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『過去に託された想い』



「リゾナンターの光井愛佳さんですね?」

街灯と月明かりに照らされてる夜道を歩いてくる女性に声をかける。

「そんな身構えないでくださいよ、争うつもりはありません。」

とは言ったものの彼女の警戒心はとれる様子はない。

「なんで愛佳のこと知ってるんや?ダークネスか?」
「いえ・・・、私は今のあなたを解放する為に未来からやってきました。」
「フッ・・・未来?アホかあんた?」

やっぱりこうなる・・・。
未来から来たなんて言って簡単に信じてもらえるわけがない。
どうやって信じてもらうか・・・これが面倒くさい。

「私はあなたが未来を予知する能力を持ってることを知ってますよ?」
「そりゃリゾナンターって知ってるくらいだから知ってるとは思ったけど・・・
 アホなことばかり言ってなにが目的や?」

あんまりアホアホ言われるとイラっとするなぁ。
この人がホントにあの光井さんなんだろうか。

「私は未来のあなた、光井愛佳さんに過去に行って未来を変えるよう指示されました。」
「意味分からんことばかり言うな、そもそも簡単に未来と過去を行き来できるわけないやろ!」
「未来ではそういう装置があるんです。過去に行くことが可能なんです。」
「そうだとしても、なんで未来の愛佳があんたにそんなこと頼むんや!」
「私はリゾナンターであたなの後輩だからですよ。光井さん。」
「はぁ?」
「未来では光井さんをリーダーとするリゾナンターは、ダークネスと戦ってます。」
「愛佳がリーダーって高橋さんは?他のみんなはどうしたって言うんや?」

私は未来で起こっていることをすべて話した。
この過去に存在するリゾナンターで残っているのは光井愛佳だけということ。
そしてダークネスとの戦況は悪くなっているということ。






「ふーん、その未来を変える為にあんたが来たと?」
「信じてもらえましたか?」
「そんな簡単に信じられん。」
「今だって、未来の光井さんが今日の“この時間”に“この場所”に来ればあなたに会えると教えてくれたからここにいるんですよ。」
「未来の愛佳がねえ・・・」

まだ信じてもらえたとは言いにくい。
それでも警戒心は薄くなってきたように見える。

「それでなんですが、光井さんにはリゾナンターを辞めてもらおうと思うんです。」
「・・・はい?」
「今、光井さんがリゾナンターを辞めてくれればいいんです。それだけです。」
「今のリゾナンターで、あなたがいた未来に残ってるのは愛佳だけって言ったよね?」
「はい。」
「未来のリゾナンターを助ける為に来たんだよね?」
「いえ、それは違います。」
「えっ?」
「光井さん、あたなだけでいいんです。他のやつがどうなろうとあなただけ助かればいいんです。」
「えっと、愛佳はそんな指示をあたなに出したんか?」
「いえ、これは私の勝手な判断です。」


確かに・・・訪れたリゾナンターの未来より少しでも良くする為に。
ダークネスとの戦いを有利にする為に。
そのために私は過去へ来た。
でも私は光井さんに恩がある。

「未来のあなたは私を救ってくれました。
 能力の使い方も指導してくれました。
 私は未来のあなたを本気で慕っています。」

光井さんの為なら死んでもいい。
この気持ちは嘘じゃない。

「だから未来のあなたが苦しむくらいなら、そんな未来訪れなくしようと思いました。」

きっと、未来の光井さんも分かってくれる。
喜んでくれる。

「それが愛佳の為?」
「そうです。今のリゾナンターから離れて光井さんは平和に自由に暮らすんです。
 もう戦うことはありません。危険な目にもあいません。」
「未来の愛佳はそんなこと望んでるって言ったの?」
「いえ、そうとは言ってないですが・・・」
「あんたに未来の愛佳の考えてることが分かるんか?
 あんたに未来の愛佳の過去が分かるんか?」
「いえ、そういう能力は持ってないですけど、あんな苦しい戦い誰もが嫌なはずです。」

私自身ダークネスとの戦いは辛い。
リーダーとしてリゾナンターを引っ張る光井さんなら尚更だろう。


「戦うのは嫌やけど、リゾナンターを辞めることはもっと嫌やと思ってるはずやで。」
「いくらあなたでも未来のあなたのことは分からないでしょ!」
「詳しくは分からないけど、少なくとも未来の愛佳は未来を変えようとは思ってないはずや。」
「未来を変える気がない?」

未来を変える気がないわけがない!
変えるつもりがないんだったら私を過去に行かせないはず。

「私はもう過去に来て過去の光井さんに会っちゃいましたよ?
 この意味がわかりますか?もう未来は形を変えているということです。」

今ここで起こっている出来事は存在しなかった過去だ。

「未来を変える気がなかったら私を過去に行かせないはずなんです。
 ここであなたに会わせなかったはずなんです。」
「それは違うで。」
「は?」
「未来の愛佳は、今日の“この時間”に“この場所”に来れば今の愛佳に会えるとそう言ったんやな?」
「そうですけど・・・」
「愛佳なぁ、昨日もここ通ってるんや。
 毎日は通らんけどな、しょっちゅう通るねん。
 いつ何時にここ通ってるかなんて覚えてないわ。」
「・・・」
「それが今日“この時間”に“この場所”にいることを覚えてたってことはどういうことか分かるか?」

もしかして・・・

「愛佳が今この瞬間に忘れもしないようなことを経験してるっちゅうことや。」
「それじゃあ・・・」
「あんたの言うことが本当なら、今のやりとり、間違いなく未来の愛佳も経験してるはずやな。」


返す言葉が見つからなかった。
こっちの光井さんの言うとおりな気がしたから。

「未来の愛佳幸せなんやろうな。」
「え?」
「だってあんたみたいに慕ってくれる後輩がいるなんて嬉しいやん。」
「ちょ、いきなり、な、なに言ってるんですか!」
「おー、照れてる、照れてる。」
「茶化さないでくださいよ!
 けど、私これから何をすれば良いか分からなくなりました。
 未来を変えろと言われてこっちに来たのに、そう指示してくれた光井さんは未来を変える気がない。」

このまま、未来に戻る?
でもこれだけの為に過去に行いくように言われたとは考えずらいけど。

「どんだけ先の未来から来たか知らんけど、1年や2年先の未来やないんやろ?
 正直言って、そんな先の未来のこと“今どうすれば変わる”とか、“今どうすれば変わらない”とか分からへんと思わん?」
「そんな・・・」
「だから、思うままにやったら良いと思うんや。」
「思うまま?」
「そう、さっきは未来の愛佳は未来を変える気がないって言ったけど、
 ホントはその未来を誰も欠けることなくみんなで迎えたかったと思ってるはずなんや。
 それでも、同じ過去を繰り返す為にあんたを過去に行かせたのには理由があると思う。」
「理由・・・」
「だから愛佳も思ったままに一つ提案したいんやけど、いいか?」
「はい。」

光井さんの提案。
それは私が想像もしないようなものだった。

「こっちで少しリゾナンターやってみない?」


未来には戻らずにしばらくリゾナンターとして活動。
そして、光井さんが慕ったメンバーと一緒に時を過ごしてみないか、とういう提案。


過去に来て、リゾナンターになって生活するなんて考えもしなかった。
でも、そう提案してリゾナンターのメンバーについて語る光井さんを見たら悪くない気がした。
嬉しそうにメンバーのことを話す顔は、未来の光井さんと同じ。
この光井さんの言うとおりにすること、それが未来の光井さんが望んでいることかもしれない。

「今からリゾナントに、みんなが居るところに行くんやけど、来る?」

私はこっちの光井さんと一緒に喫茶店“リゾナント”に向かうことにした。
これが私が過去に送られた意味だと信じて。
光井さん、少し待っててください。
今よりも、強く、頼りになる人間に。
そして、あなたが慕い愛してやまないメンバーとともに過ごし真のリゾナンターになって戻ります。

「そういえば、あんたの名前聞いてなかったな。」
「あっ、そうでしたね。私の名前は・・・――――――――






以前あったフクちゃんは未来から来たリゾナンターとうい設定を少しお借りしました
とはいえ9期メンバーのことはいまだに詳しくないのでこういう形になりました
まだリゾナンターとしては9期を受け入れられない(現実では受け入れてます)一住人ですがこの設定は凄く印象的でした
あと愛佳の関西弁がイマイチなところは勘弁してください








最終更新:2011年08月26日 19:36