■ ヘッジホッグ -石田亜佑美X石川梨華- ■
「おどろいた。銃が撃てる【獣】?
アナタすごいの持ってるのねえ。」
石川梨華が芝居がかった態度で大げさに驚いて見せる。
「でも、いまのは、たった2本。
アナタのその豆鉄砲みたいなのは?ああ10丁だけだったわね。
10丁あって、こっちの2本に精一杯って感じじゃない?
じゃあ次、こっちも10本に増やしちゃおうかしら…」
石川の周囲にうねる触手。
立ち上がり、反り返り、その先端を奔らせるべく、力をためる。
『スカークロウ!フォワード!』
案山子は石田を背に、迫る触手を阻まんと一歩前へ。
「さぁ!おてなみぃ!はいけええええええん!」
殺到。
10の触手がうなりをあげ、石田と案山子に殺到する。
完全不利な状況。
だが、ドヤ顔は、崩れない。
『スカークロウ!フルバースト!』
号令に案山子が応える。
無言の了解を、その身に示す。
それは正に、針鼠のごとく、
全身から、無数に生え連なる―――
―――フリントロック、フリントロック、フリントロック!
火力を、数で、補う。
『エイミーング!ファイヤ!』
大轟音
10の触手の、その先端が。
爆ぜ、爆ぜ、爆ぜ、四散する、霧散する。
飛び散り、舞い散り、消滅する。
『リロード!』
無数の銃が滝のごとく抜け落ち、瞬時に新たな銃へと生え変わる。
『エイミーング!』
針鼠の、その針が。
無数の、銃口が。
先端を失った、その触手の根元、石川梨華へと。
『ファイヤ!』
投稿日:2015/03/08(日) 16:52:15.14 0
最終更新:2015年03月08日 18:45