k91s2

行列\begin{pmatrix}1&-1\\-2&2\end{pmatrix}で表される1次変換をfとする.
(1)fによる全平面の像は直線l:2x+y=0であることを示せ.
(2)平面上の点P(x,y)に対し,l上の点でPとの距離が最小となる点をQとし,fによる像がQとなる点のうちで,原点との距離が最小となる点をP'とする.P'の座標(x',y')をx,yで表せ.
(3)点P(x,y)に点P'(x',y')を対応させる写像をgとする.合成写像f\circ g\circ fおよびg\circ f\circ gを求めよ.

(1)
平面上の点P(x,y)に対し,f(P)={x-y\choose -2x+2y}であり,このとき2(x-y)+(-2x+2y)=0が成り立つので,fによる全平面の像は直線lに含まれる.
また,直線l上の任意の点(x,-2x)に対し,x軸上の点P(x,0)をとるとf(P)={x\choose -2x}が成り立つので,直線lはfによる全平面の像に含まれる.
以上より示された.
(2)
R(p,q)に対し,\vec{Pf(R)}とlが直交することが,f(R)=Qであることの必要十分条件である.
\vec{Pf(R)}={p-q-x\choose -2p+2q-y}がlの法線ベクトル2\choose 1に平行ならばlと直交する.
このときp-q-x=2(-2p+2q-y)つまり5(p-q)=x-2y
従ってRは傾き1,y切片\frac{x-2y}5の直線上にあるが,この直線にOから下ろした垂線の足がP'であり,P'(\frac{x-2y}{10},-\frac{x-2y}{10})となる.
(3)
gは行列\begin{pmatrix}\frac1{10}&-\frac15\\-\frac1{10}&\frac15\end{pmatrix}で表される一次変換である.
f,gを表す行列をF,Gとおくと,
GF=\begin{pmatrix}\frac12&-\frac12\\-\frac12&\frac12\end{pmatrix}
FGF=\begin{pmatrix}1&-1\\-2&2\end{pmatrix}=F
GFG=\begin{pmatrix}\frac1{10}&-\frac15\\-\frac1{10}&\frac15\end{pmatrix}=G
であるから,
f\circ g\circ f=fおよびg\circ f\circ g=g
最終更新:2013年10月03日 04:08