仕事始め(去年の今頃、某所に投稿した作品です。今の俺には作れない、ステキな作品だ……自分で言うのもなんだけど、同じ人が作ったとは思えない……)

●郵便局の仕事始め。


ほとんどの郵便局が4日から仕事始めだ。
だが確かに客の観点では4日からだが、一部の郵便局員さんは元旦から仕事を始めてくれている。
お疲れ様です。

●自動販売機の仕事始め。


自動販売機は365日仕事を始めています。
自動販売機は決して「私を愛してくれ」とは求めません。
自動販売機は決して「私を認めてくれ」とは求めません。
雨の日も風の日も、ただ待ち続けるんです・・・。
誰かが自分を愛してくれるのを。

●空の仕事始め。


空は、見上げたら365日存在してくれます。
いつも、仕事を始めてくれてます。
青かったり、白かったり、黒かったり、赤かったり、黄色だったり、曇ってたり、泣いてたり、色んな表情を僕らに与えてくれます。
ありがとう、空。

●川の仕事始め


川も空と一緒で働き者です。
いつでも川は眺めれば水の恵みを僕等に与えてくれる。
しかし、近年の熊本白川はどんどん埋め立てられ、心做しか色も汚くなっている気がする。
これは、川の職務怠慢なのだろうか、それとも。
というか、我々人間は、どれだけ川・・・自然に対して『営業妨害』をしているのだろうか。

●公衆電話の仕事始め


昔はみんなの人気者だったのに、今は誰からも見向きもされない公衆電話。
気がつけば同僚たちの姿も減ってしまっている。
いつでも「仕事始めのスタンバイ」はしているのに、始まる事が無いその姿は、
窓際族のようで哀愁が漂っている。
「公衆」が「携帯」に変わるだけで、大晦日も元旦も関係無く働いてる人気者なのに、だ。
それでも誰かが自分を必要としてくれるのを365日ただ待ち続ける、公衆電話。

●コンビニの仕事始め


「コンビニは街の冷蔵庫」という名言があるので(俺の世界には)、
冷蔵庫もコンビニも24時間働いてくれてます。
ありがとう、家の冷蔵庫。ありがとう、街の冷蔵庫・・・。

●車の仕事始め


車もまた働き者です。仕事納めがありません。仕事始めもありません。
大晦日だろうが元旦だろうが田中の誕生日だろうが、走って(始まって)ます。
車の中で神様からお迎えをされる者も少なくないです。
車に轢かれて神様からお迎えをされる者も少なくないです。
車に惹かれて車を神だと崇める者も少なくないです。



最終更新:2012年01月04日 20:22
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