9話


「うっしゃ、今のうちに!」
無頼が2階に行くのを確認すると、浩介は玄関に向かった。
『ヵチャヵチャ』
出来るだけ音を立てず、それでいて素早く鍵を外す。
(来たー!)
戸を開き、2,3歩進むと―――

『ドォオオォオオーーーン!』
地響きが鳴った――黒い塊が落ちてきた――恐る恐るソレを見下ろすと―――無頼だった。
不良特有のヤンキー座りをしながら浩介にガンを飛ばしてきた。

「ぁぁ――――――」
生きた心地がしなかった。
見上げる無頼と目が合うと―――腰が抜けた。

『ブゥン』
なぎ払われる無頼のサバイバルナイフ―――

―――へなへなと崩れ落ちて、辛うじて避ける浩介。

立ち上がる無頼―――動けない浩介。

そのまま、無頼が浩介の上にのしかかってきた。



(お―――重い―――)
よく見ると、無頼は白目を剥いて気絶していた。

無頼をどかすと、鉄パイプを片手に一息つきながら、こちらを見下ろす―――
女子15番 松本 茜(まつもと あかね)が居た。

      男子6番 工藤 無頼  気絶
最終更新:2012年01月04日 01:56