時は新世紀!


2086年、世界を荒廃に導いた巨大災害のあと、ようやく世界も、生き延びた人たちによる再生を見せ始めていた。
人々は荒野の中から集い、世界各地に新たな都市を再建させていった。
世界のすべて、とはいかないまでも、その都市のなかでは往年の近代文明を甦らせつつあったのだ。


そしてこの物語の舞台も、そういった都市の中の一つ。




そこは、過去に日本の首都があった場所に起こった、新しい都市国家、トーキョー。
太陽の昇る光の時間こそ、人々が平和に暮らす街だが、一度その光が沈み夜を迎えたとき、その街は豹変する!

それは、『超人』と呼ばれる者達の戦場!!
超常の力、霊能、そして科学、化学(ばけがく)、あらゆる分野の先端、最も尖った能力を持つ者達が、その欲望を満たすべく力を振るう無法地帯と化すのだ。
金を奪うもの、女を犯すもの、人を殺すもの、そしてそれらの無法を狩るものたち。
今宵もこの街で、それぞれの獲物を狙い、闇の時間の戦士達が戦いを繰り広げる。


そしてこの日、『あの男』が初めて、この地に降り立った。
この街を大きく揺さぶるその男は、煌々と輝く満月と共に現れたのだ。





「きゃあああああああああああっっっ!!」

今宵もまた街に響く、絹を裂くような女の悲鳴。

「げへへへ、ワシらの『ヒュドラチンポ』の威力をくらえ〜い!」

何とも奇怪な地獄絵図。
その蛇のような痩せぎすの男、体中に彩られた蛇の入れ墨、そして股間から何本も生える男性器。
まるで生きた蛇のようにくねくねと動くそのペニスは当然、常人のものではない。
そんな異常な男が、5人も、10人も、有象無象に集まった。
そう、この男たちも、この街に潜む闇の超人。
彼らは、そのバイオテクノロジーで増殖させた自分のペニスを蛇のように操り、女を犯すのだ。

まるで、カウボーイの放ったロープのように、一人の男の長く伸びたペニスの一本が、生け贄の女を捉えた。
不注意にも夜の街に出た、哀れな少女である。

「や、やめてぇ! たすけてぇ!!」

少女の哀願に、男の股間の蛇がうねって喜びを表す。怯えた女の表情、そして絶望が、男にとっては何よりも興奮の材料となる。

「ば、ばけものーーっ!」
「ぎひひひ、なんとでも言うがええわい、これからおまえさんはその『バケモノ』に犯されるんじゃからなぁ!」

少女を絡めていた一本のペニスを伝って、次々と新しいペニス達が女にまとわりついていく。他の男達の触手も、女に向かってわらわらと群がっていく。
そして、触手のように動くそのペニスが、いよいよ少女の操に牙をかけんとするその時。





「「まちなさいっ!!」」



声が響いた!

「だ、だれだっ!」

触手の動きを一時控え、男たちは狼狽えて辺りを見渡す。そしてしばらくきょろきょろと左右を見渡し、ようやくその声が頭上から響いてくることに気がついた。

「か弱い乙女を犯す、醜い男どもよ!」
「その破廉恥も今宵限りと、思い知りなさい!!」

無数の蛇のようなチンポを持つ男、まぁめんどくさいので以後『蛇男』と略す、彼らが見上げたビルの上には、二人の人影。その声音が示すとおり、その二人は女だった。
それも、まだ十代前半の、美少女二人。

「黒の拳に正義の心、流れる髪も艶やかに!」

陽に焼けた小麦の肌、そして黒のドレスはタイトなチャイナドレス。そして両の拳に装着された、黒い皮のグローブ。
さらさらと揺れる髪は、月の光を受けて輝く黒い髪。びゅ、びゅうと振るう拳が空を裂く!

「悪の臓腑をこの手でえぐる、戦乙女、ブラックキューレ!!」

その少女、まだ年端もいかぬローティーンの女が名乗り、笑顔を浮かべた。にやりと、好戦的に。
続いて、もう一人の女。

「白の踵に正義の祈り、揺れるドレスもしなやかに!」

くるりと上品に、バレエのように身を翻したその少女もまた、年若き乙女。真っ白なゴスロリドレスに身を包んだ銀髪の少女。
軽やかに、高く足を掲げそして、ひゅんと鋭く振り下ろす!

「悪を弔う乙女の鉄槌、戦乙女、ホワイトキューレ!!」

強い懲悪のまなざしで、眼下の男を見据えるこの少女。清楚な乙女が、静かな怒りに燃えている。

この二人の少女は、それぞれの名乗りに継いで、それぞれの拳と踵を鋭く重ね、強く、高らかに宣告した。


「「わたし達『ダブルワルキューレ』は、その醜悪な淫行に武力介入するッ!!」」




「え、ええい、しゃらくせい、やっちまえ!」

蛇男の一人が、仲間に向かってそんな檄を飛ばした。
しかし、そんな三下のセリフを発した時点で、どうにも勝負が決まっているらしかった。

とう、と勇ましい掛け声と共に、10階建てほどのビルから飛び降りた少女、ブラックキューレは、落下の途中でくるりと身を反転、
勢いを加えた拳をかざし、敵にダイブする。ぐしゃり、と蛇男の頭蓋が砕け、四散した。

「まずは一丁ォ!」

すたんと着地の身のこなし、その動きを止めることなく、次々と男達に踏み込み、拳をたたき込む。



対してもう一人、ホワイトキューレは、ビルの屋上を舞台に見立ててドレスの端をつまみ、優雅に一礼。そしてふらりと、踊るように舞い降りた。
風を受けてまくれあがるスカート、しかしそれは腰の高さで花のように開く。
ちょうど、チュチュを纏ったバレリーナを思わせる華やかさで、しかし不意に、つま先を軸にした凄まじい螺旋の回転。
彼女が着地したところにいた蛇男は、無惨にも細かな挽肉になって圧殺された。

「ごめんあそばせ」

いかな超常、はたまた科学の力か。
恐ろしい屠殺力を以て次々と敵を屠っていく二人の戦乙女には、ほんの一滴の返り血をも寄せ付けぬ力場があった。
その力場こそが、二人を『超人』たらしめる、ミステリアスパワー!
強力な英霊『ワルキューレ』を降霊し、その超常の力を宿した超戦士、それが彼女たちなのだ。

「ふざけやがってぇえええっ!!」

優雅に着地、そして風圧で乱れたドレスの皺をさらさらと手直しするホワイトキューレに、蛇男達の反撃が集中した。
彼女を取り囲む数人の股間から伸びたペニス蛇が、鋭い勢いで少女に襲いかかる。

「四方からこれだけの数の蛇槍だ、逃げられはせんぞォ〜!!」

右から左から、前から後ろから、そして天から地から、僅かの隙無く鋭い槍。どう考えても避けられる密度ではない。
しかし、少女は身繕い、身なりを整えると、それきり動くのをやめてしまった。

「別に、逃げませんわ、これしき」

ホワイトはただそれだけ言って、微塵も動く気配がない。

「げはは、しねェエエイ!!」

蛇男の叫びと共に、ホワイトの身体に次々と槍が突入していく。ぶしゅう、と大量の血しぶきがあがった。



読者諸君、一つ訂正しよう。

ホワイトキューレは微塵も動かなかったのではない。
ただ、その両目を閉じたのだ。


「ぎゃあああああああああああっっ!!!」

蛇男達が、苦痛の悲鳴を上げた。
ホワイトを襲った自らの身体の一部、生殖器が、血しぶきをあげて砕けているのだ!!

「その、汚らしいものを、わたしに見せないでくださいます?」

彼女たちワルキューレの加護を得た少女には、その清らかな身体を守る力場(フィールドバリア)が存在する。
身体表面から、身につけた衣服から、周囲数センチの空間を絶対不可侵の空間に変えて、乙女を守る鎧としているのだ。
故に、むやみやたらに叩き付けられる触手など、少女の肌に、衣服に触れることなく爆裂する。
彼女が目を瞑った理由。
絶対障壁の力に自信のあるホワイトキューレは、おぞましい男性器が目の前で弾けるのを、見たくなかっただけなのだ。

そして、それから僅かに数分。

何十人もいた蛇男に満足な反撃のいとまを与えることもなく、この戦いは少女達の圧勝に終わった。







「あー、あんまり楽勝すぎて、つまんないよ〜」

戦いを終えた黒の少女、ブラックキューレが、先ほどまでの冷酷な勇ましさからは想像もつかない、年相応の少女の声で言った。

「もう、ブラックったら。これは遊びじゃないのよ?」

白の少女、ホワイトキューレが、さらさらとスカートに掌をあてがい、乱れを直していく。いかに不浄を寄せ付けぬ力場とはいえ、激しい動きに、
少々の着衣の乱れは起こり得る。
そんなたしなみの片手間に、ホワイトはブラックを軽く窘める。穏やかな口調ではあるが、相棒の不真面目さを諫める棘は、確かに忍ばせていた。

「そりゃそうなんだけどさー」

少々腐りながらの、ブラック。ホワイトはやれやれと溜め息を吐き、パトロールを続けましょう、と相方を促す。
へーへーと、ホワイトの生真面目さにうんざりと答えつつ、ブラックは最後の愚痴をこぼした。

「どこかに、もっと強いヤツはいないかなぁー?」





読者諸君!
忘れてはいまいか?
疑ってはいまいか?


この物語は、正義の少女が活躍する、勧善懲悪の冒険譚ではない!






「強いヤツなら、ここにいるぜ!!」



輝く月の光が、ビルの谷間に光を運ぶ。
太陽の光届かぬ夜の闇であっても、その月明かりが男を照らす。
男の、自信に満ちあふれた声が、二人の少女の耳朶にはっきりと届いた。

2m近くはあろう長躯に、不敵な表情。
年の頃は、三十路手前の青年といったところだろうか。
がっしりとした体躯、隙無く鍛え上げられた筋肉。
ゆったりとした着流し、着物越しにでもその肉体の精悍さは伺える。

って、着物!?

なんとその男、時代錯誤にも程がある着物姿である。
二本差しを左に添えた、時代劇の侍がそこにいたのだ。


唐突な、場違いの空気を漂わせながら、その男は二人の少女に向かってゆっくりと歩いていく。
その距離はおおよそ300m。



少女二人組のうちの一人、ホワイトは、油断を捨てた。広範囲にわたる彼女の知覚力の中にいるこの男、異様な存在感を漂わせているにも
かかわらず、先ほどまでは少しも気付くことがなかった。暗殺者の力か、ステルス科学の性能か?

「いつからそこに?」

ホワイトが、その疑問を確かめる問いかけ。対して男は、口に手を当てて欠伸を噛み殺し、さっきからそこに寝てたのさ、そう嘯(うそぶ)いた。

「ぷ、なにそのキモノ、コスプレ?」

対照的な二人の片割れ、ホワイトがさらに警戒感を高めたのに対し、もう片割れのブラックは緊張感を失っていた。自分のチャイナドレスをさておいて、
男の奇妙な侍装束に思わず吹き出したのだ。

「ブラック!」

白の少女は鋭く、相棒の油断を窘めた。しかし、黒はそれに掌を、ひらひらと振って払って受け流す。

「あー、アンタ、強いの?」

ブラックが少女の声で、少し離れた男に対しての、挑発。300mの距離を、ゆっくりと、1m、2m、3mと歩いて近づきながら、その男が右手で顎の下を
撫でる。ざらざらと無精髭のざらつく音を少女達の超聴覚が、拾いたくも無かろうが有無を言わさず聞きつけてしまう。
少女の問いに、男はすぐには答えず、4m、5mと歩を進めてから、

「強いね、格段に」

そう、答えた。

こき、とブラックは指を鳴らした。
上等じゃん、やってやるよ、と、挑発に挑発で返されたブラックは短慮に足を進めようとしたが、冷静な相棒、ホワイトがその二の腕を掴んで引き留めた。

「わたし達は、無用な戦いを行いません。あなたが犯罪行為を行わないというのであれば、無益な血を流さないで済むはずなのです」

黒を押さえ、白が謎の男に告げる。男からただならぬものを感じ取っていた彼女は、出来ればこの場は立ち去りたい、と考えていた。
しかし男は、そんな少女の思惑など軽く一蹴するように答える。

「俺は強姦魔だ。いまからお前らを犯すぜ?」

ふてぶてしく答えたこの男。
白の少女は、覚悟を決めた。ただの力自慢、威力行使に付き合ってやるつもりはまるでないが、それが犯罪行為ならば全力で粛正するのが彼女らのつとめ。

「わかりました、粛正を開始します」

肝の据わったホワイトの腕を、黒が振り払った。

「よーし、わたしをがっかりさせんなよーッ?」

油断ゆえに散漫になっていた力場を鋭利に研ぎ澄ませて、ブラックが駆けだした。たん、と軽妙に、しかし弾丸の早さであっという間に一歩、50mの距離を詰める。

「武器はその、腰に下げた刀だよね?」

ブラックが指摘するとおり、男は二本差しである。黒い鞘の大小を左の腰に下げ、悠然とまた一歩、二歩と歩みをやめない。
しかし、歩みながらもその男は、少女に聞かれた問いに僅か眉をひそめて困惑した。

「いやぁ、実はこれ、『竹光(たけみつ)』なんだわ」

僅かに申し訳なさそうな言い訳、金がなくなったんで、うっぱらっちまったんだ、と付け加えた。

「だが、武器はあるぜ?」



ならばその肉体、拳と蹴りが武器か、とブラックは、男の言葉とその形(なり)から当然の分析をする。そしてもう一歩、二歩と100mを詰めた。
しかし、その男は猛進する少女に怯むことなく、悠々と歩む。
そして男は、先ほどの言葉につなげるべく、着ていた羽織を素早く、大振りに風をはらませて脱ぎ去った。

「漢(おとこ)の武器はといやぁ、これしかねえだろっ!!」

「なっ!!」

猛速度で詰め寄る少女との間合いは50mを切った。その瞬間、少女が精神的衝撃を受ける。
羽織を脱ぎ捨てた男は続いて、帯を解いて着物の前をはだけたのだ!!

ばきん、

強く、激しく、肉を打つ音がした。
しかしそれは少女の拳が男に炸裂した音ではない。まだ距離がある。
故にその逆、男の拳が少女を襲った音でもない。


男の巨大な男根が、勃起した音だ!


着物をはだけたときはだらりとぶら下がっていた逸物が、瞬時に勃起し、男の腹筋を強く打ち据えた音なのだ!!
さながら、拳銃の撃鉄を起こした際の、危険な緊張感を伴う音を思わせる。

「この変質者めーーーーーっっ!!!」

少女が叫ぶ。
まぁたしかに、端から見ればその通りなのだが。

そして最後のステップ、相手の懐に潜り込むための瞬発を行った。



少女よ。
いまだに未通の、乙女である少女よ。

君は後悔すべきだ。

男を知らぬが故、『本物の漢(おとこ)』を目の前にしたときの畏怖を知らなかったことに!



ずどん!

男の死角を突き、懐に潜り込もうとした彼女を、今度は強い物理的衝撃が襲った。
男の掌底だ。
懐に潜り込んだ黒の少女が拳を振るう前に、逆に少女の死角から男の掌が飛んできた。
完全に、誘われた形である。

そのごつごつとした硬い掌が、ブラックキューレの絶対不可侵領域に押しつけられる。しかし、先ほどの蛇男の触手のように自ら砕けたりしない。
男は、少女の質量を絶対不可侵領域ごと押し返し、ブラックキューレに衝撃を与えたのだ。



「ぐっ!」

少女は呻き、そして堪(こら)えた。
そして歯を食いしばり、力場を研ぎ澄ませ、男の掌を蝕もうと踏ん張った。

みしり、

少女の鼓膜に伝わる、自分の身体が軋む音。

(圧(お)されてる、わたしの力が!?)

少女は、今にも決壊するダムを一人で支えているような、絶望を瞬時味わった。

「ブラック!!」

鋭い声!
その声に少女が捕らわれかけた絶望が散った。
同時に、少女を圧していた男の腕が、乱入したもう一人の少女によって蹴り落とされた。

ブラックの僅か後ろを追って男に迫ったホワイトが、本来ブラックとの2連撃を加えるために繰り出そうとした足技を、ブラックの窮地を救うために使ったのだ。

瞬時に、ブラックとホワイトは飛び、後退った。

「ブラック、気を引き締めて!」
「ごめん、わかったよ!」

ホワイトは、先ほどの蛇男との戦いではついも見せたことのない真剣さで、ブラックに檄を飛ばす。ブラックも、先ほどまでの慢心はすべて捨てた。






「あなた、何者ですか?」

戦闘態勢を整えた二人の少女。しかし男は自然体だ。だがもちろん、隙はない。
ホワイトが、謎の男に誰何(すいか)する。実に今更な話だが、拳と拳、そして蹴りを一合させた双方が、今だ名乗っていない。

「わたしは、戦乙女ホワイトキューレ」
「わたしはブラックキューレだ!」

「俺は・・・」

男が口を開く。しかし、そのまま僅かの間。

「名乗れっていってんだろ!」

焦れたブラックが、男を急かす。

「名前はない。というか、覚えてねえ!」

男の回答に、二人はいぶかしむ。



「俺は二年ほど前に目覚めたんだが、それ以前のことは覚えてねえんだ」

彼の答えは、何とも奇妙なものだった。しかし二人の少女は、その内容がすべて出鱈目だとは、なぜか思えなかった。

「流氷の中から発見されたらしい俺は、そこで眠る前のことは覚えていない。しかし、俺がなぜ目覚めたかは分かっている」

「どういう意味?」

ホワイトには、男の言葉には理解しかねることが多すぎた。しかしそれをすべて一蹴できない何かがある。だから聞いた、その理由とやらを。

「目覚めた俺の頭の奥、言ってみれば本能のようなものが、強く語りかけるのさ」

男は、そして強く、言葉を発した。



「『女を孕ませろ』とな!」



「「・・・・・・・・・・・・」」

がっくり、とホワイトとブラックは脱力した。

「それってぇ、普通に変態じゃん」
「真面目に聞いて損した・・・」

しかし男は、少女達のその反応があまり気に入らなかったらしい。


「俺は大真面目だッ!!」


男の怒声に、二人は再び緊張する。

「俺はこれまで、下衆な男はぶちのめし、気に入った女は例外なく孕ませてきた。
 その中で産まれた子供たちは、まだガキだってえのに、母親に生きる力を与え、周囲に希望をもたらす不思議な力を持っていた。
 そして分かったんだ。いい女を孕ませて、この世界に俺の子孫を多く残すことこそが、俺の使命なのだと!!」

なんという妄言。

「俺の名前を聞いたんだったな?

 確かに、さっき言ったとおり、俺に名前はない、覚えていない。
 だが、俺に孕まされた女達は、みんな感謝して、俺のことをこう呼ぶのさ。

 天下無双の『孕ませ侍(はらませざむらい)』と!!」




読者諸君、ちゃんとついてきてくれているだろうか?






ホワイトが、男の言葉の整理に困って、当面の問題点を解決させようと再度質問する。

「えーと、結局、あなたのことはなんて呼べばいいの?」



「孕ませ侍!!」

この男、ずいぶんとその『通り名』を気に入っているようである。



「もう、いいです・・・」

らちがあかない、とホワイトは、もうこの件に関する追求をやめた。賢明である。

「ウダウダいってても仕方がないってば!」

黒が、白に再びの臨戦を促した。確かに、もうこの場は戦わずして収まるものではない、とホワイトも理解している。
故に、彼女はもう一度、相手の戦闘能力を解析しようとつとめた。

(最大の謎は、わたし達の『力場』が通用しなかったこと・・・)

先ほど蛇男の身体を粉砕したのは、少女達の技の威力もさることながら、『力場』の恩恵無くしては成し得ない。
英雄霊『ワルキューレ』を降霊した少女は、その操を守るために『力場』のコーティングを行う。
その力場はいわば、少女の体を覆う異次元空間のようなものであり、その空間への進入は消滅と同義である。
故に、その異空間は少女が認めたもの・・・身体や手に触れる敵意無き物質、そして足が踏ん張る大地など・・・以外、触れることさえ叶わないのだ。

しかし先ほどのこの男の攻撃は、ブラックの身体を異空間ごと押し返すような、強烈な敵意と接触を行っている。
彼女たちの力の本質を踏まえれば、あり得ない話である。

それでもその男とこうして敵対する以上、その謎を解明し、攻略せねばならない。しかしその要因を計るためには、とにかく情報が足りないようだ。

(とにかく慎重に、些細な情報も逃さないように!!)

ホワイトはブラックに、目配せを行い、ブラックもまた決意を込めて頷いた。



「それじゃ、いくよッ!!」

ブラックはそう宣言し、はッ、と意気を込めて踏み込んだ。
彼女の技は主に拳、そして肘がほとんど。あえて蹴りは行わず、腰と足は拳の安定と威力向上、そして機動性確保のために専念する。
ともすればワンパターンになりがちなスタイルではあるが、それでも彼女、ブラックキューレは抜群のセンスを以てそれを補い、変幻自在の攻撃をする。

「やッ!!」

何度目かのジャブ、そしてフェイントを織り交ぜたコンビネーションで猛烈に攻めるブラックに対して、男は必然防御に回っていた。
少女の拳をいなし、受け、そして大振りの一撃を繰り出しては彼女を後退させる。
一見、スピードではブラックに分があるように思える。

なにやら含んだ言葉で申し訳ないが、一見、とは、その二人のやりとりを冷静に分析していたホワイトが感じた、一抹の不安のことである。

(これは、力を押さえている・・・?)




ホワイトは、男の筋肉の動き、視線、呼吸を分析したが、何よりもその表情に、男が力を加減しているのでは、と思わせる、独特の笑みがあった。

(これは、慢心の笑みか? わたし達の能力を見切った、強者の哀れみか?)

ホワイトは男の笑みに、不安を感じ、怒りを感じ、それらを闘志に変えた。


さて、では男の笑みの真意とは?
その笑みの真実を、読者諸君にだけ、打ち明けよう!!


(うーむ、健康的な日焼けの肌といい、勝ち気そうな表情といい、いいオンナだぜ! あー、はやくヤリてえな!!)



そうだ! スケベ笑いだ!!



目の前に可愛い女の子がいて、これからその身体を抱けるともなれば、思わずニヤけてしまう。
実力差がどうこうよりも、男としての本能にのみ突き動かされる彼としては、当然の反応である。
これは読者諸兄も賛同いただける反応ではあるまいか?


しかし、かつて一度も男の欲望に牙を立てられたことのない乙女である彼女たちには、よもや戦闘中に性欲の勝った笑いが浮かべられるなどとは、
どうして想像できようか。

(もう、そんな余裕の笑みは浮かべられないようにしてやる!!)

そしてようやく、ホワイトが参戦する。
彼女の主体は蹴り技。威力はあるものの、技の最中の機動性に難がある。
しかし彼女は、ブラックの攻撃とのコンビネーションを利用して、効果的にその威力を振るう。そしてしなやかに宙を舞い、男に的確な攻撃を行っていく。
ブラックの猛攻に、ホワイトの奇襲。さすがにそれを同時に相手にするには、男も分が悪いと感じたのか、初めて大きく飛び退いて、二人から距離を取った。

「ようし、そろそろ体も温まったことだし、キメるとするか!!」

そういうと男は、羽織っていた着物を脱ぎ捨てた。もとより下着、褌の類を着けていなかった彼は、これで完全な全裸となった。
股間には、先ほどから少しも萎えることのない巨根がそびえている。

「ああっ、もう! アンタは露出狂かッ!!」

ブラックが、僅かに目のやり場に困ってそう男を詰る。
戦乙女とはいえ、年頃の少女である。男性器をまじまじと見つめることが出来るような心の強かさはまだ育ってはいない。

対して、ホワイトは舌打ちした。戦いの気勢、自分たちの流れを強引に断ち切られた。本来ならばそれを逃がすようなことはしない二人だったが、
迂闊に攻めきれない不気味さを感じてしまっている。



「よし、それじゃあ倒すぜ。そして二人とも、たっぷり犯して、孕ませてやるぜ!!」

そう言って、男は爽快に笑った。
虫歯一つ無い健康な歯が、きらりと光る。
この段階でようやくホワイトは、先ほどの笑みの真実を知った。

(この男、バカだ!!)

バカで、スケベで、だが強い。
その男が初めて、本気になった。
ホワイトはそれを感じて、戦慄した。

「ちいとばかし痛いが、我慢しろよ!?」


そして男は、初めて構えを取った。
腰を沈め、拳を引き、呼吸を整える。

間違いなく、正拳突き。

そんな見え見えの構えに、ブラックはやや拍子抜けするが、ホワイトはますます危機感を高めた。

「そんなパンチ、あたるかっての!!」
「ブラック! 油断しないで!!」

ホワイトは相棒を諫めたが、すでに手遅れだった。

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」

男の、気合い。

突然の咆吼に、瞬間、ブラックの身体がびくり、と反応し、僅かな萎縮。
そして男は、拳を繰り出した。

「はぁあッ!!!」

まさに、神速とも言える拳速。
それが、僅かに間合いはずれの距離から襲いかかる。
ブラックは萎縮から身体の反応が遅れ、自分の正面から襲いかかる拳を直面直視するハメになった。

(な! なに? 拳が、大きくなって!?)

せいぜい十数センチの男の拳が、彼女には1メートルほどに巨大となって見えた。

ドゴオオオオオオオオオオッッッッッ!!!
「ぎゃっ!!!」

そんな驚きも僅か瞬間に、少女の身体は男の拳にはねとばされた。

「ブラック!!」

人の身体がこれほど高く跳ね飛ぶものか、と感心するくらいに、ブラックは後方に吹き飛び、ビルの壁をぶち破ってようやく静止した。
相棒に繰り出された攻撃にホワイトは驚愕したが、次はその拳が自分を狙っていることに気付いて、回避の反射に移った、・・・のだが。



(えっ!? か、からだが?!)

身体が動かない、そのことに気がついたときは、男はすでに第2撃を自分に向けて放とうとしていた。
一度見た単純な技、逃げる気がなくても逃げることが出来るようなものだが、今のホワイトは、自分の身体が動かない異変に戸惑っていた。

(どうして? どうしてわたしが、あんなおちんちんまるだしの変態男に?!)

屈辱に歯がみする彼女。
そして繰り出される男の正拳。それをホワイトは、ブラックと同じように、巨大な拳と認識した。

(これは、拳に圧された空気が圧縮されて、レンズ状の歪みが生じて拳を大きく見せているの?)

そんな彼女の分析は正しい。
しかしそれ以前に、彼女が男に気圧されていた、その事実が大きな原因であることを、高潔な彼女は認められずにいた。




真っ直ぐに、相棒と同じビルまで吹き飛ばされて、ホワイトは力尽きた。
ゆっくりと近づいてくる男。
いよいよこれから自分は犯されてしまうのか、そんな絶望を感じ、僅かに残っていた意識を途絶えさせようとしたとき。
ホワイトの耳に聞き慣れた声が響いてきた。

「「「おまちなさい!!!」」」

その声は、遙か高いビルの頂点から発せられた。

「この、露出狂の変質者め!」
「どんな手を使ったかは知らないけど、よくも二人をやってくれたわね?!」
「わたし達が来たからには、もうオマエの思い通りにはさせないッ!!」

三人の少女。はて、どこかで見たような。

「赤の刃に正義の誓い、振り抜く聖剣勇ましく!
 悪の脳天叩き割る、戦乙女、レッドキューレ!!」

「青の弾丸正義の怒り、狙う標的揺るぎなく!!
 悪の心臓違わず射抜く、戦乙女、ブルーキューレ!!」

「緑の槍に正義の裁き、貫く突進まっすぐに!
 悪の企み砕いて壊す、戦乙女、グリーンキューレ!!」

そうやって名乗りを上げた三人の少女。
先ほどビルに叩き付けられた、二人の少女の仲間のようである。

「ブラック、ホワイト、大丈夫!?」
「くそう、酷いことをっ!!」
「二人をここまで・・・強い!」



三人は、それぞれに闘志を燃やし、謎の全裸男に立ち向かうべく、ビルの高みから飛び降りた。
赤いショートカット、気の強そうなセーラー服美少女、レッドキューレ。
青髪スク水の中性的な少女、ブルーキューレ。
栗色のお下げ髪、癒し系のメイド服少女、グリーンキューレ。
その三人が三人、先の白黒二人に劣らぬ美少女である。

「ほう、こりゃ、揃いも揃って良い女だ。楽しみだな!」

そんな3人の美少女達を見て、男はまた笑った。
例の『笑み』だ。

(だめ・・・みんなじゃ、かなわない・・・にげて!)

その笑みが意味するところを悟ったホワイトは、薄れゆく意識のなか、仲間たちの無事を祈った。





「・・・・・・う、ん・・・。っ!」

ぱち、ぱちという火の爆ぜる音が耳に入ってきた。
ホワイトキューレと名乗る少女は、身体あちこちの痛みで覚醒した。

「おう、気がついたか」

いったい、いかな状況なのか。
彼女の目の前では、自分たちを打ちのめした敵である侍が、なにやら焚き火をしている。こちらに背を向けてはいるが、あいかわらず全裸のようだ。
その焚き火には、先ほどから鼻孔をくすぐる、美味そうな食べ物の匂い。

あたりの状況を精査しようとして、再び身体の痛みに表情をしかめた。そして彼女、ホワイトキューレは、ようやく自分の身体に目をやることが出来た。
多少の乱れや痛みがあるものの、未だドレスを脱がされていないのだ。犯される、との覚悟も拍子抜け、しかもそれだけではない。

(これ・・・傷の手当てをしてくれてるの?!)

男の拳を受け、意識を途絶えさせていたあいだ。少女にとって隠された時間、自分の身体のいくつかの傷に、それを覆うような布切れが巻かれているのだ。

「あ、あなたが、傷の手当てを?」

ホワイトがそういうと、男、その侍は、少々ばつが悪そうに、手加減は苦手だからな、と言った。
そして、男が来るときに下げていたずだ袋の中から、あまり清潔とも言えぬ碗をとりだし、焚き火で煮立てられたボルシチをよそってから少女に突き出した。

「喰いな、体が温まる」

ずい、と突き出されたその碗を、ホワイトは受け取るのを躊躇した。
もちろんそれは毒などの悪意を警戒してのことだが、それでもやはり大きいものは、彼女のプライドである。
自分を負かしたものに対する意地が、その施しを拒んでいた。

しかし。

ぐーーーーーーーーーー〜っ、

身体は正直である。

「腹が空いてるんなら、無理しない方がいい」



男がさらに、ずいと碗を差しだし、ついにそのボルシチの香りが直接鼻孔に忍び込んだとき、彼女の心は折れた。
そして与えられた匙で一口そのスープを口に運んだとき、少女の舌に衝撃が走った。

(!! お、美味しい!!)

スープの熱が口内を焼き、じわりと舌に、喉に染みこむ芳醇な滋味。胃の中に流れ落ちたあとも、ぽかぽかと体を温め、滋養がダイレクトに
身体の隅々に送られていく。この荒んだ世界の中で、これほど大地の恵みを幸福に感じられる食べ物に出会ったのは、まさに初めてのことである。
先ほどまでの遠慮も警戒も、プライドも何もかもを投げ捨てて、少女はそのロシアのスープをすすった。
一気に、あおるように碗を傾け、汁の一滴まで舌ですくい取った彼女だが、さすがに碗を舐めてしまうことは思いとどまった。少女の中に残った、
最後のたしなみである。

「は、ふぅ・・・・・・」

そうして最後に、満足の吐息。

「美味かったか?」

今の自分の表情を見ればそのくらいはわかるだろう、そう思いつつも、答えることが施されたものの礼儀。
しかしそれでも、微かに残った意地が邪魔して、小さく無言で頷くだけに留まった。

あたたかな、気分。

ホワイトは、自分の腹が暖かく満たされたことで、心が穏やかになっていくのを感じていた。
自分たちの怪我を手当てし、こうして美味い食事を与え、具合を案じてくれるこの男。

実は、良い男なのではないか?
強姦魔との自称も、自分たちを闘いに焚き付けるための方便で、純粋に強さを求める武人なのではないか?


まぁたしかに、こうして目の前にいる男は、全裸であり、侍であり、変質者である。
しかしそういう奇矯な行為行動も、彼の本質を隠すための方便なのかもしれない。

それを確かめるには、やはり言葉だ。先の戦いの中の言葉は、あくまでも戦いの言葉でしかない。
今の言葉は、彼の本質の言葉になるのではないか?
そう信じたから、彼女は改めて、男に問いかけた。

「あなたは、どうしてわたしを助けてくれたのですか?」

男は、少女の問いに、さも当たり前のことを諭すように答えた。




読者諸君、賢明な君らならば、この少女の問いかけに、男がどう答えるのかも、薄々わかるのではなかろうか?



「決まってるだろ、オマエを犯すためだ」
「ええーーーーーーーーーーーーっっ!?」



はい、ご明察。

(バカだった! 信じたわたしがバカだった!!!)

ホワイトキューレは、自分が愚かだということを悟った。
自分が置かれた状況は、先ほどの戦いに打ちのめされたときから何ら変わってはいないのだ。



そしてその段になって、相棒のブラックや、仲間の3人達がどうなったのかを危惧する余裕が出来てきた。

きょろ、きょろと辺りを見回すホワイトキューレ。ようやく、焚き火の明かりがほのかに照らす人影を4つ、見かけた。
それは、先ほどまでの自分と同じように、気を失っている仲間達だった。

チャイナドレスのいたる所に裂け目を作り、あちこちに傷を負っている様子ながらも、それでも大事な部分には的確な手当を施してある。
ブラック以外の少女達も同じように、ホワイトが施されたような手当のあと。

ホワイトは、男の目的が自分たちの操であることを仲間達に一刻も早く知らせようとしたのだが。

「・・・・・・う、ん・・・。っ!」

そんな呻き声と共に、ブラックが目覚めた。
声を上げて自分に気付かせようとしたホワイトだが、なにやら奇妙な既視感に思わず声を止めた。

既視感、つまり。


「おう、気がついたか」
「あ、あんたが、傷の手当てを?」
「喰いな、体が温まる」
ぐーーーーーーーーーー〜っ、
「腹が空いてるんなら、無理しない方がいい」
「は、ふぅ・・・・・・」
「美味かったか?」
「あんたは、どうしてわたしを助けてくれたの?」

「決まってるだろ、オマエを犯すためだ」

「ええーーーーーーーーーーーーっっ!?」


ブラックと男の会話。
ホワイトは、聞いていて恥ずかしくなった。
まるで先ほどの、自分と彼の会話と何ら変わりないではないか。

(しかもなにあれ、途中まであの子、頬まで赤く染めちゃって!!)

ボルシチを振る舞われたあたりからなにやら頬を赤らめて、上目遣いに男の真意を問いかける相棒の仕草は、まるで初恋のときめきに戸惑う乙女のようだった。

(・・・ってことはまさか、わたしもあんな表情を?)

ホワイトが頬に手を押さえて、顔の火照りを誤魔化そうとしている間にも、仲間のレッドが目を覚まし、今度もまた全く同じやりとりをする。
それを聞きながら白の少女は、これだから男に免疫のない処女は、と呆れると同時に、強い自己嫌悪に陥った。

ちなみに、男の受け答えが全く同じなのには理由が・・・というより、ただ単に語彙が少ないだけである。







「さて、腹も落ち着いたことだし、そろそろヤるか!!」

清々しい笑顔で。
この、ヤるという行為がたとえばテニスやマラソンなどのスポーツであれば、・・・いや、もはやそんな遠回しな揶揄など意味はない。
すっくと立ったその姿。
がっしりとした、逞しい肉体の益荒男。
そして股間には、隆々とそびえ立つ、巨大な肉の柱。

もはや、その男の行動には、『女を犯す』という選択肢以外はあり得ない。


「くっ、くそう・・・ッ!!」

赤いショートカットの少女、レッドキューレが歯噛みした。
先ほど与えられた屈辱に加え、自分たちの無力さにも腹が立った。逃げようと思えば5人、同時にばらけて逃げてしまえば、全員とはいかずとも
何人かは逃げられたはずだった。
しかしそんな苦肉の策も、実行に移す隙すら伺えない。

「このまま、男に犯されたりしたら・・・」

栗色の髪をお下げに結ったメガネの少女、グリーンキューレが震えた。
彼女たちワルキューレの力を宿す者達は、汚れ無き乙女でなくてはいけない。
それが男に操を奪われると言うことは。

「ボク達は、ワルキューレの力を、失ってしまう・・・!」

青く染めたボブカットの少女、ブルーキューレが戦慄する。
彼女たちが所属する秘密結社では、ワルキューレの依代(ヨリシロ)となる乙女を幼い頃から大切に育てていた。しかし彼女らが処女を失い、
戦う力を失ってしまえば、組織からは不要の存在とされてしまうのだ。

貞操の危機に怯える少女達。
しかし、それらの哀願にも似た囁きをこの男、孕ませ侍は一喝した。

「そんなこと、知ったことかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!」

そうやって怒声をあげた男は、その気迫で女達の口を閉じさせた。

「お前らが組織のなかでどうなろうが、なんたらの力を失おうが、そんなことはどうでもいい。
 大事なのは俺が気持ち良い事!! お前らが女の悦びを知ること!! そして、お前らが新しい命を孕むことだッ!!」

そう力説した男はほんの少し真面目な顔をしていたが、少しの間しかそれも維持できず、とたんににやりとスケベな笑い顔が復活した。

「つうわけで、これから俺が、お前ら全員を犯す!!」





まず最初に男が選んだのは、黒の少女、ブラックキューレだった。

「や、やめろーーーーーーーッッ!!」

力無くも抵抗する少女に、あきらかにスケール違いな巨漢がのし掛かる。
両手を頭上に掲げるようにさせて、それを男が左手一本で押さえ込む。チャイナドレスをあられもなくはだけられ、拡げさせられた両足の間に
男が身体を割り込ませた。じたばたとあがいても、男からは逃げられはしない。

「ブラック! 落ち着いてッ!!」



その光景を、ホワイトは満足に動けない身体で見ているしかできなかった。しかし、声を上げて励ますことは出来る。

「意識を集中して『ワルキューレの加護』に込めるの!! そうすれば絶対、犯されたりはしないわ!!」
「わ、わかったッ!」

彼女の声に、ブラックはあがきをやめ、精神を集中し始めた。
ダメージを負いすぎて疲弊した今の彼女が、どこまで能力を維持できるかわからない。しかし、その『ワルキューレの加護』さえあれば、
彼女の体を不可侵の異次元が隙間無く覆い、敵意の進入を許さない。
少女の集中力が高まり、体を覆う薄い光の膜が強くなった。

「・・・いくらあんたでも、これを貫くことは出来ないさ!」

自分に覆い被さる男の圧力に負けじと、ブラックは歯を食いしばって抵抗する。
男の掌底や拳が彼女を叩きのめしたときでさえ、このバリアは貫けなかった。あくまでも、このバリアごと強引にダメージを与えられただけなのだ。
もちろん、本来は触れた部分から相手を消滅させるバリアなのだが、なぜそれが男を消滅させないのかは未だ解明されていない。

「もしかすると、触れたとたんにチンコが消し飛んじゃうかもな?」

不安を必死に隠しながらも、ブラックが挑発する。しかし男だって、負けてはいない。

「さっきの戦いで、俺が言った言葉を覚えてるか?」

ブラックが、男に問いかけられて記憶を反芻する。しかし、その答えを待たずに、男が言った。

「男の武器は、これしかないだろう、ってな」

そして彼が巨根を、少女がよく見えるように曝してやった。

「!!!!」

思わずブラックは目を逸らそうとして、それでもそれが出来なかった。なぜならば、その隆々とそびえる巨大な男性器、その肌に、
何かの彫り物がしてあったからだ。
彼女は、その彫り物、刺青で彫られた文字に目を奪われてしまったのだ。
その文字とは!



漢一文字(おとこいちもんじ)!!



達筆な漢字四文字のデザインで彫られたその文字は、男のペニスの横っ腹に、まるで日本刀の銘を打つように描かれていたのだ。

「これが俺の、唯一の武器、『漢一文字』だ。今まで、これに貫けなかったものはねえっ!!」

そしてそれを、少女の秘部、未だ下着すら脱がせてはいない股間にあてがった!

ぐい、と押しつけられる男のペニス。もちろん、バリアによってペニスが弾け飛ぶ、というようなことはなかった。
しかし、光のバリアに阻まれて、少女の肉から1センチのところで止まってしまう。

「ほらみろ! 無駄じゃないか!!」
「黙ってろ!!」

少女の声を低く遮って、男はさらに腰に力を入れた。

ぐ、ぐぐ、ぐぐぐ、と押しつけられるまま、少女を守る膜が、圧されて、いく。
ず、ずずと男に圧されて後退する少女の腰を、がっしと両手で捕まえた。
ぐぐ、ぐぐぐ、と1センチの膜が次第に、ミリ単位で薄くなっていく。




「や、やめ、やめろッ!」
「いいや、やめねえな」

自由になった両手で、男の肩を押し返そうとするもののびくともしない。

ぐぐ、ぐぐ、ぐい、ぐいいい、と、鉄のように硬いペニスが押しつけられ、処女の股間を覆うショーツの布地まで、あと数ミリと言うところまで。
今まで、どんな攻撃からも彼女らの身を護った絶対不滅の防壁が、男のペニスという最悪の凶器でこじ開けられようとしている。

「やだ、やだ、ねぇ、やめてよっ」
「何度も言わせるな、俺はやめねえぜ!」

少女達がよりどころとした神秘の力。その神秘の防壁が、今、男の圧力に屈する限界まで抗っている。
あと3ミリ、あと2ミリ、あと1ミリ、あと0.5ミリと、その距離は限りなく0に近づき、そして。

ぱちん、

と、何かが弾ける音がして。
男のペニス、その先端が、下着の布を挟んで、直接少女の肉を圧した。
少女を包む障壁に、一つのほころびが出来た音だ。

「い、いやあああああああああああああああああああああッッッ!!!!」
「まずは第一段階、クリア、だな」

確かに、少女の割れ目の中に進入するには、あともう一枚、下着の布地というバリアを突破しなくてはならない。
しかしそんな物、今までの障壁を超えて到達した鋼のような肉棒からすれば、無きに等しい壁である。
そんなことは、彼女、ブラックキューレ自身が一番理解している。

「さて、このままバージン奪っちまいたいが、さすがに少しも濡れてねえんじゃ、痛いだけだしなぁ。
 いろいろといじって濡らしてやろうかとも思ったが、相変わらずそのバリアみたいなのが邪魔だ」

そう言って男は、自分の巨根を握り、相手に押しつけたままぐり、ぐりと擦り始めた。

「や、やあ、そこ、そこだめえっ、びくって、びくってしちゃううううっっ!!!」

男のペニスがクリトリスを押さえ、下着の上から押しつぶすようにしてこね回す。男の尿道からしみ出した先走りが下着を湿らせたのを始めに、
しばらくそれを続けると彼女自身の分泌物も湧きだしてきた。

くちゅ、にちゃ、にちゃ・・・

「よーし、だんだん湿ってきたぞ?」
「うそッ! うそうそうそッッ!! そんなことないよッ!!!」

必死に否定するブラックキューレだが、その滑った音は確かに彼女の鼓膜に響く。

(だめ、わたし、かんじちゃうっ!! かんじちゃだめっ、だめなんだからッ!!!)

彼女は必死に、自身の身体に起こる変化を押さえようと努めた。しかし、疼きだした女の性が、後戻りを許してくれない。

「素直に感じた方がいいぞ? どうせ俺はおまえのバージンを奪っちまうんだ、それなら少しでも、痛くない方がいいだろ?」

かたくなな少女の耳元で男が囁く。
おそらく普段の彼女なら、こういう場面でも意地が勝つ。さらにムキになって抵抗するだろう。
しかし、今の彼女はか弱い、年相応の少女だ。頼みにしていた防御もうち破られ、どうあがいても犯されてしまう現実から逃れられない。



耳には微かに、自分を励まし抵抗を促す仲間の声が聞こえる。ブラック、気を強く持ちなさい、などとホワイトが叱咤する声が聞こえる。

(だめだよ、ホワイト・・・、わたし、もう、折れちゃった・・・)

どうせ、どうせ犯されてしまうなら、という弱気が心を支配した。

「お、おねがいだから、やさしく、してよ・・・・・・」

そして初めて、彼女が身体の力を抜いた。



これで条件は、万事整った!!



ずぶっ!!

「ひぐっ!!」

下着の布地を巻き込みながら、巨大なペニスが少女の膣に先端を埋める。
びり、と布の裂ける音がして、ペニスが直に、少女の粘膜に触れた。

「まぁ、観念したんなら、優しくしてやらんでもねえ」
「あ・・・ありがと・・・う・・・」

犯されようとしているにもかかわらず、少女は礼を言った。同時に、その声を聞いた相棒のホワイトキューレは、唇を噛んで深くうつむいた。

「優しく、気持ちよくしてやるよ。だが、最初の痛みだけは手加減しねえ。
 その痛みだけは、おまえが女になった証だ。絶対忘れないように、『痛み』として覚えておくんだ」

男はそう言って、少女の返事を待つことなく、ずずぶり、と巨根を少女に埋め込み、処女を奪った。

「ひ! ぎッ! いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッ!!!!!!」

ブラックキューレと呼ばれる少女は、絶叫した。ぶつ、という肉の裂ける音。幼さの残る女性器を無理矢理穿つ巨根。乙女の証である処女膜が破れ、
そして膣の一部が裂けたのだ。激しい痛み。乙女が乙女でなくなり、男の肉棒によってその少女の肉体を激しく造り替えられようとしている。

そして、処女を失った彼女を、今まで守護していたワルキューレの英霊が見放した。身体を包んでいた薄い光の膜が、すべて消え去ったのだ。
男は片手で少女の腰を、もう片手を背中から回して後頭部を、がっしと押さえて抱きしめた。

「へへ、ようやくおまえの身体を、直に触(さわ)れたみたいだな」

そして男は、彼女の腰に回した手でチャイナドレスの端をつかみ、ビリビリと裂いた。先程までは神秘の力によって守られていた着衣も、
当然のごとく無防備な、ただの布になってしまった。あとは、幼さの残るスポーツブラと、男の逸物によって引きちぎられたショーツ、という、何とも痛々しく、哀れな姿。

少女と男の営みが、双方合意の和やかなセックスではないことを如実に物語る。

これぞレイプ。

「ひ、ぐぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」

ワルキューレの加護を失った少女はただの14歳の少女でしかなく、男の肉棒の進入によって与えられた痛みを、その男にしがみつくことで必死に堪えている。

「ッ!」

最後まで励ましの声をかけ続けていた相棒のホワイトキューレは、思わず耳を塞いで、その絶叫から逃げた。



「大丈夫だ、そのうち痛みはなくなる、あとはキモチイイだけだ」

男はそう言って、深々と、少女の膣の奥までペニスを埋め込んだ。亀頭の先が子宮の口を突き、それでもまだすべてのサオを埋め込み切れていない
巨根を押し込むようにして圧力をかけてくる。進入禁止となった子宮口、それでも押し込まれる男のペニス。必然的に膣内はこれ以上ないくらいに膨張し、
強く内蔵を圧迫する。もちろんまだそれでも、男のサオはすべてを収めたわけではない。

「見えるか? おまえの腹が、オレのチンコを嵌められて、ぽっこりふくらんでるぞ?」

男が言うように、少女の腹は、まるで男のペニスが浮き彫りになるかのように膨らんでいるのだが、彼女は痛みに絶叫をあげ続けるばかりでそれを見る余裕など無いようだった。
少女の叫び声を聞きながら、男はいよいよピストンを開始した。ブラックは激しい痛みに振り回されながら、しがみついた男の背中を何度も激しく引っ掻いている。

「おまえのバージン、気持ち良いぜ」

あざ笑うわけでもなく、ごく自然に、むしろいたわるような男の声。
端から見れば、バカでスケベな変態男であるが、先程彼が掲げた三大目標に関しては非常に真摯なのである。
少女が痛みに狂い喚くのを、その身体ごと抱きしめながら、それでも男は容赦なく犯していった。
そして、次第に男の動きが荒々しさを増していく。

「それじゃ、そろそろいくぜ?」

その男の言葉に、犯されているブラックではなく、彼女の叫びを聞き自分たちの無力に悲しみの涙を流していたホワイトが、びくりと反応した。

確かに、わかっていたことだ。
その宣言どうり、自分たちを妊娠させることが男の目的であると。
しかし、一人目の生け贄であるブラックが犯され、壮絶なセックスを目の当たりにして、このセックスの終わりがどういうことを意味するのか、頭の中から消し飛んでいた。
それをようやく甦らせたホワイトが叫んだ。

「だめっ! お願いです、子宮(なか)に出すのはやめてッ!!」

彼女は、自分の相棒の体調のことは、それとなくわかっている。
口に出して言われたことはないが、いつ頃から生理が始まって、いつが排卵日なのか、知識と洞察で、そのあたりを気遣ってやっていたのだ。
だからわかっている。
今が、まさに危険日であることを。

「おねがいします、許してくださいッ!! まだその子は、14歳なんです!! 子供を産むなんて、無理ですっっ!!!」

思えばそれは、高潔な戦士ホワイトキューレが男に哀願をした最初の言葉だった。
しかし、当然の事ながら、その願いが聞き遂げられることはない。

「そらっ、いくぞッ!!」
「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!!!」
「いやあああああああああああああああああああっっっっっ!!!」

どびゅうっ!! どびゅううううっっっ!!! どびゅううううううううううっっっ!!!!!

男のペニスが激しく脈打ち、大量の精液が迸る。
その白濁は、当然の行く先として少女の子宮に流れ込み、あっさりとそこを満たしてもまだ吹き出し続ける液体を膣から外に溢れさせていた。
破瓜を終えたばかりの性器を蹂躙され、そしてとどめとばかりに膣内射精(なかだし)され、ブラックと呼ばれた少女は白目をむいて意識を手放した。

「ひどい・・・・・・」

ホワイトは、絶望に喉を詰まらせ、嗚咽した。
しかし、そこですべてが終わったわけではない。



男は、しばらく射精の快楽に酔いながらも、ゆっくりと腰を動かし続けた。ぐちゃ、ぐちゃと精液を溢れさせる少女の性器、その中をいまだに蹂躙する
男のペニス。傘が開いた亀頭で精液を掻き出すような動きだが、あまりにも奥に流し込みすぎたため、そうそうすべての白濁が下りてくるようなことはなかった。

「ふむ、おまえさんが言うことが本当なら、これで確実に妊娠したな」

男は、実に満足そうに言った。

「もちろん俺も気持ちよかったから、これで目的の二つは果たしたことになる」

「ああっ、ひっ!」

男の言葉、そして続く、驚いたようなブラックの声に、ホワイトは愕然とした。

(・・・・・・まさか、まだ続ける気?)

男性経験はないものの、ホワイトとて人並みの性知識はある。
その知識は当然、普通の男性が連続して勃起できないこと、いくらかのインターバルを必要とすることなどの知識が含まれる。
しかしこの侍、彼女の知る常識からは懸け離れている。

「あとは、コイツが女の悦びを知ってくれれば、目的達成だ」

ずちゅ、ぐちゅ、と滑った音をさせながら、男のピストンスピードが上昇する。

「んっ、あっ、くっ・・・」

続けざまに犯されているブラックはといえば、先程のような絶叫こそあげないものの、快感とはほど遠い苦痛に表情を歪めている。
それでも男の動きに容赦は無い。
ずちゅ、ぐちゅうと派手に滑った音をさせるのは、先程と違い男の精液が潤滑液として泡立っているからだ。

(ひどい、あんなに痛がっているのに、・・・だいたい、処女を奪われたばかりで気持ちよくなれるはず、ない!)

男を呪うような瞳で見つめるホワイトだが、その性交に某かの違和感を感じ取った。
相変わらずの裂けた衣服、男にのし掛かられての性交は、痛々しいレイプ以外何者でもない。
だがしかし、何かが違うのだ。

「・・・ん、つっ、んあっ」

彼女の声に、奇妙なうわずりが感じられる。
ただ痛いだけではない、何かの変化を感じさせるうめき。

(ま、まさか・・・)

ホワイトは、頭を殴られたかのような衝撃とともに、悟った。

(あの子、もう感じ始めている!?)

小さな処女穴をとてつもない巨根で穿たれて、肉を裂く激しい痛みに苦しんでいた少女が、もうすでに女の喜びを手に入れはじめている!!

先ほどの、処女を奪われた性交に於いては、ブラックは自身の苦痛から逃れるのに懸命だった。男にしがみつき、背中に爪を立て、必死に足掻いていた。

しかし、この二度目の性交はどうだろう。



まだ彼女の声は痛みを訴えるものの、その節々に艶が含まれている。
男にしがみついている姿勢は変わらない、が、それは痛みを堪えるためにしがみついていると言うよりは、少しでも多く男の肌と接触していたい、
という媚びを含んだものだ。
その証拠に、彼女の爪は男の肌に突き立てられずに、先ほどつけたその掻き傷を愛おしむようになぞっている。

(・・・まさか!? そんなに早く、男に屈してしまったの?)

相棒の変わり様に、ホワイトは裏切られたような気持ちになった。
それ以上に、あれほどの激痛に苦しんでいたセックスが、二度目にはこうも悩ましく変わってしまうものなのか? という疑問が彼女の心を乱した。




さて読者諸君も彼女と同じく、さすがにこれはどうか、と首を捻る向きもあるやもしれない。
何しろ、少女は破瓜の挿入において処女膜どころか膣口の肉まで裂傷を負ったのだ。文字通り身を裂かれる痛みに苦しんだのは、先程ご覧になったとおり。
それからわずかの間、たったそれだけでその痛みが消えるものだろうか。
いかに性交による快感が少女を包もうと、痛みが邪魔をすれば純粋に陶酔することも出来ないはずだ。
ならばこれは、どういうことなのか?



その疑問に、いま答えよう。

そしてそれは、なぜ男の肉体が、少女達の纏っていた『ワルキューレの加護』に滅しなかったのか、という謎に対する答えでもある。



それは、生命の波動!!



この男の心臓が刻む鼓動(ビート)は、生命の息吹とも言うべき波動なのだ!

一体いかほどの時を経たのであろうか。
記憶のない男が着ていた衣服から察するに、日本の江戸時代から、であろう。
彼はそれからの長い年月を、北極の氷のなかで過ごしていた。
冷凍睡眠、コールドスリープによって時を超えたこの男には、その眠っていた間に蓄えられた、生命の力がある。
ただの延命ではない、地球の生命力をも備えた、『再生の眠り』なのである。


磁北極付近の氷塊から甦ったこの男の心臓は、数年に一回という眠っていた間の鼓動から、逞しく生命を歌い上げる鼓動へと活動を再開した。
その心臓は、長い間、磁北極にて吸収した地球のエネルギーを宿していたのだ。

どくん、と彼の心臓が脈を刻むたびに、その振動は血液の滋養とはまた別の力を細胞に与える。磁気を帯びた鼓動は、体中の細胞を活性化させ、
その一粒一粒を強靱なものへと変化させる。
その変化は、心臓から離れた手足末端すべてに行き渡るが、なかでも強くその影響を受けるのは、人並み外れた大きさを誇る彼の巨根である。

どくん、どくんと力強く脈打つその肉体には、心臓で強化された血液が勢い削がれることなく駆けめぐる。そして血液の中で練られていたチヌ第一
物質が男の脂肪分によって分解され、タイロミンとデジタミンに分かれるのだ。タイロミンは男の脳細胞に浸透してその性欲を刺激し、デジタミンは
細胞内の蛋白質に反応してグルタノンとデターミントを生成する。一方デターミントはリンパ液に結合して、カチルダ酸とノバ粘液とサルマドンと
マグールトドータミンを作り出す。この際ノバ粘液は体温によって分解され、消滅するが、その残滓がカチルダ酸に結びついて核カチルダ酸に
変化するのだ。そして、核カチルダ酸とサルマドンによって生成されたカッサノ蛋白質により、・・・・・・・・・・・・

って、説明めんどくさい!!


もう、チンコパワーでいいよ!!




少女達の『ワルキューレの加護』を干渉させなかったチンコパワーの振動だが、セックスによる粘膜接触により、少女自身に伝播していく。
そして伝わった波動は、傷付いた少女の細胞を活性化させ、急速に快復させるのだ。

男の巨根に膣内を占拠されているため、さすがに処女膜の再生とまではいかないが、裂けた膣口などはすでに回復して痛みもなくなっている、というわけだ!!



もちろんそんな現象が男と少女の細胞に起こっているなどとは、いかな知性派のホワイトキューレとて知る由もない。

(そ、それほど、・・・痛みをすっかり忘れるほど、気持ちがいい、の・・・?)

ごくり、と思わず唾を飲んでしまった。
その、自分で立てた音で我に返ったホワイトだが、やはり男とブラックキューレのセックスからは目を離すことが出来ない。

少女を正常位で犯していた男は、腰の動きをやめないまま、少女を持ち上げて膝立ちの立位となった。
あまりにも軽々と持ち上げるものだから、ホワイトには余計に相棒の少女が細く、儚く見えてしまった。

しかし、たとえ儚くとも、男の肉体に比べてあまりにも細い身体であろうとも、彼女は生きている、生身の女なのである。

男が完全に立ち上がり、少女を抱きかかえたまま腰の動きを強くする。
正常位で犯していたときよりも、自由に腰使いをコントロールできるようで、少女を揺さぶる性の動きがさらに緻密になったようだ。
その証拠に、この体位に移ってからブラックキューレの声、その変化がはっきりとわかるようになった。

「あっあっあああっあああっあっあっああああっあうっあ!!!」

男が腰を突き上げるたびにぶるぶると少女の尻が跳ね、そのストロークを激しいものとする。弾みをつけて揺さぶられ、膣内を満たしてえぐる
巨根によって子宮口どころか、膣内部の様々なポイントを小刻みに小突かれるたびに、少女の声もリズミカルに跳ね回る。

「どうだ? もう痛くないだろう?」

男が、自分の胸元に顔を埋めてわなないている少女に問いかける。だが、ブラックには僅かにまだ、意地のようなものが残っていたらしく。

「い、いたくは、ないけどっ!」

鼻に掛かった声を抑え、必死に息を整えて。

「まだ、気持ちよくなんか、ないよっ!!」

ブラックは、男に抵抗した。
しかしその抵抗は、少し前の彼女が持っていた強靱な意志による抵抗ではなく、どこか男におもねるような響きを持っていた。
声を抑えたもののまだ吐息は甘く、男の背に回した指先は、所在なげに彼の肌を撫で回す。
明らかに少女、ブラックキューレは、『疼いて』いる。

それは、側で聞いていたホワイトにも十分伝わった変化なのだが、果たしてこの男にはどうなのだろうか。

「なんだと? ・・・それじゃあ、こっちももう容赦はしないぜ!!」

そのあたり、かなり鈍いらしい。
だがむしろ、男をその気にさせたという意味では、ブラックのその言葉はより身体に正直な回答であった。

「いくぞっ!!」

がっし、と男は少女の腰を掴み、激しく揺するようにして突きのスピードを上げた。
ずぶうーーーーーーーーーーーーーーっ、と強く、少女の幼い膣内にさらにペニスを詰め込んで、男の攻めが本格的に始まった。

「ひゃああああああああっ!!!」

甘い悲鳴を上げ、ブラックキューレはおとがいを反らして痙攣する。



「ああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!」

男のペニスによって与えられる激しい電流に、彼女は狂った。

「あああっあっ、あああああっぅっあああああああんひゃああああああうううぅあああぁぁぁっっ!!!!」

男に突かれるのがそれほど『いい』のか、と、よがり狂うブラックを、ホワイトは愕然として見つめていた。

「これでもまだ、気持ちよくないか?」

男がこれでもか、と女を責め立てる。

「ああああああああああああああああっっっ!!! いい、いいです、きもちいいですぅーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」

当の昔に折れていた少女の心は、自分がすでに快感に犯されていることをあっさりと認めた。

「そうか、じゃあ、遠慮無く、俺も射精するぞ?」

もうすでに、ブラックキューレに、男の問いに答える余裕などは残っていない。答えのない女に容赦することもなく、男は一気にラストスパートをかけた。

「よし、俺の精液をくらえっ!!」

どびゅう! びゅくううっ! どくっ! どくうぅっっ!! びゅくびゅくうううううううううっっっっ!!!!

「いいいいいいいいいいいやあああああああああああああああああっっっっ!!!!!」

そして、生まれて初めての、セックスによる絶頂を迎えた少女の子宮に、新たな精液がなみなみと継ぎ足されていった。




それからも、この凄惨な淫行は続いた。

男の二度目の射精によって、初めてのアクメを迎えたブラックキューレは、続けざまにあともう一回男が射精するまでの間に、何度も何度も
数え切れないくらい絶頂を迎えた。

男は、ブラックと対面座位で抱き合い、軽々と彼女の腰を持ち上げ、下から突き上げる腰の動きにリンクさせて彼女の尻を揺らせていく。
ゆさ、ゆさ、と少女の小さい尻が上下に揺さぶられるたびに、男の太い怒張が少女の幼い性器を出入りする。ぐちょぐちょと湿った音が聞こえ、
ぱたぱたと足下に飛び散るのは、少女の子宮から溢れ、入りきらなかった精液が男の傘によって掻き出されているのだ。

「ようし、それじゃあまた、子宮に精液を継ぎ足してやるぞ!」

「イヤアアアアアアアアアアアアアッッッ!!! 精液ナカで出されてイっちゃうううううううううううっっっっ!!!!」

ドクン!! ドクゥッ!! ビュッ!! ビュクゥッ!!!

少女は絶叫し、壮絶に果てた。そして自分の中に新たな精液が流し込まれるのを感じながら、意識を失ってしまった。



さすがに体力の限界か、くたくたになった黒の少女を解放したその侍は、少しも休むことなく新たな標的を選んだ。




今度は、赤い髪の少女、レッドキューレであった。

男を詰り、激しく抵抗したレッドキューレだったが、彼女もまたブラックキューレと同じように男のペニスによってワルキューレの加護を破られ、
セーラー服を乱されながら激しく犯された。
苦痛と絶望に絶叫しながら破瓜の射精を受けた後は、先のブラックと同じく念入りに犯され、そして最後には子供のようにわんわんと鳴きながら
絶頂し、男の精液を子宮に溜めながらよがり狂った。


次は、栗色の髪の少女、グリーンキューレ。
仲間の二人が犯され、淫らに変えられてしまう姿を見せつけられたメイド服の少女グリーンキューレは、恐怖に震えながら男に犯された。
他の仲間達のような勇ましさはなく、まさにか弱い乙女であった彼女だが、男に最初の膣内射精(なかだし)されたときにはすでに、苦痛の涙は消えていた。
そして続けざまに犯され、二度目、三度目の射精を受ける頃にはすっかり悦びの涙を流すようになっていた。


男は気を失ったグリーンを先に倒れた二人と並べて寝かせたあと、少しも萎えない漢一文字の切っ先を、青い髪のスク水少女、ブルーキューレに向けた。
三人の仲間に続いて犯されるこの少女の心は、この段階ですでに折れていた。
自分たちを護っていた絶対の楯、『ワルキューレの加護』が効かない上に、レイプされたあとはとても正気とは思えないくらいによがり狂う。
そんな仲間達の姿を見た彼女は、抵抗は無駄、と諦めた。

「ボク、抵抗はしないから・・・、優しくしてください」

未だ処女で、ワルキューレの加護がまだ生きているうちから自分の身体を自分でまさぐり、男を迎える準備をした。発育前の薄い胸を弄り、
湿った音を立てる性器を指先で撫でまくり、男に屈伏したオナニーショーを見せたあと、スクール水着の股布をずらして男を招いた。
そんな羞恥の甲斐も虚しく、破瓜の瞬間は激しい痛みに泣きわめいたが、それでも先の三人と比べて例外でなく。男の二度目の射精でアクメに
いたり、そのあとはさんざん嬲り回されてイキまくったあと、四回目の射精を受ける頃には甲高い子犬のような声で気絶間際の叫びをあげていた。





「ふう、これであとは、おまえさんを残すのみだな」

気を失ったブルーの身体を解放して、男が言った。
その言葉を向けられたのは、最後に残った白の少女、ホワイトキューレ。

次々と犯される仲間達を見せつけられ、ただ力なく呆然としていた。

長い間、そう、4人の仲間が犯され、男が何回も何回も彼女らの中に射精し、そして何回も何回も、彼女たちが男にイかされる様を見せ付けられたのだ。
ホワイトキューレ、その白の少女は、自分たちが男の性の前ではまったく無力であることに、絶望を感じていた。

「これでおまえさんも、俺の女だ。元気な子を産めよ?」

と、男が言った言葉。
その言葉に、彼女は僅かに瞳の力を取り戻した。

(・・・・・・そうだ、なにもかもこの男の思うとおりにいく訳じゃあない、だって、わたしは・・・)

無力で、男のなすがままに犯されたとしても、ただ一つの意趣返しが出来る。

(わたしにはまだ、初潮が来ていない。まだ、子供を産む身体になっていないのよ!)

それは他の4人に対して、自分だけが妊娠のおそれがないことを安心している、などという浅ましい安堵感などではない。
不幸中の幸い、などと自分だけが助かることに喜びを見いだすような、さもしい心の持ち主ではない。
彼女が自身の未成熟から得た希望。
自分から貞操や、戦士としての力や、プライドを奪っていくこの男に対して、僅かだが反逆することが出来る。


そう、男が言っていた目的の一つである、『自分たちを妊娠させること』は、どう足掻いても叶わないのだ。




そうやって、自分の心の中に少しの希望が出来た。反骨の心が戻ってきた。
ホワイトキューレは、絶望の瞳を少しだけ甦らせて、男を睨み返した。

「あなたは、何でも自分の思い通りになると、思うの?」

少女が、精一杯の言葉をぶつける。
自分の身体のことは今は伏せておこう。その事実はあとから、この男に突きつけてやった方が効果的だと彼女は思った。
しかし、彼女の言葉に男は平然と答えた。

「さぁな?」

からかっているわけでもなく、ごく自然な言葉として、男は言った。

「思い通りになるかどうかはともかく、俺は思い通りに行動するだけだ」

白の少女は、その答えに憮然となった。
面白くない。
男のやっていることを肯定するわけではないが、それでもその言葉には、少しだが彼女を羨ましく思わせる自由さがあったからだ。



「もう、だいぶコツが掴めてきた」

男が、抗う少女を押さえつけ、彼女の身体の上に覆い被さった。そしてそのドレスをかき分けながら、股間の逸物を彼女の股間に押しつける。
まだ彼女は処女であるので、『ワルキューレの加護』は生きている。しかしもうその障壁を、この場にいる誰もが絶対のものだとは信じていなかった。

そしてしばらく。
さんざん射精したにもかかわらずガチガチの硬度を誇るペニスが、時間をかけてゆっくりと、ホワイトキューレの体を覆う『ワルキューレの加護』を突破した。
少女の下着に直接、ペニス先端が触れたのだ。
ただ、男はそのあと、少しの違和感を感じてしまった。

くちゅ・・・。

「ん?」
「あっ!」

男の先端が下着の股布に触れたとき、湿った音がしたのだ。

「なんだ、ちゃんと濡れてるじゃないか」

彼女の意志とは裏腹に、その性器は、男を迎え入れる為の愛液をじゅくじゅくと滲ませていた。

「い、いわないでっ!!」

彼女を淫乱と詰るのは、さすがに酷というものだ。
さんざん目の前で淫行を見せつけられ、身体がその淫らな空気にさらされてきたのである。その空気に酔わされて、身体が反応してしまったとしても
それは、仕方のないことだろうから。

「まぁその方が、いろいろと手間が省けて良いんだがな」

そういって男は、そのぬめりに誘い込まれるように、少女の割れ目にペニスを押しつけた。

「ひっ!!」



ホワイトはさすがに、怯えた声を上げた。いくら気丈な彼女であっても、今まさに不本意な男に処女を奪われようとしているのだ、恐れないわけがない。
そして彼女の下着を横にずらし、男のペニスが少女の膣へと侵入していく。
じゅぷ、と泡立つ音を立て、亀頭の先端が膣口を拡げた。

「あ・・・・・・あ・・・、や、いやぁ・・・」

ホワイトが身を固くして、男の侵入を拒むがもちろん、彼はそんなことに気を取られたりしない。

「じゃあ、いくぜ」

男がただそれだけを言って、彼女の答えを待つこともなく、一気に腰を押し進めた!

ずぶぅぅーーーーーーーーーーーーっっっ!!!

「ひあああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!」

絶叫をあげる彼女にかまわず、男はさらに奥まで、一気に突き上げた!!

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!」

男のペニスによって処女を貫かれた瞬間、彼女はその衝撃に震えた。勢いよく、容赦なく、男のペニスは彼女の一番奥まで一気に埋め尽くし、
行き止まりを激しい勢いで押し上げた。そしてその衝撃は子宮を突き抜け、彼女の内蔵を震わせ、背骨を駆け上がり、脳を痺れさせる。
間違いなく処女であった彼女なのだが、今のその姿にはもうすでに苦痛以外の官能が見え始めていたのだ。

それだけではない。
この、男と白の少女の結合は、先の四人と何かが違うのだ。

「く、こいつぁすげえ・・・」

男が呻いた。今まで見せていた性交において、常に優位に立っていた彼の表情が、珍しく狼狽していた。
少女の小さな膣口が、異常なほど巨大な肉棒を受け入れ、限界を超えて拡がっている。しかしその内部は、少女の緊張や硬直とは全く異質の、
男を迎え入れる締め付けを見せていた。

しかも、男の巨根が、根本まであと僅かのところまで飲み込まれている。
なんという膣の深さだろうか。この、他の四人に比べてことさら大柄でもない、年相応14歳の少女の胎(はら)に、まさかこれほどの性具が
潜んでいたとは、男もまったく見抜けなかった。
彼が記憶している限り、これほど深く彼の巨根をくわえ込むことが出来た女は、初めてであった。

「う・・・うおおっ!」

男にしてみても、言ってみれば初体験である。今までほとんど女の粘膜に包まれたことのないサオの根本が、初めて少女の襞に包まれたのだから。


なぜ処女の、しかも臨まぬ破瓜を迎えた彼女の肉体が、こうも男に媚びているのか?


その訳は、ただ単純に、彼女に秘められた素質であるといわざるを得ない。
彼女自身が望んだわけではない、男を最高に喜ばせる膣を備えていたのである。
このような形で破瓜を迎えたことは間違いなく不幸の部類であろう。しかし、彼ほどの巨根でなければ、その膣の奥を突くことなど出来ようはずもなく、
むしろ出会うべくして出会った、最良のパートナーなのだ。

「うううううううううううううううううううううううううっっっっい、いた、いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいいいいいいい!!!!」

白の少女が叫んだ。当然といえば当然の話で、破瓜の激痛は彼女にも例外なく襲いかかる。



「痛いか?」

男が、自身も歯を食いしばりながら言葉を発した。少女はその問いに言葉で答えることは出来ず、ただがくがくと首を振って肯定した。

「おまえのマンコ、スゲエぜ、最高だ」

そういって男は、少女の持ち物に感嘆する。そしてその言葉を皮切りに、腰の動きを開始した。

ずるぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!!!!!!」

男がピストンのために腰を引くと、少女は狂ったように声を上げた。

ずぶぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!

「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!!!!」

ほとんどペニスが抜け落ちそうなくらいに引き戻したあと、再び奥まで押し込んだ。先ほどと同じ位置、子宮を押し上げる深さまで戻ると、少女は、
腹を強烈に押される圧力に呻く。

この、ストロークの長さは、男にとって信じられないくらいの快感を与えるものだった。締め付ける強さの強弱、その密度、ざわめき蠢く襞の
絡み具合など、恐ろしいくらいの名器である。それがたっぷりと、巨根が出入りするストロークの長さ全体に行き渡り、男を喜ばせているのだ。
そしてそれは、男を喜ばせるだけでなく、持ち主の少女自身にも信じられない快感を与える。
彼女の深い膣は、そのストロークの長さに応じて、いくつか性感の強いポイントを持っていた。通常のGスポットに相当する部分以外にも、
ほぼ膣のすべてが強烈に快感を生み出していく。その道具すべてを、男の巨根が、巨大なカリが、余すところ無く擦り立てていく。

男は少女とのセックスに、夢中になった。
同時に少女も、男とのセックスに夢中になった。

何度も何度も、単調だが力強く、男が少女を突き上げる。
その度に少女は、きゅんきゅんと襞をひくつかせ、男を迎え入れる。


男に自分の膣を荒らされて、それだけで少女の心には、破瓜の痛みと性の喜びだけに満たされた。
たしかに、初めて男を迎え入れ、その痛みに少女は泣いた。
しかしその涙は、自分の中の『女』が目覚めたことを意味する涙だ。
それは屈辱でもなんでもなく、彼女の肉体があるべき姿へと生まれ変わる儀式なのだ。

だから彼女の心も、それに応じた。

(すごい、すごい、すごい、すごい、すごいっ、すごいっ、すごいっっ!すごいっっっ!!すごいすごいっ!!すごいすごいすごいすごいっっ!!!!)

戦士としてのプライドや、男への意趣返しなど、先ほどまで彼女の心を占めていた考えはもう霧散した。
いまはただ、ただ単純に、身体を支配する強烈な快楽に、その身を震わせて、狂っていくことしかできない。
彼女の心は、男との性交のことしか、考えられないようになってしまっていた。

「だめえーーーーーっ、すごいっすごいっすごいいいいっっっっっ!!!!!」

頭の中を満たしていた言葉は、自然と彼女の口をついて外に漏れだした。
男はそれに応えることも出来ず、一心不乱に腰を動かし続けた。

すでに少女は痛みを感じていない。それは男の能力が功を奏しているのであろう。ただ今は全力で、与えられる快楽に魂を震わせ、泣き、よがった。
いままで秘めやかに行われてきた幼い自慰で得られる、少女のくすぐったい快楽などとは、まるっきり異質な女の喜び。
一度その味を覚えてしまった彼女達は、もう幼い少女には戻れないのだ。



そのことを、少女の中の牝の本能が受け入れた。 

彼女は目の前の、自分を女にしてくれた男の事を、無性に愛おしく想うようになってしまったのだ。



そして、彼女は何ら躊躇うことなく、その唇を男に差し出した。


お互いの性器で繋がり、肌と肌を密着させ、唇同士重なり合い、その中で舌が絡まる。
性器同士のつながりもまさにセックスであり、同時にそのキスもセックスであった。

そして不意に、男に限界が訪れた。

ラスト手前の、より激しさを増したピストンが少女の膣をえぐる。


どくん!


そしてその時、自分の身体の中で大きな変化が起こっているのを、少女は感じた。
激しく疼く胎(はら)の中、自分の『女』の象徴である子宮に、変化が生じたのだ。

どくん!

(これ、・・・まさか!)

子宮が下がり、口を開く。この動きは、受精の動き。
その動きを子宮が成し得る、と言うことは。

どくん!

(あ、・・・できてる、・・・・・・わたしの、卵子が、いま、できてる!!)

今まで眠っていた女の機能が急激に目覚めさせられ、そしてその必然であるかのように、彼女は真の『女』になろうとしているのだ!



「くっ、いくぞぉっ!!」

男が叫び、射精した。

ビュクゥゥゥッッッ!!! ビュクゥゥゥゥゥゥッッッッッ!!!ビュゥゥゥッゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!

(ああっ、でてる、でてるーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!)

一番奥まで差し込まれたペニスが、少女の子宮に特濃の精液を流し込む。その行為に、オスの精子を受精するメスの本能が喜んだ。
そして女としての喜びが、少女に強烈な絶頂を与えたのだ。

(いっちゃうッ、精子を子宮にだされて、イっちゃううううううううううーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!
 できたての卵子で、受精しちゃうーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!)

男とのキスに唇を封じられたまま、少女は心の中で受精の喜びを叫んだ。







そんな二人の、初めての少女相手とは思えない濃厚なつながりを、他の少女達が見ていた。
彼女たちの瞳にある色は、羨望であり、自分の心と身体を解き放つための欲望の色であった。



あの子が堕ちたのなら。
あいつがあんなにいやらしいのなら。
あの人も我慢できないんだから。
彼女が、この男を求めるんだったら。

わたしも、もう、素直になろう。


心の通じ合った仲間達というものは、誰か一人が折れてしまえば、他の仲間が折れるのはむしろ容易い。
一人が作り上げた淫らな空気を、仲間すべてが共有し、増幅させる。

男に屈伏し、自ら唇を捧げてしまったホワイトが、その唇のセックスを終えての甘い吐息と同時に、周りの状況が変化していることに気がついた。
自分のキスが終わるのを待ちかねていたかのように、他の4人が男に群がり、次々とキスをねだっているのだ。

きゅん、とホワイトの心に、理解不能の燻りが生まれた。それが、小さな嫉妬の心であるなどと本人は把握できないまま、自分も負けじと男に
再びキスをねだる。同時に、男に絡めていた足を再び強め、自分の膣を締めた。

「ん、・・・おう、いいぜ、それ」

男が、キスの合間に、ホワイトの性器の動きを喜んだ。それがホワイト自身を気分良く高めていく。
ホワイトは、覚えたての動きで、腰を自ら揺すり始め、きゅう、きゅうと断続的に男の巨根を締め付けていった。
男は、その少女の膣の動きに対抗するかのように、大きくエラの張った亀頭を擦りつけながら膣内を往復した。

「ん!、んああああっ!! だめ、それ、だめええっっっ!!!」

男のペニスに狂わされ、ホワイトは思わずキスを中断して泣いた。もう何度目かもわからない、絶頂の波がすぐそこに迫ってきている。
男の唇を他の少女に譲り、ホワイトは心おきなく泣き叫んだ。

「ああああああああああああああああああああっっっっ!!! いく、いく、だめ、いくの、いっちゃうのーーーっ!!!」

ホワイトキューレは叫び、絶頂した。ぎゅう、と痛いくらいに男のペニスを締め上げ、新たな精子を求めて子宮が再び蠢いた。
そうして、彼女の子宮に乞われるままに、男は大量の子種を吐き出したのだ。






「あはぁ、ん、・・・これ、すきぃ・・・」

仁王立ちになる男の、少しも休むことなく隆々とそびえる巨根に、少女達が跪き、傅いている。
ホワイトキューレは、甘くおもねりながら男のペニスに舌を這わせる。うっとりとした表情でちょうどサオの横っ面、『漢一文字』の入れ墨を舌でなぞり、
その肉棒に完全屈伏したことは誰の目にもわかる。

「ん、スゴイ、よね、コレ・・・、わたしもすき、だいすき」

その反対側は相棒のブラックキューレが舌で奉仕する。凛々しかった少女の瞳は淫蕩に蕩けきっていた。
舌だけではなく唇も強く押しつけ、ハーモニカを吹くようにちゅうちゅう音を立てて舐りあげる。



「ボクも、すき、・・・みんなの味といっしょに、セーシの味、する・・・」

ブルーキューレが、白と黒二人に挟まれて舐られるペニスの先端を口に含み、亀頭をしゃぶり回す。彼女がいうように、そのペニスは五人の愛液を
まとい、そして精液でべとべとになっていたのだが、そのぬめりを嬉々として嚥下する。

「んちゅ、ちゅ、はあ、あん、も、もっと、もっといじってぇ・・・」
「はぁ、ああん、やあん、ゆび、いれたら、おなかのザーメンこぼれちゃうぅ・・・、ん、ちゅぱ、んむうぅぅぅ・・・・・」

レッドキューレとグリーンキューレは、互いに入れ替わるように男とキスを繰り返している。男にしなだれかかる二人の股間には、彼の手がそれぞれの
少女の手によって導かれ、野太い指での愛撫をせがんでいるのだ。






「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ、あっあっ、あああっっあああああああああああっっっ!!!」

ブラックキューレが、四つん這いの格好で男に貫かれている。
そして同時に、彼女の嬌声とは別の、哀れな声が聞こえてくる。

「いやぁあん、はやく、はやくわたしにも、いれてぇぇぇぇ!!!!」

黒の少女の下には、彼女と抱き合うようにして赤の少女。
しばらくは上の、黒の少女を突きまわしていた男だったが、お預けされて泣き叫ぶレッドキューレに乞われて、今度は彼女を貫いた。

そして男は、代わる代わる二人の性器を犯したあと、赤の少女に膣内射精した。その気配を感じ取って黒の少女が悲しむので、やむなく射精途中の
ペニスを抜いて、素早くブラックキューレの子宮に注いでやる。

その二人の隣には、男の巨根をまだかまだかと待ちわびる3人の少女達が、身体を絡めながら控えていた。
彼女たちその性器のどれもが、さんざん注ぎ込まれた精液をびゅくびゅくと噴き零しながらも、まだ飲み足りないとでも言うかのように、新たな牡の
精を待ちわびて蠢いていた。





男が仰向けに寝そべると、その腰の上にホワイトキューレが跨ってきた。

「あはぁ、すご、これ、たくさん、はいっちゃうぅ!!」

自分の体重をかけて男に跨ってしまうと、膣いっぱいを埋めるようにペニスが進入する。ただそれだけ、挿入だけで少女は、背筋をびくりと伸ばして絶頂した。
うねうねと蠢く膣の襞(ひだ)が男のペニスに絡まり、どんどんと男を射精に誘う。

「く、やっぱりすげえな、おまえのマンコ」

「は、う、うれしいな、あ、ありがとう」

アクメに惚け、よだれを垂らしながらもホワイトキューレは、男に誉められた嬉しさを今までにない幸福と感じていた。
もちろんこれだけでこの性交が終わるわけでなく、男は女を下から突き上げた。
女もまた男に応えるように、悩ましく腰をくねらせ、彼のペニスを自分の道具で締め上げていった。

「ああー、もう、ボクも混ぜてぇ」

なんだか二人だけの世界に浸りかけているところに、ブルーが乱入した。彼女は仰向けになった男に添い寝するように寄り添って、彼の胸板や
首筋にキスの雨を降らせていく。同じくレッドとグリーンが男にまとわりつき、その身体を余すところ無く愛撫し始めた。



「ホワイト、すごくいやらしくて、かわいいよ・・・」

最後に残ったブラックは、男の上で激しく腰を揺すっている少女に抱きついて、その唇を吸った。
そして男が射精し、少女の中に何度目かの精液を流し込んだ。もうすでに白の少女は、自分が何度膣内射精されたかもわからないまま、
男の生命のエキスを胎内に受け止め、爆発的な幸福感と共に絶頂した。




「ようし、おまえら、全員にブッかけてやるぞ」

5人を四つん這いにして一列に並べ、思うがままにその尻を抱え犯してきた男は、全員均等に膣内射精をして精子をぶちまけてやった。
一巡してそれでも治まらない男は、さらにもう一巡開始。
そうやってさんざん5人を犯して何度もいかせまくったあと、最後に射精したグリーンキューレの性器で続けざまに射精直前まで扱きあげ、ペニスを抜いた。
そして先程のセリフを発して少女達を促した。並んでいた彼女たちを四つん這いから体勢を変えさせ、5人の美少女の顔を寄せてペニスの前に控えさせたのだ。

「あはぁ、うれしい・・・」
「かけて、わたしにたくさんかけてぇ!」
「せーし、どろどろのせーし、ブッかけてぇ・・・」
「ほしいの、しろくて濃いあなたの子種、たっくさんほしいよ!」
「あなたの精液、たくさんわたしに染みつかせてぇ!!」

口々に自分の精を求める少女達に、男は十分満足しながら、堪えていた埒を解き放った。

「ようし、いくぞっ!!」

ぶしゅうっ! ぶびゅううっっっ!!、びゅううううううっっっっ!!!!

解き放たれた男の精液は、すぐ側にあった少女達の顔にびしゃ、びしゃと叩き付けられ、淫らに汚していった。
あれほど女を犯し続けておいてどこにまだこれだけの精液が残されていたのか、恐ろしく大量の射精だ。
顔だけではなく、髪も、その肌をも白いぬめりで満たしていく。

しかし少女達はそれを嫌がるどころか、嬉々として受け入れているのだ。
初めて女の快楽を与えてくれたこの男を、自分たちが嫁ぐべき主のように仰ぎ見ながら。
まるで、幸福な花嫁のような瞳で。











「それじゃあそろそろ、いくぜ」

と、孕ませ侍は立ち上がり、言った。
彼の側には、立て続けに強烈なアクメを何度も叩き付けられたおかげで、意識も朦朧な5人の少女が折り重なるようにして倒れ伏していた。
そして彼は、脱ぎ捨てていた羽織を拾い上げると、その少女達の衰弱した体を覆ってやった。
男の強い体臭を伴ったその着物のおかげで、少女達は僅かに意識を取り戻す。



その様子を見届けてから、彼はゆらりと少女達に背を向けた。
そして先ほどの言葉、それをもう一度繰り返す。

「俺はもう、行くぜ。だが、もしまた会ったら、その時も思いっきり犯してやるよ」

言葉を句切って歩き出す。そしてしばらくの歩みのあと、ほんの少し少女達を見返ってから、言葉の続き。

「お前ら、いい女だったぜ!」



立ち去る男の背中を見つめながら、5人の少女のうち一人、ブラックがぼそりと言った。

「・・・マジで、惚れちゃいそう・・・」

男の背中を熱っぽく見つめる黒の少女。
レイプされてその相手の男に惚れるなど、まるで頭の悪い少女漫画か、都合の良い成年漫画ではないか。
その言葉を聞いて、同じく身体を重ねて横たわっていたホワイトが、深く溜め息を吐いて、言った。

「・・・ばか」

だが、その少女の言葉面とは裏腹に、彼女は男の着物の匂いを静かに吸い込んで、まんざらでもなさそうに微笑んだ。







左に下げた大小は、見かけ倒しの竹光刀。
しかしそれでもこの男、まごうことなき漢(おとこ)なり。

真中(まなか)に下げた一本刀、その名も高き『漢一文字』!
ひとたび鞘から抜き放てば、群がる女をばったばた、右に左に切り伏せる天下無双の刀なり!

すれ違った美少女に女の幸せを与え、いかな出自の美女も分け隔てなく孕ませる。

男の名も、姓も、知るものはいない。
だが男のことを知るものは皆、彼をこう呼ぶのだ。

強い!
絶対に強い!

強いぞ天下の孕ませ侍!!









バカだけど。



END OF TEXT



嘘次回予告。



その日もまた、月の美しい夜だった。


「ターゲット発見、目標『HARAMASE』を捕捉しました」

「てめえは・・・なかなかのいい女だな!!」

突如孕ませ侍の目前に立ちふさがった一人の少女!
そのクールな美少女っぷりに、孕ませ侍は早速自慢の漢一文字を抜き放つ!!
しかし!

「あなたに『わたし達』を犯し尽くすことは、不可能です」

彼女の背後、暗闇の中を無数の瞳が光る。
その闇の中から、同じ顔形をした少女達が現れる。その数、優に百は越える!!
そして少女達は、その腕を武器に、刀、鈍器、そして重火器に変形させた!

彼女たちこそサイボーグ!
クローン少女の肉体に機械を埋め込み、機械化手術を施した半機械・半乙女の生体兵器達!!

「わたし達には『子宮』がありません。それでもあなたはわたし達を抱くのですか?」

ドリル、チェインソー、レールガン、その腕(かいな)を様々な武器にチェンジした少女達がじりじりと男に迫る!!

もはや!
もはやこれまでか!

いかな無双の孕ませ侍とて、子宮のない女を孕ませることは出来ようはずもない!!

ついに男の剛勇も潰えるのか?!


「くくく・・・」

その絶望的な戦況のなか、男が吼える!!

「ばかやろう、俺は、気に入った女は孕ませねえと気がすまねえんだッ!!」



果たして孕ませ侍は、このサイボーグ少女百人軍団に勝てるのか!?
子宮のない彼女らを孕ませることが出来るのか!?

天下無双の孕ませ侍、これが最後の聖戦か!!
最後の『HARAMASE』、とくと見よ!!




本気にしないで下さい。

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最終更新:2013年10月14日 11:41