42話


「ザマァミロ!!」
男子2番 伊藤 麗司(いとう れいじ)は、かつて自分の苛めていた川井潤を遺体を蹴り飛ばした。
暗視ゴーグルを装備した彼は、暗闇の中もスイスイと動ける。
そして彼は何度も何度も恨みを晴らすように執拗に蹴り続けた。
「へへ・・・ゼェゼェ・・・・この手で殺せなくて残念だったけどな・・・このくらいで勘弁してやるか・・・」
(クラス内で俺に嫌がらせをしてたのは、あとは矢島・・・いや、クラスの奴等見て見ぬふりをしてるんだ・・・・みんな殺してやる・・・)
どす黒いものを心に秘めて、麗司は獲物を探す為に歩き出す。
「・・・・お?」
獲物を見つけて、ニタァと口の端を吊り上げて笑う。
『パンッ! パンッ!』
「ぎゃあ!!」
彼の拳銃グロッグ23から放たれた銃弾は、何者かを捉えていた。
その証拠に、男の悲鳴が上がる。
自分の撃った弾が獲物に命中した事に興奮を覚え、麗司は手負いの獲物に近づく。
「チッ、矢島じゃない・・・・」
それは、男子18番 横井 保(よこい たもつ)だった。
保は、恨めしそうに麗司を見ると再び、悲鳴を上げた。
「だ―――誰だよ・・お前・・・何で俺を撃つんだよ!?」
見た事もない生徒を見て、混乱しながら喚き散らす保。
それもそうだ。
麗司は、登校拒否をしていたのだ。
その存在を認知すらしていない生徒もいる。
保もそのひとりだった。
しかし、彼は暗視ゴーグルを頭に装備している人間が誰か分からない為に、この発言をしたのだ。
だが、その一言が麗司の逆鱗に触れる。
「オマエののクラスメイトだよ・・・登校拒否児だけどな」
『バン!』
「ぎゃあ!!」
麗司のグロッグが保の腹に命中した。
「いてぇ・・・・いてぇよ・・・・」
泣き出す保を見て、麗司は更なる興奮を覚えた。
「なるほど・・・こりゃ楽しいわ。弱い者いじめする側の気持ちがやっと・・・分っかったぜぇ♪」
『ドゴッ!』
麗司は、撃たれた保の腹を更に蹴りつける。
再び、保の悲鳴があがる。
「もっと楽しみたいけど、まあ、オマエだけに構ってられる程に暇じゃないんだ。ウヒヒ・・・サヨナラ――名も知らないクラスメイトくん♪」
『バンッ!』
今度こそ、麗司のグロッグは保の頭を撃ち抜き、その命を奪った。



男子18番 横井 保(よこい たもつ)   死亡  残り18人
最終更新:2012年01月04日 22:11