k87s6

A,B,C 3人がいて,それぞれ,赤札と白札を1枚ずつ持っている.この状態から出発して,次のような札の移動を何回か行う.
各回の移動では,AはBに,BはCに,CはAに,持っている札2枚のうち1枚を無作為に選んで,同時に渡す.
(1)何回かの移動の後起こりうる札の状態を全部書き上げ,それらにF_0,F_1,F_2,\ldotsというように記号をつけよ.ただし,最初の状態にはF_0をつけよ.
(2)上で得た各状態F_iから1回の移動でF_jになる確率p_{ij}をそれぞれ求めよ.
(3)最初の状態からn回移動したとき,F_0の状態にかえっている確率q_nを求めよ.

(1)
A,B,Cの持つ赤札の枚数を(k,l,m)で状態を表す.白札の枚数はそれぞれ(2-k,2-l,2-m)である.
F_0:(1,1,1),F_1:(2,0,1),F_2:(2,1,0),F_3:(1,2,0),F_4:(0,2,1),F_5:(0,1,2),F_6:(1,0,2)

(2)
(i)i=0のとき
A,B,CがB,C,Aに渡す札の色が全て同じで(赤,赤,赤)か(白,白,白)となる確率は\frac14でこのときF_0となる.
A,B,CがB,C,Aに渡す札の色が(白,赤,赤)となる確率は\frac18でこのときF_1になる.
他も同様なので,あわせてp_{00}=\frac14p_{0j}=\frac18 (j>0)
(ii)iが奇数のとき
i=1の場合を考える.A,Bが渡す札の色は赤,白で固定であり,Cが赤を渡すとF_2:(2,1,0)に,白を渡すとF_0:(1,1,1)になる.それぞれの確率は\frac12
i=3,5の場合も同様であるから,p_{i,0}=\frac12p_{i,i+1}=\frac12
(iii)iが2以上の偶数のとき
i=2の場合を考える.A,Cが渡す札の色は赤,白で固定であり,Bが赤を渡すとF_0:(1,1,1)に,白を渡すとF_3:(1,2,1)になる.それぞれの確率は\frac12
i=4,6の場合も同様であるから,p_{i,0}=\frac12p_{i,i+1}=\frac12 (i=2,4)p_{6,1}=\frac12

以上を合わせて,p_{00}=\frac14p_{0j}=\frac18 (j>0),p_{i,0}=\frac12(i>0),p_{i,i+1}=\frac12(0<i<6),p_{6,1}=\frac12

(3)
q_1=p_{00}=\frac14であり,
n+1回移動したときはq_{n+1}=p_{00}q_n+p_{i0}(1-q_n)=\frac12-\frac14q_n
これより(q_{n+1}-\frac25)=-\frac14(q_{n}-\frac25)なのでq_n=\frac25+\frac35(-\frac14)^n
最終更新:2013年09月29日 07:00