平面上に2つの円C,C'がある.1次変換fは逆変換をもち,かつCをC'にうつしている.
(1)lをC上の1点Pにおける接線とする.このときlのfによる像l'は点f(P)におけるC'の接線である.この理由を述べよ.
(2)AをCの中心とすれば,f(A)はC'の中心となる.この理由を述べよ.
(1)
fは逆変換を持つので,点P,Qに対しf(P)=f(Q)ならば

である.
従って相異なる2点は相異なる2点に移る.
lの式はx=(tの1次以下の式),y=(tの1次以下の式)と書けるが,l'の式もx=(tの1次以下の式),y=(tの1次以下の式)となる.
従ってl'は直線か点であるが,l上の相異なる2点がl'上の相異なる2点に移るのでl'は直線.
また,相異なる2点は相異なる2点に移るからl'とC'の共有点はf(P)のみ.
これらより,l'はC'と一点f(P)を共有する直線なので,これはf(P)における接線である.
(2)
Aを通る直線lとCの交点をP,Qとおく.PとQは相異なるのでf(P)≠f(Q).

より

であるから,f(P)f(A)=f(A)f(Q).
これよりf(A)はC'の弦f(P)f(Q)の垂直二等分線上にある.
lと異なる直線についても交点をR,Sとおくと同様のことが言えるのでf(A)は弦f(R)f(S)の垂直二等分線上にある.
弦f(P)f(Q)と弦f(R)f(S)は相異なるのでf(A)はC'の中心である.
最終更新:2013年10月02日 20:27