k90s3

行列A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}で表される1次変換をf,行列B=\begin{pmatrix}a&c\\b&d\end{pmatrix}で表される1次変換をgとする.
(1)どんなベクトル\vec{u}\vec{v}に対しても,内積の間にf(\vec{u})\cdot\vec{v}=\vec{u}\cdot g(\vec{v})の関係が成り立つことを示せ.
(2)fが原点Oを通る直線lをそれ自身にうつすとする.l上にOと異なる点Pをとり,Pのfによる像をQ,gによる像をRとする.このとき,次の(イ)(ロ)のいずれかが成り立つことを示せ.
(イ)Q=R (ロ)3点Q,R,Oは直角三角形の頂点となる.

(1)
\vec{u}={x \choose y }\vec{v}={z \choose w}とおくと,
f(\vec{u})\cdot\vec{v}={ax+by\choose cx+dy}\cdot{z\choose w}=axz+byz+cxw+dyw
\vec{u}\cdot g(\vec{v})={x\choose y}\cdot{az+cw\choose bz+dw}=axz+byz+cxw+dywより成り立つ.
(2)
(1)の結果に\vec{v}=\vec{u}を代入して変形すると,\vec{u}\cdot (f(\vec{u})-g(\vec{v}))=0
\vec{p}=\vec{OP}とおくと,\vec{OQ}=f(\vec{p})\vec{OR}=g(\vec{p})なので
\vec{OP}\cdot\vec{RQ}=\vec{p}\cdot(f(\vec{p})-g(\vec{p}))=0
ここで,PはO上にないので,\vec{RQ}=\vec{0}または\vec{RQ}\perp \vec{OP}
(i)\vec{RQ}=\vec{0}のとき
(イ)が成立する.
(ii)\vec{RQ}=\vec{0}ではなく\vec{RQ}\perp \vec{OP}のとき,
fはlをlに移すことからQ≠OではなくOP//OQなのでRQ⊥OQ.
このとき,0\neq\vec{OP}\cdot\vec{OQ}=\vec{OP}\cdot\vec{OR}なのでR≠O.
以上よりRQ⊥OQでO,Q,Rが相異なる点なのでこれらは直角三角形の頂点となり(ロ)が成立する.
最終更新:2013年09月30日 22:13