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nを奇数とし,f(x)=|\sin\frac{2\pi x}n|とする.
(1)集合{f(k)|kは整数}は何個の要素を持つか.
(2)mをnと素な整数とすると集合{f(mk)|kは0\leq k\leq\frac{n-1}2なる整数}はmによらず一定であることを示せ.

(1)
f(x+n)=f(x)なので0≦k<nなるkだけを考えればよく,
f(n-x)=f(x)なので0≦k≦\frac{n-1}2なるkだけを考えればよいので,要素は最高\frac{n+1}2個.
ここで,任意の0≦j≦\frac{n-1}2に対し,
jが偶数のとき|\sin\frac{\pi j}n|=f(\frac{j}2)
jが奇数のとき|\sin\frac{\pi j}n|=|\sin\frac{\pi (n-j)}n|=f(\frac{n-j}2)は含まれ,
|\sin\frac{\pi j}n|は0≦j≦\frac{n}2で単調増加なので j=0,1,…,\frac{n-1}2で相異なる値をとるから,要素は最低\frac{n+1}2個.
以上より\frac{n+1}2個の要素を持つ.
(2)
A(m)={f(mk)|kは0≦k≦\frac{n-1}2なる整数}とおくとA(m)⊆{f(k)|kは整数}.
(1)のようにf(x+n)=f(x),f(n-x)=f(x)に注意すると{f(k)|kは整数}=A(1).
さて,0≦k<l≦\frac{n-1}2に対しmlとmkをnで割った余りを0,±1,…,\pm\frac{n-1}2と表すとき,余りの絶対値が等しいと仮定する.
このときm(l±k)はnで割り切れるがmはnと素なので0<l±k<nなるl±kがnで割り切れることになり矛盾.
従って,0≦k≦\frac{n-1}2に対しmkをnで割った余りの絶対値は相異なるから,
任意の0≦j≦\frac{n-1}2に対しj=|mk-nl|を満たす整数k,l (0≦k≦\frac{n-1}2)が存在し,
f(mk)=|\sin\frac{2\pi |mk-nl|}n|=|\sin\frac{2\pi j}n|.
つまり,任意のA(1)の元がA(m)に含まれるのでA(1)⊆A(m).A(m)⊆A(1)とあわせるとA(m)=A(1)となり,mによらない.
最終更新:2013年10月02日 16:34