるものだった。
一年前、突如として襲来した龍によって故郷の村は滅ぼされた。
村は住民と共に氷河に呑み込まれ、唯一生き残った彼女もまた、龍の戯れによって呪詛をその身に刻み込まれた。
それは命を蝕む呪い。凍てつく冷気によって肉体が少しずつ凍りつき、やがては魂さえもが砕け散る凍結の呪詛。
既に彼女の右腕は砕け散り、今も尚凍結の侵食は続いている。凍てつく恐怖と苦痛に耐えながら、それでも彼女は前を向いて生きていこうとしていた。
それこそが今は亡き最愛の人々に対して自分ができる、唯一の恩返しだと信じて。
残された時間が後悔のないものだったと言い張れるよう、そんな願いを抱いて彼女はこの学び舎の扉を叩いた。
彼女の身に刻まれた呪詛について、最高位の魔龍が齎した呪術である為に解呪の方法は現時点では存在しない。
仮に一時的に解き放ったとしても、術者である龍がこの世界に存在し続ける限り、すぐに呪詛は再構築されてしまうことだろう。
このようにどうしようもないものだからこそ、彼女はこの呪いについて、事情を知る一部の人間を除いて誰にも明かしていない。
欲しいものは同情でも憐憫でもない。今この瞬間を気兼ねなく楽しむことができる友人なのだから。
最終更新:2018年03月28日 21:48