27話
「なんだ、これ・・・・」
男子1番 秋下 徹(あきもと とおる)は、絶句していた。
そこら中血だらけで、腕と首の無い女の死体。
斧のようなもので、頭をかち割られ、カッと目を見開いた男の死体。
まるで、常軌を逸していた。
「本当に殺しあってるんだ・・・」
今まで、遠いところで悪夢が起こってる程度に思っていたが、実際に死体を見てみると、それを実感できた。
「高崎くん・・・布川さん・・・」
物言わぬ骸になってしまったクラスメイトの名を呼ぶ。
左手に抱いた子猫を少しだけ強く抱きしめた。
「にゃあ」
「誰かが殺して回ってる・・・」
どう見ても相打ちには見えない二人の死に様。
未だ見ぬ殺人鬼。
「怖い・・・・けど・・・」
(だけど、本当に悪いのは、その人じゃないんだ・・・)
その事を自分は、決して見失ってはならない。
見失ってる仲間が居れば、正してあげればいい。
最終更新:2012年01月04日 16:55