【簡易説明】

偏屈な郷土作家で有名な街、三ツ旗市。だが、彼の著作には怪物が潜んでいた!
三ツ旗市を混沌に陥れる『恐怖の語り部(テラー)』。その数二十七冊。
異能の力で、街に平和を取り戻せ!

魔獣戦線対魔イベントキャンペーン、『三ツ旗伝奇物語』、ここに開幕!

画像元:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
(このページは、桜楼がEMを務めるキャンペーン退魔イベントの詳細ページです)

【導入】

八幡童孝一之助という作家がいた。昭和の郷土作家だ。
彼は三ツ旗市に生を受けた男だった。
彼は十六まで普通の男だった。平凡で、これと言った特徴のない、どこにでもいそうな男だった。
ある日、孝一之助は突然書斎に引きこもった。家族が問いかけても返事をしない。ただ、用意した食事はちゃんと無くなっていた。
五ヶ月と十二日後、彼は突然家族の前に現れた。

「己れは悪魔に取り憑かれた」

その言葉と何十枚もの紙を残して、孝一之助は再び書斎に閉じこもった。
紙は小説の原稿だった。『孝一之助のものとは思えない筆跡で』書かれた伝奇小説は、吐き気がするほど不気味で、読む者にぞくぞくとした興奮を患わせ、後味の悪い読後感を残す。そんな邪悪なもので、しかし傑作だった。
家族は直ぐにこれを出版した。ただし、原稿用紙の最後の殴り書きに従って。

『此れはこの街の者以外に見せてはならない。さもなければ地獄がこの世に現出する』

『孝一之助の筆跡で』書かれたその言葉は、従わなければならないような威圧を放っていた。
こうして三ツ旗市の図書館に寄贈され、『市民のみ閲覧可能』と但し書きされたその本は、瞬く間に町中の噂になった。
孝一之助はその後も書斎に籠って小説を書き続け、四十三歳で亡くなった。孝一之助の本は全て三ツ旗市に寄贈され、やはり『市民のみ閲覧可能』の但し書きとともに展示された。
今でも、孝一之助の作品は三ツ旗市民に愛されている。

孝一之助は、遺書にこう遺した。

『己れの本がこの街を超えようとした時、その時まで書斎を開けるな。彼れをできる限り封じ込めろ。ただし、己れの本がこの街を越えるのならば、すぐに書斎を開けろ。彼れはこの街を超えて解き放ってはならない』

前市長まではこれを守り、孝一之助の作品を門外不出としていたが、現市長は市のPRのために作品を市外に公開すると宣言した。
孝一之助の孫、英一之助は、その知らせを聞いた瞬間に書斎の鍵を開けた。

そこから飛び出してきたのは、靄だった。闇色の靄を纏った何かが、その時を待ち望んでいたように町中に飛び出していく。そのうちの最後の一つが、英一之助に入り込んだ。

——数時間後、英一之助は暴れ狂っていたところを警察によって取り押さえられた。

警察病院で正気に戻った英一之介は、書斎に置かれていたもう一つの遺書を握っていた。

曰く、あれは人に取り憑いて本を書かせ、本に取り憑いて人を誘惑し、読者に取り憑いて災厄を起こさせる化け物であること。

曰く、孝一之助はそれに作者として取り憑かれていたこと。

曰く、化け物は一つの作品につき一つ生まれ、書斎から開放すれば読者のうちの一人に取り憑き、作品に関連した災厄を起こすこと。

曰く、化け物は宿主を気絶させ、出てきた本体を叩くことで消滅するであろうこと。宿主を気絶させても、本体を叩かなければ、本体はまた新たな宿主に取り付くこと。

曰く、本を人に読ませなければ化け物が己を苦しめ、大勢に読ませれば化け物の被害範囲が広がるため、この街の住民のみという条件で著作物を公開したこと。それについて地獄に堕ちても構わないほど申し訳なく思っていること。

それ以降の文章は、愛する街への懺悔で埋まっていた。

三ツ旗市捜査一課刑事であり、英一之介を取り押さえた男、北上乾人はすぐに署へ報告。そこから報告を受けた警察庁は退魔業者を何人か派遣したが撃退され、トリスタンへ依頼が入った。

生き残った退魔業者は言う。
「あれはまともじゃない。恐怖だ、本の中の恐怖そのものなんだ」と。
このことから化け物たちについた名前は、『恐怖の語り部(テラー)』。
『恐怖の語り部』の数は、孝一之助の著作物と同じ『二十七冊』。
二十七件もの異能事件が、今日も息を潜めながら人を傷つけている。

異能が闊歩するこの街に、今一陣の風が吹く。
それが運んでくるのは、円卓の騎士。世界最強の能力者たち。
一騎当千、鎧袖一触! 彼らが『恐怖の語り部』をぶった斬る!(それ以上にひどいことにもなる可能性がありますよ、『恐怖の語り部』の皆さん。)

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【特殊処理】

退魔フェイズでEPを0にすると、宿主の体から『恐怖の語り部(テラー)』が弾き出される。EPを0にしたものは、『恐怖の語り部』を攻撃して『恐怖の語り部』を消滅させるか、させないか選ぶことができる。これに判定は必要なく、力の消費も行われない。

【用語集】

三ツ旗市:中部地方に存在する閑静な街。郷土作家、八幡童孝一之助で有名であり、たまーに読書好きが彼の本を求めて移住してくる。現市長の『八幡童孝一之助の著作を市外に公開する』宣言によって一度注目を浴びたが、『恐怖の語り部』事件によって撤回宣言がされ、治安以外はいつも通りに戻っている。

『恐怖の語り部(テラー)』:八幡童孝一之助の著作物から生まれた化け物。その作品を読んだことのある人に取り憑き、作品の内容に関連した異能事件を引き起こす。『恐怖の語り部』は元になった作品と矛盾する行動を取らせられると弱体化し、宿主が気絶、死亡するとその体を離れて新たな宿主を探す。このときに『恐怖の語り部』本体を攻撃すると、『恐怖の語り部』は消滅する。

『舞台装置(テイル)』:『恐怖の語り部』が異能事件を引き起こすことで現れる様々な存在のこと。『恐怖の語り部』ごとに異なり、『舞台装置』を生み出さない『恐怖の語り部』もいる。親である『恐怖の語り部』を消滅させることで消える。

【登場人物】

退魔士







NPC(活動中)


北上乾人 きたかみ けんと(28)男 1,2,3

三ツ旗署捜査一課に配属された刑事で、実質的な依頼人。箝口令が敷かれることに納得できず警察庁に直談判しにいった結果、或真とともに街の案内を担当することになった。目つきがとても悪い。あと割と頑固で脳筋。
基本的に警察署で事件の情報の整理をしている。
イベントが終わった次の日にBARマーリンに出没する。

退魔士との関係
熾火咎 (合わない)
夜城望陽 (頼れるやつ)
水戸実 (頼れるやつ)
京月真也(頼れるやつ。だが危険そう)
天衣勇雅(相談相手)
野口さん(変な人)
ヘキサ(トラウマだったが克服)
不知火小忌(女子高生の退魔士……?)

黒家或真 くろいえ あるま(23)男 1,2,3

三ツ旗署捜査一課刑事。乾人の部下。乾人と共に警察庁に直談判しに行き、共に騎士の案内を担当することになった、『恐怖の語り部』によって親友を失った男。普段は冷静だが、『恐怖の語り部』がらみになると途端に理性が吹っ飛ぶ。イケメン。
第一話で『恐怖の語り部』に取り憑かれて殺人を起こしていた。そのことに気づいて自殺しようとしたが、退魔士との戦いによって『恐怖の語り部』を消滅させられた後、水戸実の説教によって自殺が親友を苦しませるだけだと気づき、取りやめる。

退魔士との関係
熾火咎 (自分を止めてくれた人。吹っ切れるきっかけを作ってくれた)
夜城望陽 (自分を止めてくれた人)
水戸実 (人生の師)
京月真也(危ない人)
ヘキサ(子供……?)
不知火小忌(JK……?)

八幡童英一之助 はちまんわらべ えいいちのすけ(26)男 1,2,(3)

郷土作家、八幡童孝一之助の孫。『恐怖の語り部』を祖父の遺言とはいえ解き放ってしまった人物であり、最初の被害者でもある。『恐怖の語り部』事件の重要参考人として、騎士たちに祖父の作品の情報を与えてくれる。
が、何かと空回りしていることが多い。

退魔士との関係
夜城望陽 (爺様の本を勝手に読もうとしているやべーやつ)

玻璃坂標 はりさか しるべ (27) 1,3

三ツ旗市内で探偵をやっている胡散臭そうな男。サボり魔。
よく殺人事件に巻き込まれる。

退魔士との関係
水戸実 (友達!)
ヘキサ(ねこたんかわいい)

朝倉一音 あさくら かずね(16) 1,3

標の助手をやっている女子高生。サボり魔の標を止めることはない。

退魔士との関係
水戸実(先生の友達)
ヘキサ(ねこかわいい)

鈴鳴神威 すずなり かむい(18) 2,3

2話で親友が死亡し、3話で姉が誘拐された高校生。シスコン。

退魔士との関係
水戸実 (優しい人)
熾火咎(自分と同じような人)

鈴鳴歌織 すずなり かおり(20) 2,3

神威の姉。自分にべったりな神威を心配している。
3話では雪松に監禁されていたが、無事救出された。

退魔士との関係
水戸実 (優しい人)

鎹井ひいろ かすがい ひいろ(19) 2

2話で『恐怖の語り部』に取り憑かれた大学生。
恋人である正一とはラブラブ。

退魔士との関係
京月真也(怖い人)

綾野正一 あやの しょういち(21) 2,3

ひいろの恋人。彼女の能力によって死にかけたが無事蘇生した。

退魔士との関係
京月真也(関わりたくないタイプ)
不知火小忌(しっかりしてる子)

ラウール(?) 2,3

喫茶『バンパネイル』のマスター。

NPC(リタイア)

テイル

第一話で或真に取り憑いていた『恐怖の語り部』が生み出した、或真の裏人格。
退魔士たちによって本体を消滅させられたため、消える。

緋村雪松 ひむら ゆきまつ (19) 3

第三話で歌織を監禁していた大学生。
退魔士たちによって取り憑いていた『恐怖の語り部』を消滅させられ、逮捕される。

八幡童孝一之助の著作物

『復讐鬼の懺悔』
友を事件で亡くした警察官の男は、その事件の犯人を捕まえるために奮闘する。しかし、事件の犯人は自分の裏人格であった。もう誰も傷つけないように、男は自殺する。

『心中未満』
ある男と叶わない恋をして心中したが、自分だけ生き残ってしまった女性の霊が、愛し合う者達の片方だけを呪い殺していく。

『愛の折』
監禁癖を持つ青年が様々な女性を監禁しては殺していく話。

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辞典 ゲーム
最終更新:2021年09月23日 15:11