Chapter.6-「Moonlace Power」

永きに渡るテストとの激戦も幕を閉じ、打ち上げも兼ねてかりなんとかのアパートゥメントに部長タミフル、そしてWAZATENの3人が集結した。
この日もハイランダーをするという旨は事前に伝えてあり、アパートに着くなり部長とタミフルの両者はすぐにマジックをする態勢に移った。

リベンジの幕開けである、筈だったが…

1st Game
タミフルがまさかのクァドラプルマリガン。
土地も伸びず、新しく入れたカードを1枚も披露することなく敗北。
0-1。

2nd Game
今度は部長が沼単に。
反面タミフルは《石灰の池》からの6ターン目《怒りの天使アクローマ》とガン回りし、勝利。
1-1

3rd Game
トリプルマリガンから色の出る土地を2枚以上引けずあっさりタミフルの負け。
1-2。


「《月の色》6枚の力は制御しきれないんだな」

等といった敗因が囁かれる中、タミフルは奥の手である黒赤のデッキに手を伸ばし、再戦を持ちかけた。
部長はこれを快く承諾し、更に

「勝ったらこれ飲もう」

と某清涼飲料水を脇に置いて決闘を開始した。
しかし、この選択が後に命取りとなる。

1st Game
タミフルの除去が火を噴き、1ターンとして場に残っていられない部長の軍勢。
その間にも着々とタミフルは場を整え、いつしかお互いのライフは10を切っていた。
タミフルの場には《心鞭スリヴァー》と《粘液絡みの鼠》が出ており、こつこつとクロックを刻んでいた。

と、ここで満を持して部長が召喚したのは、《夢魔》(6/6)。
飛行も持っており、タミフルの敗北は時間の問題かと思われたが――


「いけ!!鼠とスリヴァー!!」
「同じあやまちを……。まだわからんようだな!!こっちには《夢魔》が…」
「《炎の印章》!《ショック》!」
「夢魔!?」
「弱いクリーチャーも、呪文とうまく組み合わせれば、強大な敵に打ち勝つ!!そうだろ?部長!」
「おまえ!まだそんな手札があったのか!?」

部長は切り札の夢魔を失い、タミフルもかなりのアドバンテージを失うこととなった。
戦況は振り出しに戻った。
その後も、お互いにクリーチャー召喚→除去を繰り返していたが、タミフルのスリヴァーはしぶとく生き残り部長のライフを削り続けていた。

…と、ここでタミフルが変異クリーチャーを召喚した。
2/2バニラとはいえ膠着状態では重要なクロック元であり、これを除去できないことは即ち部長の敗北を意味する。

しかし、部長には秘策があった。
《魂の打ち込み》――対象に4点を与えつつ自分は4点回復するという、強力な呪文を手札に抱えていたのだ。

「(さて、どうするかな……。
やつの場には裏側のクリーチャーが出ている。変異とスリヴァーの攻撃で、おれのLPは「1」!!致命的だ!!
本来ならインスタントタイミングで撃ち……、不意を付くところ。
だが、おれは……、あえて、ソーサリータイミングで撃つ!!
俺は変異クリーチャーが何か知らない。だがおれはやつのデッキを知っている!!
やつはデッキに入れているはずだ、《ギャサンの略奪者》の他にも《研磨車》や《憤怒の天使アクローマ》、《魂の収集家》を!!
だとしたらあれがギャバンである確率は……、(たぶん)1/4!!さあどうする!!タミフル)」

部長は、打ち込みをソーサリータイミングで撃つことにした。今ならタミフルのマナは2しか起きていないためけんまぐるまやアクローマは表にできない。また仮にギャサンだったとしても、4点のゲインは十分な時間稼ぎになる。
しかし、タミフルはその遥か斜め上をいっていた。

「《魂の打ち込み》!対象変異クリーチャー!!」
「変異!!」

ギャバンか――観客も含め誰もがそう思った。しかし回復しようとライフカウンターにやった部長の手が止まった。

「《生けるものの洞窟》!!!対象不適正で打ち消しだ!!!」

そう、タミフルが伏せていたカードはけんまぐるまでもアクローマでもなく、ましてやギャバンでもなかった。
部長の放った起死回生の槍は虚しく空を切り、場には土地とスリヴァーのみが残った。

次のターンでタミフルは変異クリーチャーを追加。
部長の苦し紛れの《ラースのわな師》を《暗黒破》*2で撃ち落とし、このゲームはタミフルの勝利となった。
1-0

2nd Game
試合が長引き、いつしかトップデック対決に。互いのライフも一桁であった。
部長の引きはぬるく、タミフルのそれは神掛かっていた。そうとしか言い様が無かった。
ともかく、鬼引きを連発したタミフルは《ウーコーの手下悪鬼》を引き、フルパンプで部長を打ち砕いたのであった。
2-0。

あっさり勝利してしまったタミフル。
ビ●ゴボ●ゴを飲めない部長。
仕方ないのでさっきの白青のデッキでもう一度やってみることに。

1st Game
タミフルがガン回り。
4ターン目《不可解なるイスペリア》から《怒りの天使アクローマ》をサーチ、除去は《塵の精霊》で躱すという徹底したトップデックであった。
1-0。

2nd Game
部長が沼単に。
タミフルも決して回っているとは言い難い引きだが、《雲の群れ》予見で着々と場を整えていった。
減っていく部長のライフ。しかしここで終わる部長ではない。

「《要塞の監視者》召喚!!!」

(1)(黒)で非シャドーを封殺する強力クリーチャー、《要塞の監視者》が場に出た。
タミフルも《栄光の頌歌》を張るなどしてクロックを稼いでいたが、ここで一気に止まった。
しかし、部長はというと攻撃に転じているわけでもなかった。《時間の孤立》を監視者に付けられてしまったのだ。

痺れを切らして《雲の群れ》本体を召喚し一気に畳み掛けるタミフル。部長は僅かにマナが足りず軽減しきれない。
少しずつ、だが確実に減っていく部長のライフ。除去はプラーフィングですべて沈黙する。

そして、あと2回攻撃が通ればタミフルの勝ちという時――

「ホワーットイズザトーップデーック!!!…《夢魔》召喚!!!」

《夢魔》(12/12)が場に出た。
飛行も持っており、ブロッカーに回せる他攻撃が1回でも通ればタミフルを死に至らしめる破壊力を持つ。
タミフル終わったな…誰もがそう思った、その刹那、

「エンd」
「じゃあ《氷の干渉器》で夢魔曲げておくね」

…そう、彼の結界術の中でも屈指の強さを誇る『透明化』が発動した。
次のターン、マナも起きていない部長が雲の群れ(8/8)に粉砕されたのは言うまでもないだろう。
2-0。

「負wwwけwwwたwww」
「ビン●ボン●懸けたからだなwww」

その後、部長がハイランダーのデッキでWAZATENとやったところ負けたのでセルに交替、蹂躙したのちに漸く●ンゴ●ンゴを飲むことができたのだった。

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最終更新:2007年05月29日 01:10