行列

で表される1次変換をfとする.
(1)fによる全平面の像は直線l:2x+y=0であることを示せ.
(2)平面上の点P(x,y)に対し,l上の点でPとの距離が最小となる点をQとし,fによる像がQとなる点のうちで,原点との距離が最小となる点をP'とする.P'の座標(x',y')をx,yで表せ.
(3)点P(x,y)に点P'(x',y')を対応させる写像をgとする.合成写像

および

を求めよ.
(1)
平面上の点P(x,y)に対し,

であり,このとき2(x-y)+(-2x+2y)=0が成り立つので,fによる全平面の像は直線lに含まれる.
また,直線l上の任意の点(x,-2x)に対し,x軸上の点P(x,0)をとると

が成り立つので,直線lはfによる全平面の像に含まれる.
以上より示された.
(2)
R(p,q)に対し,

とlが直交することが,f(R)=Qであることの必要十分条件である.

がlの法線ベクトル

に平行ならばlと直交する.
このとき

つまり

.
従ってRは傾き1,y切片

の直線上にあるが,この直線にOから下ろした垂線の足がP'であり,

となる.
(3)
gは行列

で表される一次変換である.
f,gを表す行列をF,Gとおくと,
であるから,

および

.
最終更新:2013年10月03日 04:08