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座標平面において,x座標,y座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ.
四つの格子点O(0,0),A(a,b),B(a,b+1),C(0,1)を考える.ただし,a,bは正の整数で,その最大公約数は1である.
(1)平行四辺形OABCの内部(辺,頂点は含めない)に格子点はいくつあるか.
(2) (1)の格子点全体をP_1,P_2,\ldots,P_tとするとき,△OP_iA(i=1,2,…,t)の面積のうちの最小値を求めよ.ただしa>1とする.

(1)
x=n (n:整数.0<n<a)を平行四辺形OABCが切り取る線分は長さ1である.
この線分の下端が格子点(n,m)のとき,n:m=a:bつまりnb=amでa,bの最大公約数は1なのでnはaで割り切れるがこれは0<n<aに反する.
従って,この線分(端を除く)は格子点を1つだけ含む.
これより,平行四辺形OABCの内部にはa-1個の格子点が含まれる.
(2)
P_i(n_i,m_i)とおき,x=n_iとOAの交点をQ_iとおく.
(△OP_iAの面積)=(△OP_iQ_iの面積)+(△AP_iQ_iの面積)=\frac{a}{2}P_iQ_i
P_iQ_i=P_jQ_jかつi≠jとなるi,jがあると仮定する.
このとき,P_iP_j//Q_iQ_j//OAなので(n_i-n_j):(m_i-m_j)=a:bつまり(n_i-n_j)b=(m_i-m_j)a
a,bの最大公約数は1なのでn_i-n_jはaで割り切れるがこれは0&lt;|n_i-n_j|&lt;aに反する.
これより,P_iQ_iはiにより相異なるa-1通りの値をとる.
ここで,P_iQ_i=m_i-\frac{bn_i}{a}であり,0&lt;P_iQ_i&lt;1よりP_iQ_i=\frac{k}{a}(k=1,2,…,a-1)のa-1通りの値しかとらないので,全てのk=1,2,…,a-1に対してP_iQ_i=\frac{k}aとなるiが存在する.
したがって,P_iQ_iの最小値は\frac1aであり,面積の最小値は\frac12
最終更新:2013年09月30日 15:17