15話
「カスイな・・・」
血に染まったナタを片手に、空を見上げる 女子14番 布川 美沙(ふかわ みさ)
その足下には、脳天を割られて事切れた 男子10番 高崎 一郎(たかさき いちろう)が転がっていた。
「・・・ふぅー」
愛用の煙草を吸う。銘柄は、ラッキーストライク―――
美沙は、周りから不良と呼ばれる類の人間だった―――だが、本当は気の弱い少女であった。
(願をかけているんだ―――これを一本吸うと勇気が湧く。そんな気になれるんだ。)
美沙は、いつもそんな風に思い、ラッキーストライクをポケットに忍ばせていた。
「―――?」
何となく、後ろに誰か居るような気がした―――だが、誰も居ない―――
転がっている高崎を見る。
「コイツは・・・死んでいるよな」
そして、顔を上げると―――男子19番 螺川 旋(らがわ せん)が居た。
「お、お前―――」
後ずさり、ナタを構える美沙―――
「・・・・」
無言のまま1歩踏み込み、刀を抜く―――
閃が走った―――
『ボタリ』
美沙の両腕がナタごと地面に落ちる。
「―――――!」
苦悶の表情を浮かべたまま、美沙の首が宙を舞った。
男子10番 高崎 一郎
女子14番 布川 美沙 死亡 残り31人
最終更新:2012年01月04日 09:12