k90s4

半径1,1-2rの同心円の間に半径rの円がn個,互いに交わらずに入っているという状態を考える.n(≧2)を固定した上で,rを変化させる.
(1)rは0<r\leq\frac{\sin\frac{\pi}n}{1+\sin{\pi}n}の範囲になければならないことを示せ.
(2)これらn+2個の円の面積の総和が最小となるrの値を求めよ.

(1)
rは半径なのでr>0.
同心円の中心をO,ある半径rの円(Cとおく)の中心とO'とおく.
Oを通るCの接線は2本あるが,これらの接点をP,Qとおく.
n個の円が互いに交わらない条件は,∠PO'Q≦\frac{2\pi}nすなわち∠PO'O<\frac{\pi}n
OO'=1-r,OP=rなので,\frac{r}{1-r}=\frac{OP}{OO&#039;}=\sinPO&#039;O\leq\sin\frac{\pi}n
これを整理するとr\leq\frac{\sin\frac{\pi}n}{1+\sin{\pi}n}
(2)
n+2個の円の面積の総和は\pi1^2+\pi(1-2r)^2+n\pi r^2=\pi((n+4)r^2-2r+2)=\pi((n+4)(r-\frac1{n+4})^2+2-\frac1{n+4})
ここで,\frac1{n+4}-\frac{\sin\frac{\pi}n}{1+\sin{\pi}n}=\frac{(1+\sin{\pi}n)-(n+4)\sin\frac{\pi}n}{(n+4)(1+\sin{\pi}n)}であり,
(分子)=1-({n+3})\sin\frac{\pi}n
f(n)=\frac1{n+3}-\sin\frac{\pi}nとおくと
f(2)=\frac15-1&lt;0であり,
f&#039;(n)=-\frac1{(n+3)^2}+\pi\cos\frac{\pi}nよりn≧3のときf&#039;(n)&gt;-\frac1{3+3}^2+\pi\cos\frac{\pi}3&gt;0
\lim_{n\to\infty}(n+3)f(n)=1-\lim_{n\to\infty}(n+3)\sin\frac{\pi}n=1-\pi&lt;0であるから,f(n)<0.
これより,\frac1{n+4}&lt;\frac{\sin\frac{\pi}n}{1+\sin{\pi}n}であるから,面積の総和が最小となるrの値は\frac1{n+4}.
最終更新:2013年09月30日 23:04