生涯に渡り浪漫的な音楽に傾倒し続けたボッタキアリ、その作品の中で、瞑想曲『夢の眩惑』と並びマンドリンオリジナル作品の最高位に位置し、斯界の至宝として古くから愛好されているのが本曲『交響的前奏曲』である。ボローニアのIl Concerto誌から出版された作品で、骨組みのしっかりした構造と重厚な和声に支えられた大曲である。全体を貫く1つの主題が強い主張を持ったまま様々に姿を変え、時には激しく、時には幽玄に繰り返される様はまさに作者の面目躍如といったところであろう。当時は大人数であっても今日のマンドリンオーケストラよりも低音の薄い編成が多かったと思われるが、本曲の素晴らしさはどのような編成であっても、その編成に応じて様々な方向から光が当たるとそれに応じて輝くプリズムのように、様々な魅力を生み出すところにある。指揮者によって、合奏団の人数、音色、奏法、テンポあらゆる要素によって全く違う側面を見せてくれるという点で他に類を見ない作品と言うことが出来よう。
(コンコルディア様より)
団体名 | 演奏日時 | 場所 | リンク |
Bottac Mandolin Orchestra | 2015年1月1日 | 東京オペラシティコンサートホール | 演奏会情報のリンク先 |