11話
「キェーーー!!」
突然、男子5番 木戸 勇気(きど ゆうき)が木の上から襲い掛かってきた。
「ぬぉっ!」
不意をつかれたものの、それを辛うじて避わし距離をとるのは、男子13番 生徒会長 永井 等(ながい ひとし)
「ながいィ! テメー、覚悟しろやぁ!」
勇気が武器を構える。
それを見て、頭を抱える永井―――
「お前なぁ、それ、お前の支給品か?」
やれやれ、と、ため息をついた。
「う――うるせぇ! ハンガーで悪かったな!」
ギリギリと歯軋りをしながら、
「お前こそ、何なんだよ、支給品!」
永井に対して、指を『ビッ』と示す。
「むっ・・・これだが・・・」
ごそごそとポケットを弄ると、例の網タイツを取り出す。
「ぷっ――くっく―――ぎゃーーはははははは!!」
腹を抱えて笑う。
(笑われた・・・やはり、これが普通の反応なのか?)
頭を抱える。
「馬鹿だぁ、テメーはぁ! 死ねやぁ!」
大きく目を見開き、ハンガーを振り下ろす。
だが―――
『フゥン!』
永井が素早く拳を横に振るうと『ゴッ』と、鈍い音がして勇気の頭が斜め横にずれる。
勇気の動きが止まり、『ドサリ』と、その場に倒れた。
「悪いな―――敵意の有るヤツに容赦はしないんだ」
ずれた眼鏡を戻す。
編みタイツの中には、小石やら、小銭やらがじゃらじゃらと入っていた。
始めのうちは、泡を吹き、ぴくぴくとしていた勇気だったが、やがて動かなくなった。
男子5番 木戸 勇気 死亡 残り34人
最終更新:2012年01月04日 01:57