パクリパクラレロワイアル


 パパス編 その1(この話はドラクエ5をプレイした人向けの話です。そうじゃない人は読み飛ばしてください)


パパス「何だ……この有り様は……」

パパスは見慣れた筈のサンタローズの村が焼け野原に変貌してしまっていた事に愕然としていた。
パパスは覚束ない足取りで、村の中を歩く。
建物は瓦礫の山、木々は焼かれ、自らの住んだ家も焼かれてしまっていた。

パパス「一体何故……」

老人「おぬし……もしや、パパス殿か……!?」

杖をついた老人がゆっくりとパパスに近寄る。
パパスはその老人の顔を覚えていた。
舟番をしてくれていた老人である。

パパス「御老体……生きておられたか……」

老人「やはり……おぬしの息子から、パパス殿が死んだという話を聞いておったが……おぬし程の男がそう簡単にくたばる訳ないものなぁ」

パパス「息子は……無事なのですか?」

パパスの脳裏に、自らが命を懸けて守った息子の顔がよみがえる。

老人「うむ……だいぶ昔になるがのう……逞しい男に成長しておったわい」

パパス「……そう、ですか……」

パパスの目頭に熱い物がこみあげてくる。
同時に彼は違和感を覚えていた。

パパス「……私の息子はまだ6歳のちびっ子ではなかったですか?」

老人「何を言っておるんじゃ? それはもう20年くらい昔の話じゃろ……そういえば、パパス殿は20年前と全く変わらんのう」

パパスは頭をハンマーで殴られたような強い衝撃を受けた。
同時に、バラバラになったパズルのピースが繋がっていくような感覚も覚えていた。

パパス「すまない……御老体よ……この村に一体何があったのか……私の息子の事……お聞かせ願えぬだろうか」

老人「ふむ……何やら事情があるようじゃの。どれ、立ち話も何じゃ。わしの家まで来るがよい」
最終更新:2015年01月29日 21:56