ただ、選んだ結果に過ぎない
人類の生み出した科学の力は、世界から不思議を消滅させた。
しかし「この世の生みの親」日野 行久(ひのゆきひさ)は、その犠牲となったものを唯一知る事となる。
彼の選んだ結末が人の世にもたらすものとは。
2019/06/13投稿。読み切り。
「ダーク」タグが表す以上に、縋る希望の無い内容である。
「説明不足は否めない」とする上ではあるが、この物語における「正否」「善悪」は全て読者に委ねられている。
完成作品としてはあまり好ましくない手法だが、難解部分の解説がこの場に設けられているので解釈の一助とすると良いかもしれない。
ジャンル
小ネタ・難解部分の解説
本作品の多大なるネタばれの為折り畳み、読後推奨。
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「そのすべて」とは
行久の言う「そのすべて」とは、「人類によって生み出されたものと、人類そのもの」を指す。そして「いずれ全て潰えるもの」としている。
人類とハルを天秤にかけた行久はハルを選択し、人類に反旗を翻したただ一人の人物である。
ハルを救う為に人類が滅ぶよう仕向けた行久が善人か悪人か、賢者か愚者かは、読者によって見解が分かれるだろう。
尚、その指標の一つは「人類史上主義か否か」だと氏は述べている。
桃色の花「愛情」は何故絶滅したか
愛情とは、言い換えれば「悪事も厭わぬ利己主義」でもある。
その利己主義を防止する目的で、この世界の人類は愛情を限りなく削られている。よって配偶者を求める目的も子孫繁栄でしかなくなっている。
感情が復活する事もある為、定期的に咲かせては剪定していた。
花の色と司る感情
七つの大罪と枢要徳がモデル。対応表は下記。
(色:感情:失うと起こり得る主な現象)
- 青:信頼:疑心暗鬼
- 緑:耐性:精神薄弱
- 赤:柔軟性:固執・固定観念
- 水:探究心:向上心の欠如
- 黄:警戒心:無防備
- 橙:理性:暴走
- 桃:愛情
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最終更新:2019年06月17日 19:53