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『カーメイ氏、方向攪乱についてあまり語らず』



「能力の原理ですか…」

カーメイ氏はそういって、
左手を顎に当て右手で肘を抱えるいつものポーズをとる。

伝統的な和室。
まだ肌寒い季節ながら戸は開け放たれ、
庭に面した縁側から淡い光と冷たい空気が流れ込んでいる。

「もともと超能力なんて、
原理をすっとばして機能のみを発揮するからこそ超能力なんで、
方向を狂わせるったら、もうそれでいい気もするんだけどね。」

客人は若い男性だ。
20代前半、典型的なリクルートスーツ。
これと言って特徴のない、やや細めの、どこにでもいる営業マン、
そんな風貌である。

「ただどうもそう言う事が気になって気になってたまらない、
ってのが、あの婆さんなわけでさ」

初老の紳士であるカーメイ氏に対して、少々不遜な、砕けた口調。
正座が苦手なのか、胡坐をかき、座布団を抱え肘当て代わりにしている。

「12期についての研究というのは意外なほどにあまり進んでないのが現状です。
その中でも特に野中美希という女性に関しては、まだまだ謎が多い。」

「ふーん…」


「研究当初においては空気調律とも言われていましたが…
例の大戦の際の記録が出たことによって、この説はすでに否定されています。
一方、重力操作説、精神干渉説…どれも憶測の域を出ません…
結論から言えば、わからない、そうお答えするしかない。」

「だよねー。俺もそういったんだけどね。
あの婆さんは、納得しねーだろーなー…。
ま、いいや、この件はなんとかごまかしちゃおう。
どうせもう半分ボケてんだからあの婆さん。
適当に別のおもちゃ与えとけばおとなしくなるって。さて!」

若者がおもむろに立ちあがる。
「じゃ俺そろそろいくわ。わざわざ時間取ってもらって悪かったね。」





投稿日:2015/02/27(金) 18:47:26.39 0





















最終更新:2015年02月28日 11:09