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作者:二律背反


その人はあなたか、それは模倣か


 人格のバックアップデータ、「コピー」の作成が認められた時代。作成されたコピーが目覚めを迎える条件は、オリジナルの死である。
 そうして、里巳(さとみ)の娘であり剣人(けんと)の母、柊 美紀(ひいらぎみき)のコピーもまた目覚めた。しかし彼女はある時、【活動】でも【眠り】でもなく、【消去】を希望する。
 人ではなくただのデータ。その人であると信じたい。二つの認識の間で揺れるコピーの存在を巡り、様々な思いが交錯する中で、里巳や剣人が出した答えとは、そして美紀の出した答えとは。

 2018/2/6に第一話が投稿されたシリーズ作。完結済み。氏が公開済みの小説をマンカケで表現したものであるらしい。
 社会へ完全には受け入れられていないコピー当人の抱える寂寥感や不安感、コピーの関係者である家族の動揺を、演出より文章主体で描くのもベース由来のものかもしれないが、それ自体が人物の静かな葛藤を演出しているとも言える。
 VR技術が発展し続けている昨今、これも他人事ではなくなるかもしれない今だからこそ、リアリティを以て読者に訴えるものがあるだろう。

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最終更新:2019年07月07日 13:58