AGE-3とドラゴニュート達が火星へ来て3日経った。あれからAGE-3達は毎日ルウに会いに来ていた。ルウの方も、AGE-3達と会えることを楽しみにしており、AGE-3達の方もルウに会えることを楽しみにしていた。ドラゴニュートもあれから実の母であるノラルと生活し、今まであった出来事をノラルに話したりしていた。そしていつしか彼らは、火星での暮らしを満喫していたのだ。しかし、彼らは満喫しつつも忘れていない事が2つあった。まず1つ、まだイフィニアドやヴェイガンとの戦いは終わっていないと言う事。そしてもう1つ、レギルスや奏真は、AGE-3やドラゴニュートの事を利用しようとしている事、暮らしを満喫しつつも、それらの事は決して忘れてはいなかった。そして彼らは信じていた、必ず助けが来ることを。その事を信じつつ、彼らは今日もルウに会いに行った。
ドラゴニュート「よっ」
ルウ「みんな、また来てくれたんだね!」
アイラ「ごめんね、ルウちゃん、ここしばらく毎日遊びに来て…」
ルウ「ううん、私、身体が弱くて外に出られないから、みんなにもっともっと会いに来てほしいよ」
ドラゴニュート「その事なら大丈夫さ、AGE-3も君に会う事を楽しみにしてるようだしな」
AGE-3「えぇ…!?」
ルウ「ありがとう、AGE-3! 私も毎日AGE-3に会えて嬉しいよ!」
AGE-3「あ…えっと、その…」
ディーン「おい、あまりAGE-3を困らせるよ」
ドラゴニュート「大丈夫、AGE-3は困ってるんじゃなくて、照れてるだけだから」
ルウ「そうなの?」
AGE-3「ち…違うよぉっ…!」
そう言ってAGE-3は顔を赤らめながら慌てて外に出ていった。
ルウ「私、怒らせちゃったのかな?」
ドラゴニュート「大丈夫さ、さっきも言ったろ? 照れてるだけだって」
シオリ「あの子ぐらいの年齢だと、結構恥ずかしがり屋も多いからね」
ルウ「そうなんだ」
ドラゴニュート「じゃ、俺ちょっと様子見てくるわ」
そう言って、ドラゴニュートも外に出ていった。一方のAGE-3は、路上に座り込み、一人で考え事をしていた。これまでの生活で、ヴェイガンも自分達と同じ人間であることを知ったからだ。
AGE-3(ヴェイガンの人達も、やっぱり僕達と同じだった…嬉しい事に喜んで、辛い事に悲しんで…生まれや環境は何も関係ない…)
その時、AGE-3の脳内には、今まで命を奪ってきたヴェイガンの兵士達がフラッシュバックした。彼らも、ここに住む人たちと同じ様に家族を持ち、喜んだり悲しんだりしながら暮らしていたのだろう。きっとシャナルアが伝えたかったのは、こういう事だったのだと気付いた。
AGE-3「人って事は、その人達の生活があるって事なんだ…分かっていたはずなのに…」
ドラゴニュート「実際に見せられると、嫌でも思い知らされるよな」
そう言って、ドラゴニュートもAGE-3の横に座り込んだ。
AGE-3「ドラゴニュートさん…」
ドラゴニュート「あのレギルスってガンダム族が、俺達に街を見させたのは、こういう風景を見せる為だったんだろうな…」
そのドラゴニュートの表情も、真剣な表情であった。きっと彼も、AGE-3と同じく、何か思う事があったのだろう。
AGE-3「…でも、あの人達は僕達を利用しようとしているはずです、現に、僕達が攫われた理由もそうなんでしょう?」
ドラゴニュート「…まあ、そうだろうな、でもさ、俺達が今見てる現実は本物、違うか?」
AGE-3「………」
とても重たいテーマを背負わされた2人は沈黙を保った。しばらくすると中々帰ってこない2人を心配したのか、ディーンがやって来た。
ディーン「AGE-3にドラゴニュートさん、こんな所にいたのか」
AGE-3「ディーン…」
ドラゴニュート「悪い、様子を見てくるつもりが逆に見に来られちまったよ」
ディーン「いえ、そうではなくて、皆さんにお願いしたい事があるんです」
AGE-3「お願いしたい事?」
ディーン「もう…ルウに会いに来ないでほしい」
AGE-3「え…?」
ディーン「友達とかできるとさ…あいつ自身辛くなるだけだから…」
ドラゴニュート「それって一体、どういう事だ?」
ディーン「あいつはマーズレイにかかっている…もって後3ヶ月らしいんです…」
AGE-3「!?」
ディーン「不公平だよな、何も悪くないのに死ななきゃならないなんて…! 地球の奴らはぬくぬくと安全な所で暮らしているッ!!」
AGE-3(地球が安全って…)
ドラゴニュート「…なあ、そのマーズレイって病気は一体どんな病気なんだ?」
ディーン「この火星圏に住む人間を蝕む悪魔の様な死病です、治療する方法が存在しない為、かかれば最後です」
AGE-3(そんな…!!)
ディーン「俺達をこんな目にあわせて、自分達だけ…そんなのあるかよ…地球種どもめ…」
ドラゴニュート(絶対に助からない死病…ここに住む人達は死の恐怖に恐れながら日々暮らしているのか…)
ディーン「でも、信じている、レギルス様が俺達を地球に帰してくれる日が来るって…行ってみたいよな、地球…」
AGE-3(…マーズレイなんて病気は地球にはない病気だ、レギルスなら、その病気について詳しい事を知ってるはずだ、それなら…)
ドラゴニュート(…奏真兄ちゃんやラズ姉ちゃんに聞いてみよう、きっと何か、助ける方法があるはずだ…)
2101年1月7日、クロストライアルの艦隊が宇宙海賊ビシディアンの戦艦であるバロノークと合流し、ヴェイガンの本拠地であるセカンドムーンへと向かっていた。クロストライアルのメンバーの中には当然、初めて宇宙に出る者が多い為、宇宙に興味津々の者もいれば、少し怯える者もいた。戦艦の気密性などに関しては、出発前に念入りにチェックした為、どの戦艦も空気漏れなどはなく、無事に航行できている。これも偏に地球の技術力の賜物と言った所だろう。クロストライアルの旗艦であるセイバークルーザー内では、セイバークルーザー隊の面々が会話をしていた。
イオナ「どの艦も無事に航行できているようですね」
デスティニー「まあ、出発前に時間をかけて念入りにチェックしたからな」
ネクサス「宇宙に出る事なんてここ最近はありませんでしたからね」
蒼乃「旧時代はよく宇宙に出たらしいけどね」
Gセイバー「らしいですね、でもその時代に作った宇宙ステーションもイフィニアドとヴェイガンのせいで全てパーになりましたけどね」
ライング「じゃあ、平和になった世界でまた作ろうよ!」
イミング「それが一番いいですね、うんうん」
ソウル「で、結局この2人も付いて来たと…」
イオナ「すみません、私のかつての戦友ですので、どうか許してあげてください」
エクセリア「別にいいわよ、戦力は多い方がいいもの」
ソウル「見た感じ、実力はありそうだしな」
イオナ「ありがとうございます」
メンバー達は話をしながら警戒に当たっていた。しばらくすると、艦長席の隣に長い物が置かれている事に気づいた。
デスティニー「蒼乃さん、それは一体何ですか?」
蒼乃「ああ、これね、これはアリスさんからのお届け物よ」
流羽「アリスさんから? って事は、武器か何かかな?」
蒼乃「去年の大晦日の日に急に送られてきてね、何かなと思って見てみたら黒いヴィエルジュだったの」
カイト「ヴィエルジュって確か、ドラゴニュートの剣だよな?」
イオナ「その2本目って事ですか?」
蒼乃「そう言う事になるわね、同封の手紙にも、ドラゴニュートさん、新しい試作品ができたから使ってくださいとしか書かれてなかったし…」
レイラ「いい加減な人ね…」
デスティニー「でも、あの人らしいや」
カイト「なら絶対、この黒いヴィエルジュ、ブラックヴィエルジュはドラゴニュートに届けてやらないとな!」
蒼乃「そうね、絶対に届けてあげなきゃ!」
その直後、急に敵襲の警報が鳴り出した。
蒼乃「敵襲!?」
穂乃果「前方より接近する艦隊あり! 数16、イフィニアドです!!」
デスティニー「くっ! やはりあいつらか!!」
イフィニアドの戦艦は、小型無人戦闘機ビースタルを発進させた。約80機近くあるビースタルの編隊がレーザーを連射し、クロストライアルの艦隊に攻撃を仕掛けた。
カイト「あのチビメカ、あんな弱そうな見た目の癖に中々やるぞ!!」
デスティニー「蒼乃さん、ここは俺達に任せてください!!」
蒼乃「分かったわ、今宇宙に出れるのはMS族とウルトラ族ぐらいしかいないものね」
ネクサス「了解です、必ず全員で生きて帰ってきます」
そう言って、ネクサス達はカタパルトの方に向かって行った。デスティニー達がカタパルトで宇宙に出ると、外には既に他のウルトラ族とMS族、ビルバイン、ダンバイン、サイバスターがいた。そしてそこにはバロノークのキャプテン、ガンダムAGE-2ダークハウンドもいた。
レジェンド「AGE-2さんも出るんですね」
AGE-2「ああ、君達が頑張ってるのに俺だけ戦わないのもおかしいからな」
そんな話をしていると、ビースタルの編隊が総攻撃を仕掛けて来た。それに対し、ウルトラ族はバリアで防御、ガンダム族はシールドで防御し、攻撃を防いでいた。一方、ビルバインとダンバインは敵の攻撃をかいくぐり、オーラソードでビースタルを両断し、撃墜した。一方のサイバスターもディスカッターでビースタルを片っ端から撃墜していた。
ストライクフリーダム「中々やるね、彼ら」
インフィニットジャスティス「俺達も負けてられないな」
他のガンダム族は全員、ビームライフルでビースタルを撃墜、ウルトラ族も光線技でビースタルを撃墜していた。あっという間に残機は残りわずかとなったが、イフィニアドの戦艦は残りのビースタルを全機発進させた。その数は100機近くに上り、戦力の違いを思い知らせた。だが、クロストライアルの戦士達は、この程度では諦めなかった。彼らが向かう先には、助けるべき仲間がいるからだ。
AGE-2「…俺はイフィニアドの戦艦を叩く」
F91「そんな無茶な! 一体どうする気だ?」
AGE-2「こうするのさ」
そう言ってAGE-2はサメ型の長距離高速飛行形態、ストライダー形態に変形した。そしてその形態のまま、目にも止まらぬスピードで宇宙を移動、一気にイフィニアドの戦艦に接近し、元の姿へと戻った。
メビウス「凄い…! あれがAGE-2さんの実力…!!」
ギンガ「滅茶苦茶かっこいいぜ!!」
AGE-2は右腕に装備した巨大な槍、ドッズランサーでイフィニアドの戦艦群に次々と風穴を開け、轟沈させた。その間、ガンダム族とウルトラ族は戦艦を守りつつ、最後は一斉攻撃でビースタルの編隊を全機撃墜した。ビースタルを全滅させた頃には既に、イフィニアドの戦艦も全艦轟沈していた。こうして、イフィニアドの襲撃から無事、切り抜ける事に成功したのであった。その後、全員がそれぞれの艦に帰艦し、目的地であるセカンドムーンに向け、艦を発進させた。全ては、大切な仲間であるAGE-3の奪還の為である。
一方、セカンドムーンのレギルスの部屋では、AGE-3とドラゴニュートが話をする為に訪れていた。レギルスの部屋にはレギルス以外にも奏真とラズがおり、今からとても大切な話が行われる事は明白であった。レギルスも、AGE-3とドラゴニュートの真剣な表情を見て、今から始まる話の重要さに気づいていた。
レギルス「…AGE-3にドラゴニュートか、何か私に話があるようだな?」
AGE-3「はい、僕達の力の一部をあなた達に与えます」
ドラゴニュート「その代わり、マーズレイの特効薬みたいなのを渡してくれませんか?」
ラズ(この子達…もしかしてあのルウって子の為に、自分達の力を与えるって言うの…?)
奏真「レギルス様、どうされます?」
レギルス「いいだろう、その取引、引き受けた」
その後、レギルスが奏真に合図を送った。合図を受けた奏真は、AGE-3とドラゴニュートに黄緑色のエネルギー波を放った。このエネルギー波は対象の力を抜き取る効果を持っており、攻撃能力はないが、力を抜き取られる際にはわずかながらの痛みが走る。1分ぐらいそのエネルギー波と照射されると、奏真の手には2人の力の一部である掌サイズのオーブが2つあった。それは白と青のオーブであり、白がAGE-3、青がドラゴニュートの物である。
レギルス「君達の力、確かに受け取った、ラズ、薬を渡してやれ」
ラズ「分かりました、レギルス様」
ラズの手から渡された薬を手にした2人は喜んでおり、明日必ずルウに渡しに行こうと約束をした。
AGE-3「ありがとうございました、レギルスさん」
ドラゴニュート「この薬、大切に使わせていただきます」
そう言って、2人はレギルスの部屋から出ていった。
ラズ「………」
奏真「あまり嬉しそうではないな、ラズ」
ラズ「…ええ、あの薬はマーズレイの薬であっても、マーズレイを完全に治療はできない」
奏真「ただ進行を遅らせるだけ、そうだろ?」
ラズ「ええ、だからあのルウって子はもう助からない、その事を知ったらあの子達はどう思うか…」
奏真「確かにそうだな…」
2人はしばらく黙っていたが、レギルスが2人に力のオーブについて聞いた。
レギルス「2人から奪ったその力、これからどう使うつもりだ?」
奏真「はい、まずAGE-3の力はXラウンダー兵士の量産の為、そしてドラゴニュートの力は、ドラゴニュートのクローンを生み出す為に使います」
レギルス「クローンだと…?」
奏真「はい、名付けてダークドラゴニュートと言った所でしょうか」
レギルス「中々面白い事に使うようだな、期待しているぞ」
奏真「はっ」
ドラゴニュートとAGE-3が自分の力の一部と引き換えに手に入れた薬によって、ルウの容体はある程度良くなってきていた。薬はかなり苦かったようで、ルウは嫌そうにしていたが、2人がせっかく持ってきてくれた薬だからと我慢して飲んでいた。ディーンは薬を持ってきてくれた事を2人に感謝していた。
ディーン「AGE-3、ドラゴニュートさん、本当にありがとうございます」
ドラゴニュート「別に礼なんかいいって」
AGE-3「僕達はただ薬を持ってきただけだから」
ディーン「それが助かるんだよ、何せ、医者にだって滅多に見せられないぐらいなんだ…」
その時、ディーンはある疑問を持っていた、2人はどこからマーズレイの薬を持ってきたのかと。
ディーン「なあ、こんな貴重な薬、どうやって手に入れたんだ?」
ドラゴニュート「え? ああ、この薬か…」
AGE-3「ちょ…ちょっとね…」
自分の力の一部と引き換えに薬を手に入れたと言ったら、果たしてルウやディーンは何と思うだろうか、そう考えた2人は、あえてごまかす事にした。一方、ルウは絵日記に何かを書いていた。角度的に何を書いているかは分からなく、アイラはルウに聞いてみる事にした。
アイラ「ねえ、ルウちゃん、何を書いてるの?」
ルウ「ふふふ、内緒」
アイラ「内緒か~それは残念」
薬を飲んで元気になったルウを見たディーンは、ルウにある提案をした。
ディーン「…あのさ、外にでも行ってみたらどうだ?」
ルウ「え!? いいの? お兄ちゃん?」
ディーン「2人の持ってきた薬だって飲んでるし、少しくらい出かけたっていいだろ」
ルウ「やったー!」
アイラ「良かったね、ルウちゃん」
ドラゴニュート「そうと決まれば、早速行こうぜ、勿論、ルウの行きたい場所へな」
その後、ドラゴニュート達はルウの行きたいと言う場所へ向かった。ルウの行きたい場所と言うのは、ジャンクの丘と言う場所で、ルウの住んでいる辺りで一番景色が綺麗な所らしい。
ドラゴニュート「ここがルウの来たかった場所か?」
ルウ「うん! ここからの景色が綺麗なんだ!」
ファヴール「景色が綺麗、ですか…」
AGE-3(緑も無く、透き通った湖も無い、ただ冷たく固い石で造られた世界…)
ドラゴニュート(でも、ルウ達にとっては…)
ルウ「ここね、私が病気になる前によく来てた場所なんだ、だから、大切な思い出の場所なの!」
アイラ「そうなんですね、確かに、凄く綺麗です」
ルウ「えへへ、嬉しいな」
すると、ディーンがふと呟いた。
ディーン「地球はここよりもっと綺麗なんだろうな…」
ドラゴニュート「………」
ディーンの言った事は、図星であった。例えば、アロイス峡谷でドラゴニュートとアイラが見た景色、あれはここと比べれば天と地ほどの差である。その時、ルウも地球の話題に反応した。
ルウ「地球かぁ…行ってみたいな…ここじゃない、新しい世界を私も見てみたい…」
AGE-3「………」
ルウ「AGE-3、ドラゴニュートさん、本当にありがとう、またここに来る事ができて嬉しかったよ」
AGE-3「ううん、また必ず来よう、ルウ」
ドラゴニュート「ああ、また来ような、必ず」
ディーン「………」
AGE-3(これでいいんだ…これで…僕の力はみんなを守る為にあるんだ…これでルウが救えるなら、これで…)
ドラゴニュート(これが正しかったかは、俺には分からない、でも、大切な命を救えるなら、俺は…)
その後、ドラゴニュートはAGE-3たちと別れ、ノラルの下へと向かった。
ノラル「ドラゴニュート、お帰りなさい」
ドラゴニュート「母さん、ちょっと聞きたいんだけどさ、何でヴェイガンの人達は地球を攻撃するんだ?」
ノラル「え?」
ドラゴニュート「俺さ、ここでの生活で実感したんだ、ヴェイガンの人達も俺達と同じ人間だって事、でも、地球を攻撃する理由については詳しく知らないんだ」
ノラル「…それはね、ヴェイガンの人達は火星移住計画の失敗によって地球から見捨てられた人達だからよ」
ドラゴニュート「火星移住計画って、旧時代に行われたマーズバースディ計画だよね?」
ラズ「その通りよ、ドラゴニュート」
ドラゴニュート「ラズ姉ちゃん…奏真兄ちゃん…」
ラズ「地球の歴史だとマーズバースディ計画によって火星に移住した人間は全員死亡したって事になってるわよね?」
奏真「だが、彼らは火星にセカンドムーンと言うコロニーを建設し、生き延びた、だが、そこで新たな死病が発生したんだ」
ドラゴニュート「それが、マーズレイ…」
奏真「そう、テラフォーミングの失敗で発生した人体に有害な微粒子によって引き起こされる死病…」
ラズ「磁気嵐によってコロニーに巻き上げられるこの微粒子は、火星に住む者達の最大の問題なのよ」
ドラゴニュート「じゃあ、ヴェイガンの人達は、これらの理由の復讐の為に…」
ノラル「悲しいけど、そう言う事なのよ、ドラゴニュート」
ドラゴニュート(だから、ルウやディーンは地球にあれだけ憧れていたのか…マーズレイのない、美しい風景のある地球に…)
2101年1月10日、クロストライアルは宇宙空間でも活動できるMS族とウルトラ族を中心に、AGE-3救出部隊を編成、セカンドムーン内へと侵入していた。セカンドムーンのコロニー内にクロストライアルのメンバーが侵入した事は、当然ヴェイガン側にも知れ渡っており、ヴェイガン側はその対応に追われていた。
ダナジン「ザムドラーグ様! コロニー内にビシディアン及びクロストライアルの兵士が侵入したとの報告が!」
ザムドラーグ「何!? ならば兵を送り、奴らを始末しろ!!」
ダナジン「了解です!」
ザムドラーグ(奴らの目的は、あの捕虜のガキ共だろうな、ならば、こちらも対応するだけだ)
その頃、セカンドムーンの客室にいるドラゴニュートやAGE-3は、ヴェイガンの兵士に攻撃を受けていた。ザムドラーグの出した抹殺命令により、クロストライアルに救出される前に始末される事になったのだ。武器を奪われ、まともに戦う事の出来ないドラゴニュート達は、魔法を唱え、ヴェイガンの兵士達と交戦していた。だが、ドラゴニュートは以前の様な容赦のない攻撃は行っておらず、低威力のファイアで戦力を奪ったり、気絶させたりして戦闘不能にしていた。
ドラゴニュート「大丈夫か? みんな?」
アイラ「は…はい、何とか…」
ファヴール「しかし、何故いきなり抹殺命令が下ったのでしょうか…」
その時、物陰でドラゴニュート達を狙い撃とうとしているヴェイガンの兵士がいた。その事にドラゴニュート達は気づいておらず、その銃口はAGE-3に向けられていた。
ドラゴニュート「AGE-3! 危ない!!」
AGE-3「え?」
ヴェイガンの兵士がビームライフルを撃とうとしたその時、蹴りを食らわして兵士を気絶させたガンダム族がいた、ガンダムAGE-2ダークハウンドだ。
AGE-2「怪我はないようだな」
AGE-3は、会った事のないそのガンダム族の事を知っていた。過去に写真の中でのみ見た事のあるその姿、今はその時の姿とは違うものの、AGE-3は彼を知っていた。
AGE-3「とう…さん…?」
AGE-2「待たせたな、AGE-3」
ドラゴニュート「あのガンダム族がAGE-3のお父さんか…」
ファヴール「ガンダムAGE-2、過去のヴェイガンとの戦いで活躍したと記されています」
その後、少し遅れて他のクロストライアルメンバーもやって来た。
ネクサス「AGE-2さん! AGE-3くんは見つかりましたか?」
デスティニー「…って、ドラゴニュート!? 何でこんな所に!?」
ドラゴニュート「いや、ちょっと色々あってな…」
AGE-2「君達もAGE-3の仲間か、なら話は早い、脱出艇は用意してある早く向かうぞ」
AGE-3「ちょっと待って、父さん、僕、一緒に連れていきたい人達がいるんだ」
ドラゴニュート「俺も、一緒に連れていきたい人がいる」
デスティニー「お前…この忙しい時に何を…」
AGE-2「いいだろう、だが、できるだけ早く頼むぞ」
AGE-3「うん!」
ドラゴニュート「じゃあ、ちょっと行ってくる!」
そう言って、AGE-3はルウの下へ、ドラゴニュートはノラルの下へと向かった。セカンドムーンのディーンの家に向かったAGE-3は、大急ぎでディーンの家に駆けこんだ。
AGE-3「はぁ…はぁ…ディーン! ルウ!」
ディーン「…AGE-3か…来てくれたんだな…」
ディーンの様子は、いつもの様子と違っていた。その様子に、AGE-3はある違和感を覚えた。
AGE-3「…ディーン、ルウは…?」
ディーン「ルウは…死んだよ」
AGE-3「え…?」
ディーン「もう、限界だったんだ…」
ベッドには、綺麗な表情で息を引き取ったルウがいた。その表情は眠ったようにも見え、とても死んでるようには見えなかった。
AGE-3「は、はは…嘘、だよね…? 僕を驚かせようとしてるだけなんでしょ…?」
ディーン「最後まで、笑ってたよ、ルウは幸せだったと思う、お前達のおかげだ…」
AGE-3「っ…! そんな事ない…僕は何も…」
ディーン「ほら、見てみろよ、これ…」
ディーンがAGE-3に手渡したものは、ルウの絵日記だった。絵日記には、彼女に決して来ることのない未来の事が書かれていた。AGE-3の誕生日の日にAGE-3に対して感謝の言葉を綴ったメッセージカードを書いた事、そして、AGE-3やドラゴニュート達と共に地球にやって来てここで新しい生活が始まると言う事、どれも、命を落とした彼女にはない未来、AGE-3は絵日記を見ながら大粒の涙をこぼした。
ディーン「お前やみんなと出会って、あいつは…希望の意味を知ったんだ…」
AGE-3「う、うぅぅ…ルウ…ぅぅぅ…」
ディーン「…その日記、お前が持っていってくれないか?」
AGE-3「え…?」
ディーン「お前にあいつの事、覚えていてほしいんだ…もう…二度と会えなくなるんだろ…?」
AGE-3「!? ディーン…もしかして…僕達の…事…」
ディーン「早く行けよ!」
AGE-3「…!」
ディーン「行ってくれ…頼む…でないと、俺は…」
AGE-3「…ごめん…ごめん、ディーン…!」
そう言い残し、AGE-3はディーンの家を後にした。
その頃、ドラゴニュートはノラルのいる部屋へ来ていた。しかし、そこでは既に奏真とラズとその部下が先回りしており、ノラルは彼らに人質として囚われていた。
ドラゴニュート「母さん…!!」
ノラル「ドラゴニュート…」
奏真「動くな、ドラゴニュート、少しでも動けば、お前の母親の首が飛ぶぞ」
ノラルの首には奏真の愛剣、ダーインスレイヴが添えられており、文字通り、少しでも動けばノラルの命はなかった。
ドラゴニュート「奏真兄ちゃん! やめてくれ! 俺は…兄ちゃん達と戦いたくない…!!」
奏真「ならば、俺達の下に残れ、それが一番最善の方法だ、それとも、母親を犠牲にして仲間の下に残るか?」
ドラゴニュート「…俺には、どっちも選べない…」
ラズ「じゃあ、どうする気なの?」
ドラゴニュート「奏真兄ちゃんもラズ姉ちゃんも、母さんも、みんなで一緒に戻るんだ!」
奏真「甘いな、俺が今更お前達クロストライアルに力を貸すとでも?」
ドラゴニュート「聞いてくれ、兄ちゃん、俺、ここでの暮らしは楽しかった、そして、火星の人達も俺達と同じ様に苦しんでるって分かった」
奏真「だから何だ」
ドラゴニュート「俺、地球の人達も、火星の人達も、みんな助けたいんだ、その為には、兄ちゃんやラズ姉ちゃんの力が必要なんだ!」
ラズ「私達の力が…?」
ドラゴニュート「誰も悲しまない世界を作る…それが俺の目指す道だ!!」
奏真「誰も悲しまない世界…か…」
奏真たちは以前のドラゴニュートなら絶対言わないその言葉に感化された。敵を倒して平和な世界を作るのではなく、敵と共存しようとするその姿勢、奏真たちは彼ならきっと世界を変える事ができると確信した。
ラズ「…ねえ、奏真、もういいんじゃない…?」
奏真「…俺もラズも…あいつの平和ボケな考え方に感化されたのかもな…」
すると、奏真はノラルの首元からダーインスレイヴを降ろした。
ドラゴニュート「兄ちゃん…!」
奏真「俺達が味方に付いた所で、イフィニアドに勝てるかは分からんが、お前と共に戦うのも悪くはないかもな…」
すると、奏真は部下の3人に合図を出した。部下の3人であるターニャ、ミーナ、ノクトの3人は、どこかへと去って行った。
奏真「お前に同行するついでだ、大河も連れてきてやろう」
ラズ「あなた達から預かっていた武器も持ってきてくれるわよ」
ドラゴニュート「え…? でも大河は冷凍刑に処されたんじゃ…」
奏真「つい最近、冷凍刑から解放して牢獄に入れていたんだ、お前には内緒でな、フッ、どうやら俺もお前達に感化されたようだな…」
しばらくすると、部下の3人が大河と武器の入ったケースと共にやって来た。大河は茶髪ショートカットで緑の瞳をした平凡な少年であった。久々に兄であるドラゴニュートを見た大河は、驚いた様子を見せていた。
大河「兄さん!」
ドラゴニュート「大河、久しぶりだな、無事でよかった…」
大河「で、これからみんなでここから脱出するんだよね?」
ドラゴニュート「ああ、急がないと追手が来るからな、早く行くぞ」
大河「うん!」
奏真(さて…戻るはいいが、蒼乃に何と言われるか…)
セカンドムーン周辺では、クロストライアルのMS族とウルトラ戦士を中心に、攻撃を仕掛けてくるヴェイガンの部隊と交戦していた。部隊を指揮するのは、ザムドラーグと言う大型のMS族であり、高い火力と防御力を生かし、クロストライアルの面々を苦戦させていた。だが、AGE-2率いる突入部隊がAGE-3達を救出する事を信じ、彼らはヴェイガンの部隊と激しい戦いを繰り広げていた。
サイバスター「ったく、あいつらはまだ帰ってこないのかよ?」
F91「大丈夫だ、きっとAGE-3を連れて帰ってくるさ」
そんな話をしていると、セカンドムーンから一隻の脱出艇がやって来た。護衛にはデスティニーとネクサス、そしてAGE-2がいた為、この脱出艇にはAGE-3がいる事が確定していた。すると、その脱出艇にザムドラーグが気付いた。
ザムドラーグ「フフフ…どうやらあれにあのガキ共が乗っているようだな」
ビルバイン「まずい!」
ザムドラーグは脱出艇にビームクローで攻撃を仕掛ける為、接近した。それに対しネクサスは蹴りを放ち、ザムドラーグを吹き飛ばした。
ネクサス「この中には僕の仲間がいるんだ、絶対にやらせはしない!!」
続けてデスティニーは大型の剣、アロンダイトを手に取り、ザムドラーグ目掛けて振り下ろした。だが、ザムドラーグはその攻撃を間一髪回避し、ビームクローでデスティニーを殴り飛ばした。そのままデスティニーは脱出艇にぶつかり、脱出艇は大きく揺れた。
ドラゴニュート「おっと! どうやら外では激しい戦いが起きているようだな」
ノラル「大丈夫かしら…」
アイラ「大丈夫ですよ、私達のお仲間は頼りになりますから」
ファヴール「そうです、クロストライアルは地球最強の部隊ですから」
奏真「地球最強の部隊…か…」
大河「兄さんはそんな強い部隊の一員なんだね!」
ドラゴニュート「いや、俺なんてまだまださ」
シオリ「…ねえ、AGE-3がいない事、気付いてる?」
ノラル「そう言えば、どこにもいないわね…」
ラズ「AGE-3なら、さっき発進口の方に向かって行ったけど…」
ドラゴニュート「いつの間に…」
アイラ「と、言う事はヴェイガンと戦いに行ったんじゃ…」
アイラの推測通り、AGE-3は宇宙に出てザムドラーグと戦っていた。
AGE-3「………」
ザムドラーグ「フン、ガンダム族のガキめ、逃げたんじゃなかったのか?」
すると、AGE-3は無言のまま、ビームサーベルでザムドラーグの腕や足を斬りつけ、戦闘ができなくなる程度のダメージを与えた。
ザムドラーグ「ぐあぁっ! 貴様、何を!?」
AGE-3「今すぐ撤退してください、僕は、命まで奪いたくありません」
デスティニー(AGE-3…)
AGE-2(なるほど、それがお前の選んだ道か…)
だが、ザムドラーグは痛む腕と足を動かし、なおも戦おうとした。その時、セカンドムーンの方から1体のガンダム族が現れた。そのガンダム族とは、ヴェイガンの首領、ガンダムレギルスであった。
AGE-2「レギルス…!」
ザムドラーグ「レギルス様!」
ネクサス「ヴェイガンの首領が自ら現れるなんて…!」
レギルス「退がれ、ザムドラーグ、この場は私が預かる」
ザムドラーグ「了解しました、ザムドラーグ、撤退する!」
そう言い残し、ザムドラーグはその場を後にした。
レギルス「さて、クロストライアルの諸君、少し相手をしてもらおうか…」
AGE-3「レギルスさん…僕は…」
デスティニー「AGE-3、今はあいつと話し合ってる場合じゃない!」
ネクサス「相手はヴェイガンの首領、無事で帰れる保証はないからね」
AGE-3「…分かりました」
デスティニーはアロンダイトで、AGE-3はビームサーベルで攻撃を仕掛けた。しかし、レギルスはビームサーベルで切り払い、無力化した。続けてネクサスは胸のエナジーコアからコアインパルスと言う光線を放った。だが、レギルスは素早く回避し、ネクサスをビームサーベルで斬りつけた。
ネクサス「強い…!」
デスティニー「流石、ヴェイガンの首領と言った所だな!」
AGE-2「下がれ、あいつは俺が相手をする」
レギルス「AGE-2か…久しぶりだな」
AGE-2とレギルスは学生時代を一緒に過ごした友人であったが、卒業式の日にレギルスがヴェイガンであることを告白、その後、幾度となく戦いを繰り広げたライバルなのである。
レギルス「お前が相手なら、本気で行った方がよさそうだな…」
すると、レギルスは体の周りに光の球を発生させた。この球はレギルスビットと言い、飛ばして攻撃するほか、一か所に集めてバリアのように防御をする事ができるのである。
レギルス「行けッ!!」
レギルスがビットを飛ばすと、AGE-2やデスティニー、ネクサスに命中し、後方で航行していた脱出艇にもかすってしまった。
ドラゴニュート「うあっ!?」
アイラ「な…何ですか!? 敵の攻撃ですか!?」
奏真「どうやら、レギルスとお前の仲間が戦ってるようだな」
ドラゴニュート「そんな…! くっ! 助けに行きたいけど、俺は宇宙に出れない…」
ファヴール「…出れますよ」
ドラゴニュート「…えっ?」
デスティニー「くっ! これがヴェイガンの首領の力か…!!」
レギルス「そろそろトドメと行くぞ!」
その時、レギルスの前に現れたのは、ファヴールに乗ったドラゴニュートであった。ファヴールには、宇宙でも活動できる空気のバリア、エアフィールドを発生させる機能が付いており、この機能を使う事で、ドラゴニュートは宇宙に出る事が可能なのである。当然、突然現れたドラゴニュートには、全員驚いていた。
デスティニー「…ドラゴニュート、お前、何してんの?」
ドラゴニュート「いや、エアフィールドを発生させれば宇宙に出れるってファヴールが言ったからさ」
ネクサス「本当に無茶するよ、君は」
だが、なおもレギルスはレギルスビットで攻撃を仕掛け、ドラゴニュート達はそれを回避するので精一杯であった。
AGE-3「もうやめてください…! 僕はあなたのおかげでヴェイガンも僕達と変わらない同じ人間なんだって事を知った!」
ドラゴニュート「AGE-3…」
AGE-3「だから、みんながこの事を知れば、少なくともヴェイガンとの戦争は終わるはずです!」
レギルス「戦争は終わる、か…ならば一つ教えてやろう、前ヴェイガンの代表であるイゼルカント様がこの戦争を始めた理由は、ヴェイガンを地球に移住させる為ではない事を」
デスティニー「何!?」
レギルスは語り始めた、前ヴェイガンの代表、イゼルカントの本来の計画、プロジェクト・エデンを…。怪獣災害や怪人との戦い、そして人間同士の終わりのない争いと言った旧世紀から続く戦乱の歴史を見て来たイゼルカントは、このままではいずれ人類は滅びると感じた。そして、イゼルカントは決して争い事をしない、賢い者達を集めた人類の創造に着手する事にした。その為にイゼルカントはヴェイガンと地球統合軍との戦争を勃発させ、極限状態における人間の能力を調べ上げ、その上で優れた人類種を選び出す事にしたのだ。イゼルカントは志半ばでマーズレイが発病し、命を落としたが、プロジェクト・エデンの計画はレギルスが引き継ぎ、続行。だが、その途中で宇宙帝国イフィニアドが地球に襲来、計画は困難に思えたが、イフィニアドの皇帝はこの計画に乗ると同時にヴェイガンを支援した、そして現在もプロジェクト・エデンは継続中と言う事である。この事を知ったデスティニーやネクサスは激怒した。
デスティニー「ふざけるなッ! そんな事が、許されると思っているのか!」
レギルス「許す、許さないの問題ではない、イゼルカント様は生前こう仰っていた、選ばれた者達による新たな理想郷を築き上げなければ人類は滅びると…」
ネクサス「そんな事、傲慢だとは思わないのか!?」
レギルス「傲慢だと思うなら、思ってくれても構わない、だが、人類が争いをやめるならいいと思わないか?」
AGE-3「でも、それじゃあ…選ばれなかった人達はどうなるの?」
レギルス「大いなる理想の為に犠牲はつきものだ」
ドラゴニュート「ふざけるなッ! 大いなる理想の為に犠牲はつきものだと? ふざけんじゃねえぞ! 命は何よりも大切なものだろうが!!」
レギルス「今すぐ理解しろとは言わない、だが、お前達には私と共に来てほしい、共に新世界の扉を開く為に…!」
ドラゴニュート「断る!」
レギルス「何故そこまで否定する、お前もヴェイガンの世界を見て人の争いが世界にどんな悲しみをもたらすのか知ったのではないか?」
ドラゴニュート「ああ、知ったよ、だがな、犠牲の上に成り立った平和なんて、俺は望まない!!」
ドラゴニュートの言葉に続き、先ほどまで口を閉じていたAGE-3も口を開いた。
AGE-3「あなたの目指す世界は確かに理想郷なのかもしれない…でも、そこには…シャナルアさんが…ルウがいない!」
レギルス「何を…そのような小さい事にこだわり、大局を見失うな」
ドラゴニュート「小さい事…か…レギルス、そんな考えのお前には一生分からないだろうな」
AGE-3「ルウに…家族に生きてほしいって、みんなに生きてほしいって願うのは誰だってある事じゃないか! それを無視していいわけないよ!」
レギルス「…お前達ならば、理解できるかと思ったが…残念だよ…」
すると、レギルスはレギルスビットでドラゴニュート達を攻撃した。先ほどより攻撃が激しく、レギルスはプロジェクト・エデンを否定するドラゴニュート達を抹殺するつもりでいるのだ。
ネクサス「くっ! これが奴の本気か!!」
レギルス「私は必ず実現させねばならん! 全てはこの戦争の先にエデンを創り出す為に!!」
ドラゴニュート達はレギルスビットの嵐を受け、ダメージを負っていた。
レギルス「ここで消えろ! AGE-3! ドラゴニュート!」
レギルスの放ったレギルスビットは、ドラゴニュートのAGE-3の腹部を貫通した。
デスティニー「ドラゴニュート!!」
AGE-2「AGE-3!!」
腹部を貫かれた2人は、どんどん意識が遠のいていき、やがて、彼らの目の前は真っ暗になった。目の前が真っ暗になった2人は、やがて何も感じなくなった。これが全ての生物が行きつく先の「死」なのか、このまま全てが無となり、消滅してしまうのか、その先には、苦しみも悲しみも無い世界が待っているのか、そうあってくれればどれほど幸せだろう。だが、彼らにはまだやるべきことがある。ここで死んでいる暇はない。しかし、自分達は先ほど体を貫かれ、命を落としてしまった。もう、生き返る事は出来ない、戻る事も出来ない。その時、2人の胸の中にある炎が輝きだした。これは、命の炎か、それとも仲間の祈りか。その炎の中に、見えるものがあった。それは、今までこの世界を守るために戦った戦士達、一年戦争やグリプス戦役を戦ったガンダム族、地球を守る為に戦ったウルトラ戦士、ショッカーやデストロンと戦った仮面ライダー、その他にも、この世界を守る為に戦った戦士達の姿が見えた。そう、彼らの戦いの上、この世界は成り立っている。すると、ドラゴニュートとAGE-3の目の前に光が見えた。彼らには地球を守り抜いた戦士達と同じく、やるべきことがある。2人は手を伸ばし、光を手にした。彼らが光を手にしたその時、命の炎が消えていた2人の体が輝きだした。
デスティニー「な…何だ…!?」
ネクサス「2人の体が…光ってる…!?」
ファヴール「マスター…!」
その輝きが収まった時、2人の姿は変わっていた。ドラゴニュートは髪が長くなり、白い髪が背中辺りまで伸びていた。青い瞳も以前より透き通っており、顔つきも中性的な顔から女性的な顔になっていた。服装も昔の様な青い服装ではあったものの、赤いマントを羽織っており、以前とは別人のようであった。
一方のAGE-3は白と青が主体の見た目になっており、肩や腰、腕や背中に緑色のブレード、Cファンネルが装備されていた。その姿はAGE-3の時とは全く違っており、AGE-1、AGE-2、AGE-3の全てを超越したまさに最終進化形態と言った姿であった。
デスティニー「ドラゴニュートとAGE-3の姿が変わった!?」
ネクサス「進化したのか…!?」
ファヴール「マスター…とうとう女性になってしまったんですか…」
ドラゴニュート「待て待て! 俺は男のままだって! てか、声まで女みたいになってるし…」
ドラゴニュートの声は以前よりも高くなっており、知らない人が聞いたら確実に女性と間違えるレベルであった。
AGE-3?「僕…進化したんだ…」
AGE-2「なら、お前は今日からAGE-FXに改名だ」
AGE-FX「FX?」
AGE-2「Follow X-Rounderの略だ、いつかお前が進化した時、名前を変えようと思っていたんだ」
AGE-FX「AGE-FX…か…」
その時、レギルスはレギルスビットを放ってきたが、ドラゴニュート達は間一髪回避し、大事には至らなかった。
レギルス「進化して復活したか…ならもう一度体を貫くまでだ!!」
ドラゴニュート「くそっ! あくまでも俺達を殺す気かよ!!」
その時、遠くから猛スピードで迫ってくる人物がいた。人物の正体はカイトであり、手にはブラックヴィエルジュが握られていた。
カイト「ドラゴニュート! 無事だったか!」
ドラゴニュート「カイト!? お前なんでここに!?」
カイト「いや、何か嫌な予感がしてな、飛んできたんだ」
デスティニー「てか、お前も宇宙に出れたのかよ…」
カイト「ああ、どうやらそう言う体質らしくてな、前も宇宙に出た事があったし」
カイトはドラゴニュートにブラックヴィエルジュを手渡した。
ドラゴニュート「これは…もう一本のヴィエルジュ!?」
カイト「ああ、アリスさんがくれたもう一本のお前の剣だ!」
ドラゴニュート「よし! AGE-FX! 俺に合わせろ!」
AGE-FX「はい! みんなで生きて帰る為、僕も戦います!」
ドラゴニュートはファヴールに乗り、AGE-FXと共にレギルスに向かって行った。
ドラゴニュート「スパークブレードダブル!!」
AGE-FX「Cファンネル! 展開!!」
ドラゴニュートは電撃を纏った2本のヴィエルジュで、レギルスをX字に斬りつけ、ダメージを与えた。一方のAGE-FXは、体中に装備されたCファンネルを展開し、脳波で遠隔操作してレギルス目掛けて放った。遠隔操作されたCファンネルはレギルスの体を斬り裂き、この2回の攻撃でレギルスはかなりのダメージを負った。
レギルス「くっ! 馬鹿な! これほどまでとは…!!」
AGE-2「レギルス! まだやるつもりか?」
レギルス「この状況、どう見ても私が不利だ、私は一旦形成を立て直す、だが、お前達とはいつか必ず決着を付けるつもりだ」
そう言い残し、レギルスは撤退した。
AGE-2「今がチャンスだ、俺達も撤退するぞ!」
AGE-FX「うん!」
ドラゴニュート達は戦闘中域から離脱した。その後、無事に安全空域まで離脱し、アイラたちの乗る脱出艇とも合流した。その後、ドラゴニュート達が脱出艇に戻ると、姿の変わったドラゴニュートとAGE-FXを見て、アイラやノラル達が驚いていた。
アイラ「えっと…何があったんですか?」
ドラゴニュート「いや…俺に聞かれても進化したとしか…」
ラズ「一瞬女の子かと思ったわよ、でも、そんなドラゴニュートも好き」
ノラル「見た目が変わったとはいえ、無事でよかったわ」
ドラゴニュート「母さん…」
2101年1月17日、セカンドムーンから無事帰還したドラゴニュート達はセイバークルーザーへ帰還、AGE-FXはディーヴァに帰還し、仲間との再会を喜んだ。
ドラゴニュート「えっと…ただいま」
蒼乃「馬鹿ッ!!」
蒼乃は突然ドラゴニュートに平手打ちをした。ドラゴニュートが驚いて蒼乃の顔を見ると、その目には涙が溜まっていた。
流羽「お兄ちゃん!!」
続けて、流羽がドラゴニュートに抱き着き、ドラゴニュートの胸の中で号泣した。急に蒼乃や流羽の前から姿を消し、進化して姿を変え、挙句の果てにセカンドムーンにいたのだ、無理もないだろう。
蒼乃「どれだけ心配したと思ってるのよ! この馬鹿!!」
流羽「心配…したんだからぁ…! うわあぁぁぁん!!」
ドラゴニュート「ごめん…でも、これからはみんなと一緒だから…」
大河「そうだよ、姉さん、僕や兄さんもいるんだしさ」
そう言うと、奏真、ラズ、その部下3名が入って来た。すると、蒼乃はズカズカと奏真の方に向かって行くと、握り手で奏真の顔面をぶん殴った。かなりのフルパワーで殴った為、奏真は後方に吹っ飛び、壁に体をぶつけた。
奏真「お前なぁ…実の兄にそこまでするか?」
蒼乃「うっさい! アンタの顔なんか見たくもないわよ!!」
流羽「そうだよ! 一回は裏切った癖に!!」
奏真「おいおい…ドラゴニュートや大河と比べると、えらく歓迎されてないようだな…」
ドラゴニュート「姉ちゃん、流羽、兄ちゃんは俺達と共に戦ってくれるんだぜ?」
蒼乃「と、言われてもねぇ…」
奏真「俺の事が信用できなければ、ここで斬ればいい」
蒼乃「…分かったわよ、信用してあげるわ、でも、変な事をしたら…?」
奏真「承知している」
大河「これで一件落着だね」
レイラ「めでたしめでたし、ね」
ノラル「ドラゴニュートったら、こんないい家族を持って…幸せね」
ドラゴニュート「母さん…これからは母さんも俺達の家族だよ」
ノラル「え…? でも…」
蒼乃「ドラゴニュートの本当のお母さんなら、家族でもいいんじゃないですか?」
奏真「俺は賛成だ」
流羽「私もさんせーい!」
大河「僕も賛成だよ、ノラルさん」
ノラル「ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいわ」
ドラゴニュート達が仲間との再会を楽しんでいる間、クロストライアル艦隊はセカンドムーンの宙域を離れ、無事に地球圏まで帰還していた。その頃、セカンドムーン宙域近くまで移動してきた。イフィニアドの要塞、インペリアルフォートレス内では、シャドームーンが抜けて3人になった四天王が会議をしていた。ここに来て幹部である奏真とラズが裏切り、更にドラゴニュートとAGE-3が進化してヴェイガンの首領であるレギルスを追い払ったのだ。つまり、クロストライアルは今やイフィニアドに匹敵する戦力を持っている。もはや量産型の機動兵器や洗脳した怪獣、部下の怪人やMS族などでは相手にならなくなっているのである。
ルシファー「今やクロストライアルは我々を凌ぐ力を持っている可能性がある、このままでは危険だ、早く手を打たねば」
ベリアル「ヘッ! お前が皇帝の言う事ばかり聞いているからだろ」
ダークシャドウ「だからさっさと潰せばいいものを…イフィニアドは兵力の無駄遣いがお好きなようで…」
ルシファー「貴様ら! 皇帝陛下とイフィニアドの侮辱は許さんぞ!!」
ダークシャドウ「お? やるか?」
ベリアル「面白そうじゃねえか、俺も混ぜやがれ」
ルシファー「…まあいい、実は、抜けたシャドームーンの後釜が今回、新たな四天王になるのだ」
ベリアル「後釜?」
ダークシャドウ「一体誰だ、雑魚じゃねえだろうな」
その時、ダークシャドウ目掛けて黒い稲妻が一直線に飛んできた。ダークシャドウはその攻撃を間一髪回避し、黒い稲妻の飛んできた方を見ると、そこには黒髪のドラゴニュートがいた。そのドラゴニュートの見た目は進化前のドラゴニュートに似ているが、髪が黒く、着ているコートが黒い、瞳が赤いと言う、まさに悪のドラゴニュートと言った見た目であった。
???「俺の事を雑魚と言ったのはお前か? どうやら死にたいらしいな」
ダークシャドウ「てめえ…この俺様に攻撃を仕掛けてくるとはな…」
ルシファー「紹介しよう、彼が新たな四天王、ダークドラゴニュートだ」
ダークシャドウ「ダークドラゴニュート? ダークカイトのパチモンみたいな奴だな」
ダークドラゴニュート「貴様…どうやら本当に死にたいらしいな…」
ルシファー「ダークドラゴニュートはドラゴニュートの遺伝子から誕生したドラゴニュートのクローンだ」
ベリアル「おいおい、それって強いのか?」
ルシファー「もちろんだ、その強さはオリジナルの3倍、今の進化したドラゴニュートにも余裕で勝てるだろう」
ダークドラゴニュート「そう言う事だ、分かったか?」
ダークシャドウ(くっ…気に入らねえ奴が増えやがって…)
一方、クロストライアル総司令のシンヤ・アマギリは、ロストロウラン戦線から現在までの出来事を蒼乃の口から伝えられた。犠牲は出たもののロストロウランでの戦いに勝利し、ヴェイガンに攫われたAGE-3達を救出し、現在は無事に地球へと帰還していると伝えると、シンヤ司令からは労いの言葉がかけられた。
シンヤ司令「それは大変だったね、蒼乃くん」
蒼乃「そうですね、ところで、地球の方は?」
シンヤ司令「ああ、地球上にいたイフィニアド及びヴェイガンはグレイシア隊率いる地球統合軍の活躍でほぼ鎮圧されたよ、世界は少しずつ平和に近づいて行ってるさ」
蒼乃「それは良かったです、ところで、セカンドムーンで生活をした隊員数名がこんな事を言ってまして…」
シンヤ司令「何だい? 何でも言ってみなよ」
蒼乃はAGE-FXやドラゴニュートがヴェイガンと和平交渉したいと言っている事を伝えた。セカンドムーンでヴェイガンの真実を見せられた彼らにとって、もはやヴェイガンは普通の人間と同じであった。だが、現実はそう甘くはなく、シンヤ司令によると和平交渉は難しいと伝えられた。
蒼乃「やはりそうですよね…」
シンヤ司令「当たり前田のクラッカーだよ、今まで、それも僕が生まれるずっと前から戦争している相手に対して、今更戦争やめましょうなんて言っても無理だよ」
蒼乃「私達もそう伝えているのですが…他の隊員の言う事を全く聞き入れないのです」
シンヤ司令「まあまあ、無理に聞き入れさせなくていいから、彼らには彼らなりの考えがあるんだろうしさ」
蒼乃「そうですね、では、地球に戻ってから色々とお話しさせて頂きます、それでは」
シンヤ司令「分かったよ、じゃあね~!」
そう言って、通信は終了した。通信終了後、蒼乃は考えていた。本当にヴェイガンとの和平交渉は可能なのか? 地球に住む人々を殺し、街を火の海にした彼らと、イフィニアドと結託し、人々を殺戮した彼らと、セカンドムーンで生活したドラゴニュート達には感じ、自分達には分からない感情、蒼乃はその事で頭がいっぱいになっていた。
一方のドラゴニュートは、久々にセイバークルーザー隊の仲間達と会話し、絆を深めていた。久々に出会ったら姿が変わっていたドラゴニュートに対し、仲間達は驚きを隠せないと同時に、ドラゴニュートの新たな姿に興味津々であった。
ヴィオレッティ「ドラゴニュート、あんた本当に女みたいになったわね」
ドラゴニュート「ああ、ついでに声も女みたいになったよ」
レイラ「こうして見ると、結構かわいいかも」
イオナ「ドラゴニュートさん、またメイド服着ます?」
ドラゴニュート「勘弁してくれよ…」
アイラ「今ならあの時より似合うと思うんですけど」
ファヴール「マスター、また着てください」
ドラゴニュート「アイラとファヴールまで…」
カイト「ところでドラゴニュート、ブラックヴィエルジュはどうだ?」
ドラゴニュート「ああ、あれね、ヴィエルジュと同じ感じで使ってるよ」
イオナ「どっちの手に装備してるんですか?」
ドラゴニュート「右手にヴィエルジュ、左手にブラックヴィエルジュを装備してるよ」
ダークカイト「カイトがアルスマ界で出会った黒の剣士みたいだな」
Gセイバー「ところで、ブラックヴィエルジュって、ヴィエルジュとどう違うんだい?」
ドラゴニュート「う~ん…使ってみた感じ、あまり変わりはなかったな…」
蒼乃「アリスさんが言うには、後に作られたブラックヴィエルジュの方が少し丈夫なだけらしいわよ」
デスティニー「蒼乃さん! 報告はもう終わったんですか?」
蒼乃「ええ、終わったわ、後は地球に帰還するだけよ」
ネクサス「地球に帰ってもイフィニアドやヴェイガンとの戦いは続くのか…」
蒼乃「そうね、でも、もうすぐこの戦いは終わるはずよ」
ドラゴニュート「そうだな、よし! 戦いを終わらせる為に頑張るぞ!!」
その時、艦内にオペレーターである穂乃果から通信が流れた。その声から察するに想定外の出来事が起きたのか、焦っているようであった。
穂乃果「蒼乃さん! 大変です!!」
蒼乃「どうしたの!?」
穂乃果「地球の北太平洋に、突如巨大要塞が現れました!!」
蒼乃「何ですって!?」
穂乃果が艦内のモニターに北太平洋の様子を映すと、北太平洋の上空に500kmはあるであろう巨大要塞が現れていた。その巨大要塞の内部からは、多数の戦艦が出撃し、地球全土に侵攻を開始していた。
ラズ「あれは、イフィニアドの本拠地である超巨大要塞インペリアルフォートレスよ」
カイト「じゃあ、あれを破壊すればイフィニアドとの戦いも終わるって訳だ」
ラズ「でも、あの中には居住区があって、イフィニアドの一般市民も大勢いるわ」
カイト「え? それじゃあむやみに攻撃できないじゃないか!!」
ドラゴニュート「だったら、突入して指揮官を倒すしかないな」
蒼乃「どっちにせよ、今から大気圏に突入するから、どうするかは地球に降りてから考えましょう」
ネクサス「そうですね」
イオナ「もうすぐイフィニアドとの決戦なんですね…」
レイラ「この戦い、必ず勝つ…!」
ドラゴニュート「そして、誰も傷つかない世界を作るんだ!!」
誰も傷つかない世界を作る…その為にイフィニアドとの決戦に挑む…果たして、この戦いの行く末は…?
最終更新:2025年03月07日 13:19