カラカラと笑い声が響く。
 ゲラゲラと陰湿な嘲笑の渦がある。
 空は暗く、黒い、泥のように湿った夜がある。

 ——嗚呼、時間だ。

 誰かが叫んだ。
 誰かが笑った。
 笑い声が響き渡るのは一つの島である。
 不可思議なことに、それは森があり、山があり、海岸があり、川があり、海があり、洞窟があり、西洋風の城があり、西洋風の町があり、和風な家もある。
 広い島の中には無数の命のざわめきがあった。
 ただし邪悪な。
 ケラケラと笑い出すそれが空から撒き散らされる供物に震えを上げた。
 もしも空から誰かが見ていれば分かっただろう。
 島の中に見える人々——それが全て滑らかな体つきをした雌だと。
 しかも、よく注意すれば人間ではないのもチラホラと見える。
 獣の如き牙をした女が居る、淫猥な衣装に身を包んだ皮膜の翼を生やした女もいる、黒い法衣服を身に付けた人間の女の姿もあるがその目は邪悪に染まる背徳者。
 其処は魔性の住処だった。
 現世の理から外れた次元の狭間である。
 異端弾圧の手から免れて、退屈な日々を送る女魔たちの楽園。
 争いをしつつも、それを快楽に。
 生きることを退屈としながらも、満たされるためのスパイスと変えて。

 今宵も退屈を消し去るための供物が降り注ぐ。

 それは人間だった。
 十数、数百の男だった。
 神隠しと呼ばれる現象で連れ去られた男たち——それも救いのない、消えても問題のない、強欲で、陰徳に満ち満ちた経歴を持つ犯罪者たち。
 その穢れに満ち満ちて、なおかつ少しは頑強性と耐久性のあるだろう人間を見繕った結果故の人選。
 喝采がある。
 喝采がある。
 意識無く島に落下し、数分後に意識を取り戻した時には彼らは見るだろう。
 飽くなき女の性に、快楽を貪るための肉棒としてしか己たちを見ていない魔性たちの襲撃を。
 最初は喝采が上がった。
 どれもこれもが美人であり、まさしく魔としか言いようが無い豊満なる肢体を持つ女性たちが己を求めてくれるのだから。
 しかし、それは数十分後には悲鳴になる。
 絶叫。
 限界を超えてもなお振り絞られ続ける哀れな人間たちの断末魔の絶叫。
 それが心地よい悲鳴の旋律となり、島を満たしていく——

 だが、気付いたものはいるだろうか?
 その悲鳴の中に甲高い雌の悲鳴と泣き叫ぶ声があったことに。


 数多喰らい・Act.0_A


 目を覚ましたら見知らぬ土地でした。
 などというのは経験はしたことがない。

「ふむ?」

 僕は少しだけ混乱しそうになる頭を振ると、立ち上がった。
 衣服を確認する。
 着古したコートに、最近買え替えたばかりのシャツと下着、それに、ジーンズで、靴下の感触もあるし、靴も履いたままだ。

「おかしいですね? 確かコンビニに買い物に言っていたはずなんですが」

 独り言が多いのは自分の癖だと知っている。
 事態を確認しながら、回りを見てみた。
 ——街、だろうか?
 何度か行った事のあるヨーロッパ風の建築をした家がある。とはいえ、不気味に朽ち果てている。
 作ってからどれぐらい手入れをしていないのだろうか、建物というものに少しだけ拘りのある僕は顔を歪めるのを押さえ切れなかった。
 と、そんな場合じゃない。

「早く帰らないと不味いですね」

 帰りを待っているだろう人たちがいる。
 ならば、帰らなくては。
 外国だとしても大使館にでも駆け込めばなんとかなるだろう。
 そんな考えと共に歩き出そうとした時だった。

「はーい」

「はい?」

 日本語のような、外国語のような、けれども意味の分かる声をかけられた。
 僕が振り向くと、先ほど見た住居の影から一人の女性が出てきた。
 それは美しい女性だった。
 流れるような黒髪は夜闇を溶かして梳いたような艶やかな髪で膝まである、その体を包むのは——なんということだろう。革だ。レザースーツと呼ぶべきか。いや、真実を捻じ曲げてもしょうがない。正直に言おう。ボンテージ服だ。
 一目見るだけで分かる巨大な乳房に、ほっそりとした腰、美しく突き出た尻を包む混むボンテージ服。まるで拘束服、たぷたぷと見ているだけで握りたくなるような白い双球が弾き飛ばしてしまいそうなほど淫ら。
 しかし。
 ——恥女だろうか?

「なんということだ。何度か行ってるけど、最近の国外ではセルフ女王様とか、ストリートキングが流行してるんだね」

「なにいってるの?」

 僕の失望を知らず、その女性は苦笑を浮かべる。
 見れば顔立ちもまた素晴らしい。美の女神にでも祝福されたのか、酷く均整の取れた顔は皺一つ無く、赤子のような肌だった。
 瞳はアルビノなのか、血を思わせるほどの真紅の目。見るだけで背筋がぶるぶると震えてきそうだった。
 ていうか、震えた。

「あら、怯えてるの?」

「いや、少し寒いので」

 気温が低いのだろうか。
 うーん、寒気がする。


「調子が狂うわね」

「はぁ」

 なんか怒られた。
 どうすればいいんだろう?
 と、思っていたら女性がツカツカと歩いてきて、僕の手を握って。

「ま、いいわ。少しは楽しめるでしょ、もーらい」

「え?」

 その言葉と同時に視界が暗転した。
 スパッと映画のシーンが切り替わったような暗転、そして光転する。
 次の瞬間には、其処は違う場所だった。

「えぇ〜?」

 周りを見た。
 それは室内だった。しかも、石壁の室内。
 壁にはなんていうか……手錠とか、足枷とか、革ベルトとか、ちょっと血の付いた染みとか、部屋の中には色々な拷問器具——しかも西洋風、さすがに趣味じゃないのであまり使ったことも無いものばかりある。

「な、なにこれ?」

 まさかこれは怪奇現象!?
 まずい、僕はカメラが無い。幽霊には立ち向かえないぞ!! 無神教だし!!

「うふふ。まだ分からない?」

「分かるほうが難しいのですが、うぇ?」

 バサッと音がして、女性のほうに目を向けると——なんていうか翼がありました。蝙蝠みたいな。
 人間二十年以上生きてるけど、不思議生命体に会ったのは初めてです、ええ。

「あのー、一つお尋ねしますが」

「なに? ていうか、怯えないのね」

「まあ女性ですし、多分。ところで、貴方」

 静かに訊ねる。
 汗が微妙に浮き出ていた。

「悪魔さんでしょうか?」

「当たり。正解には淫魔よ」

 そう告げると、女性——淫魔の彼女は有無を言わさずに僕と唇を重ねてきた。
 柔らかい唇、流れるように舌が入ってきて、僕も思わず吸い付いた。
 クチャクチャと甘く、蕩けるような唾液がある。その舌の感触があまりにもよくて、思わず下半身に熱が篭る。


「あら? 早いわね、もう勃起したの?」

 唇を離して、彼女はにこりと微笑む。

「え、ぇえ。ちょっと情けないんですが」

「なら、少しだけ抜いてあげる。長く楽しめるようにね」

 そういうと、瞬く間にジーンズのベルトが外されて、僕の肉棒が露出させられた。
 一応トレーニングを続けている僕の割れた腹筋の下から出てくるのは興奮に凝り固まったペニスだ。
 ビクビクと興奮して硬直した僕の性器が、ほぅっと彼女に見つめられて恥ずかしそうに震える。いやん。

「大きいわね。すっごく」

「そうですか?」

 他人と比較したことはないので、少し照れる。
 彼女が手の指でペニスを柔らかく握ると、気持ちよくて少し息を吐いた。

「すっごい。親指と人差し指だと握りきれないわ、楽しめそう」

 人差し指と親指のわっかでは僕のペニスは包みきれないらしく、グニグニと両手で擦られる。
 巧みな手腕、しっとしたした彼女の手は触れるだけで興奮してくる。
 嗚呼。はやく——

「んふふ? 乗ってきた? 安心して、私は他の連中と違ってまだ優しいわ。ここなら邪魔が入らないから、たっぷり楽しめるわよ」

 他の連中?
 邪魔が入らない?
 僕の視線に気付いたのか、彼女は答える。

「だってここは私の領域よ。邪魔は入らない」

「へぇー。ってもしかして僕は一生出れないとか?」

「私の許可があれば出れるわよ」

 それはいい事を聞いた。
 ニコリと微笑みながら、僕はペニスにしゃぶってきてくれる彼女に笑いかける。
 彼女の口膣は凄まじく、そう今までに経験したことが無いほどに上手かった。人間外だとこれほどまでに気持ちいいのか、カリ首に当たる唇の感触に、巧みに舐めてくる舌の刺激に、瞬く間に肉棒が痛いほどに怒張してくる。
 けど、まだまだ射精には至らない。だって遅いし、我慢強いからね、僕。
 口技でしゃぶりつくしてくる彼女だけど、中々出さないと知ると。

「んふふ、うぉれならどう?」

 カリ首を舐めていた舌が蛇のように動いて、尖端を責めてきた。
 そして、吸い付いてくる。その刺激に僕はうっと声を上げて。

「うわぁあ!」

 数秒前の余裕を瓦解して、射精していた。
 股間が痛い。溢れ出る射精の感覚に、うっとりとしながら出る、出る、ああ出る。
 彼女の口から零れて、涎のように顎から滴り落ちる、べっとりと白いジェル状の口紅を塗ったようだ。
 けど、綺麗だった。まだ綺麗。まだ汚し尽くしてない。



「うふふ、いいわ。濃い味がする」

 指で流れる精液を集めると、彼女はしゃぶりながら——僕を見た。
 視線が重なる。
 妖艶な光を見た。淫猥な喜びを其処に見た。
 僕は体温が上がるのを理解した、ああ、そろそろ楽しめると全細胞が喝采を上げている。

「こっちに来て。さあ、早く貪りあいましょう」

 そう告げると、彼女は僕の手を取って近くにあった石台の上へと導いた。
 大きさは平均的なベットサイズ、触れると不思議と冷たくない、悪魔の力だろうか。

(これなら幾ら体重をかけてもいいかな?)

 冷静に考えて、僕は内心で微笑む。
 自らを台の上に載せて、静かに股間部分のパーツを外す彼女はまるで——自ら生贄の祭壇に昇る可愛い生贄だった。
 僕は笑う。
 流れるような黒髪で全身を美しく彩り、開かれた股座には見たことも無いほどに綺麗なピンク、まるで宝石のように広がる膣と流れるのは愛液だろうか。

「さあ楽しみましょう」

 羞恥とそれを凌駕する興奮。それに頬を染めた彼女は、白い液体を混じらせた唾液に濡れた舌を出した。

「ええ」

 僕は微笑みながら、彼女の体を押し倒す。
 大きく張り詰めた乳房——柔らかいマシュマロのような乳房、巨大なロケット型というべきだろうか。指がめり込み、吸い付いてくるいやらしい塊。
 ベタベタと汗が浮かんでいる、玉のような輝き、部屋中に灯された蝋燭の明かりでははっきりと見えないのが悲しくも想像を掻き立てる。

「うふふ、乱暴ね」

 この程度の愛撫は慣れているのか。僕の知っている限りだと、初めての人間なら悲鳴を上げる。それが楽しいのに。
 その先端についているサクランボウを覆う革の上から弄りながら、僕は静かに指を動かして——それをひねった。

「ぁぁんっ!」

 鋭い声。
 愉悦に満ちていく体、不思議生命体でも性感は同じらしい。体温が上がっていくのが分かる。
 僕はまあこれらは後でも楽しめると我慢して、彼女の股座に手を差し込んだ。
 秘裂に指を突っ込み、それが濡れていることを確認。指先で押し広げると、その中は綺麗なピンク色の坑道だった。
 入るだろうか? いや、大丈夫だろう。
 何度でも、何度でも。
 僕は邪魔なコートを脱いだ。
 腕が外気に触れて、露出する。鍛え抜いた細くともしっかりとした鉄のような腕だと、この間散々いたぶった子が喜びに満ちながら告げていた。

「入れていいかな?」

「いいわよ」

 試してあげよう。
 彼女の張り詰めた太腿を握り、彼女の膣口を丁度いい場所に動かす。
 ざらりと流れてくる髪が僕の手を滑る、ああ、気持ちいい。
 でも、もっと気持ちいい方法がある。

「じゃ、やるね——遠慮なく」

 挿入。
 ずぶりと他人を突き刺すような快感。


「あひっ!」

 随分と濡れていて、半ばまで一発でめり込む。
 けれど、まだだ。
 もっと押し込め。彼女の肩を抑える、ひっくり返しながら亀頭を押し込んでいく。
 グチャグチャと音を鳴らして、膣肉を抉っていく。ガリガリと、粉砕機のように。

「ぁあ! いい、大きい——ん! そこを、もっと、ついてぇ!」

 貫かれる喜びに、彼女はブルブルと乳房を揺らし、たわませながら、愉悦の言葉を上げる。
 規則的なピストン運動を繰り返しながら、彼女の美しい顔は恍惚に染まっていく。貪っているのだ、快感を、性感を、己の本性のままに。
 だけど、次第にその顔が興奮から喘ぎ声に変わりだす。

「ぁ、はぁ! ん! まだ、まだ大きくなるの!」

 膨らみだすペニス。
 愛液を撒き散らしながら、パンパンと肉と肉を打つ音を洩らして、僕は微笑みながら。

「そろそろ出すよ」

「いいわ、そそいでぇ!」

 叫ぶ。
 その乳房を縛り上げるレザーから胸が零れ出る。
 プルンと露出した白い胸、巨大な乳房を僕は眺めながらも。

(後で沢山食べてあげるよ)

 笑いながら、パンッと彼女の奥までペニスを押し込み——射精した。

「ひぃやぁああああ!!」

 熱い精液が彼女の中に打ち込まれて、弾けるのが分かる。
 ブルブルと彼女の太腿から爪先までもが弛緩したように震えて、触れる僕の肌に刺激を与えてくれる。
 いい。まずは一回犯した。
 じゃあ、次だ。

「さて、続けようか」

「ぁあああ……いいわぁ、もっとぉ」

 ろれつの回らない口に、恍惚に蕩けた顔。
 中出ししてやったというのに、ただ楽しんでいるだけの顔。
 淫魔の名前は伊達じゃないらしい。泣き叫ぶ顔が好みだが、その分楽しめると思えばそれでいい。
 ごぽごぽと精液と愛液が混じった液体が彼女の股からこぼれ出て、石台を汚していく。
 じゃあ、楽しもうか。
 僕は抽挿を開始する。そろそろ体が温まってきたから。
 先ほどまでの小手調べとは違う勢いで肉壺に亀頭を押し込んでいく。



「ん、は、はやく。もっとはやくなるの!?」

 その為に体は鍛えてある。
 彼女の膣を蹂躙するように押し込み、突き刺し、カリ首で引っ掻き回していく。
 ガリガリとその度に彼女の体が揺れる、精液の混じった愛液を吐き散らしていくが、構わない。
 彼女は名器だった。
 どこまでも突き刺してくるペニスにしっかりと吸い付き、擦れてくるいい膣。
 僕の巨根に入らないと泣き叫ぶ女よりはずっといい。
 熱が入ってくる、精液にまみれて、愛液を涙のように零す膣はいい感じに滑り出す。
 さらに力強く押し込んで、少しは言葉をかけてあげるかと思った時——うっかり射精してしまった。

「ぁああああ!!」

「あらあら、出しちゃった。まあいいや」

 中から溢れる、押し込んだ膣の中が少し窮屈になったけど、まあいい。
 涎を垂らし始めた彼女の顔を見て、僕は微笑む。

「じゃ、本番行こうか」

「え?」

 僕は彼女をひっくり返した。
 その乳房を掴み、肩を掴み、ぐるっと回す。軽いね、翼がちょっと邪魔だけど、その太腿を掴んで持ち上げればしっかりと入れる穴は見える。

「くっ、こんな格好で」

「いいじゃない。楽しめれば」

 押し広げた尻、そこから見える秘所は絶景だった。
 愛液が混じり、精液が混じり、だらだらと美味しそうなご馳走を待ちかねる子供のように涎を垂らしている。
 広がった翼の端から、石台に押し付けられて、はみ出た乳房を見える。綺麗だなぁ。

「じゃ、行こうか」

 獣の体位。
 バックから僕は彼女を打ち貫いた。
 パンパンと音を立てて、犯しまくる。

「ぁ、はぁ、凄いいきおぃ!」

「楽しんでもらえるかい?」

「いいわぁ、当たり、貴方はあたりよぉ!!」

 それは嬉しいね。
 ならば、もっとサービスをしてあげよう。
 貫きながら、僕は後ろから彼女の体に圧し掛かる。

「ぁ」

 ほら、このおっぱいが気持ちいいんじゃないかな?
 犯す、犯す、腰の動きを止めないままに、彼女の翼を折らないように気をつけながら、乳をもみしだく。
 その度に膣が締まる、感じているのだ。



「ん、お、おっぱい触りすぎじゃらめぇ!」

「快楽貪るんでしょ? 淫魔なら楽しみなよ」

 過敏に反応する襞を削り上げながら、過敏な僕の分身は喜びの声を上げた。
 そして、射精。
 都合四度目の射精に、中がきつきつになってくる。

「あぁああああ!!」

 精液に喜びを感じるのか。
 ぶるぶると失禁でもしたかのように、彼女は顎を揺らして、達したようだ。
 ようやく一回目。先は長いね。
 でも、まだ時間はあるし。

「もっといこうか」

「ぇ?」

「まだ手ならしだよ」

 犯す。蹂躙する。
 彼女のオアシスのような蜜壺をパンパンと犯しながら、精液を注ぎ込む。
 何度でも、何度でも。
 次第に彼女が喘ぎ声から、悲鳴に満ちていくのが分かる。

「らめぇえ! らんで! らんで、にんげんがぁあ!」

「ほら、まだ失神しないでよ。まだ15回目じゃん」

 少しだけ痛くなった股間の射精感に、結構出したなと思う。
 でも、まだ余裕がある。
 目に入る汗を拭いながら、僕は失禁と潮吹きを続ける彼女を持ち上げて。

「ほら、これで楽でしょ」

 駅弁と呼ばれる体位で、彼女と楽しむことにした。

「も、もう、ゆるしてぇ」

「なんかいった? 僕突発的に耳悪くなるんだ」

 彼女の全身が汗まみれで、弛緩しているけど、膣はそんなこといってない。
 まだ絡みついてくる、犯して欲しいといっている。
 しなだれ掛かってくる彼女の乳房を胸板で受け止めながら、僕はその感触に喜び。

「ほら」

 ドンッと力強く中に突き刺した。
 あひぃっと悲鳴を上げて、彼女が震える。ああ、またイっちゃった。
 でも、いいや。
 許さないし。


「ほらほら、楽しませてよ。淫魔なんでしょ?」

 一回突き刺すごとに精液が我慢できずに膣口を押し広げて、零れ出る。
 その度に彼女は髪を振り乱し、精液でべたついた体でいやいやする。僕から逃れようと手で抵抗するのだが。

「力入ってないね。じゃ、いいって事で」

「ち、ちが——ぁ」

 くちゅくちゅと犯しながらも、僕は彼女を支える手を下ろして——彼女の自重で突き刺した。
 肉棒に返ってくる膣肉の感触に、僕は笑みを浮かべる。
 彼女の体が色を帯びる、汗にまみれ、精液に犯され、愛液に濡れて、その瞳は恐怖に染まっていく。
 それを見ながら、僕は彼女の乳房を舐めて、乳首に吸い付き、激しく愛するのだ。
 そう、これは愛だ。

「次はアナルで愛してあげるよ」

 悲鳴が聞こえる。
 駅弁スタイルから降ろした時、彼女は息を洩らして、転がり落ちるように逃げた。
 床の上を這う、必死に逃げようとする、体力を相当使ったのだろう、翼が弱々しく動いているだけだった。
 その長い髪をひきずりながら、僕から離れようとする。
 だけど、遅い。
 その肩を掴んで、その足を掴んで、抱き抱える。

「ひっ」

「にげちゃだーめ」

 柔らかい、飽きることの無いしっとりとした肌と肉付き。舌で愛撫しながらも実感。
 素晴らしく抱き心地のいい体だった。
 淫魔とはこんなにも素晴らしいのか。ああ、僕はなんで今まで知らなかったんだろう。
 知ってたら——捕らえていたのに。
 今のように。

「ぁぁあ、なにぃ。なんなのぉ!」

「ん? 僕?」

 その綺麗なお尻を広げて、中が綺麗なことを舌で確認しながら僕は告げた。

「そうだね。僕は阿井 真人。覚えておいてね、君を愛する男だから」

 蝋燭の陽炎の中で、心地いい悲鳴が上がる。
 押し広げた尻の中にペニスをねじ込みながら、しっかりと吸い付いてくる直腸に僕は微笑んだ。


「じゃ、愛し合おうよ。何時間でも、何日でも。君が持つまで」




 阿井 真人。
 現実世界では国内で37人にも及ぶ少女及び女性を拉致監禁し、暴行を繰り返す。
 国外では未確認の人間だけでも五十人以上の失踪者に関わるとされる犯罪者。

 しかし、彼の顔は暴かれたこともはなく、誰もその正体を知らない。

 彼の犠牲者になるまでは。



「いやぁあああああっつ!!」

「ここはいい所だね。新しいマイホームにしようか」

 手錠をつけて、足枷をつけて、逃げられぬ壁に押し付けられその尻を犯される彼女。
 それを見ながら、彼は枯れる事無き欲望を吐き散らす。


 気に入った女性を拉致し、己のマイホームで平均二日以上犯し続ける特徴故に。
 彼に捕らわれた女性はこう呼ばれる。

 監獄の住人と。

 そして、壊れ果てるまで愛され続ける。

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最終更新:2013年10月14日 12:03