実数x の小数部分を, 0≦y<1かつx − yが整数となる実数y のこととし, これを記号

で表す。
実数a に対して, 無限数列

の各項

(n =1, 2, 3, …)を次のように順次定める。
(i)
(ii)

のとき,

のとき,
(1)

のとき, 数列

を求めよ。
(2) 任意の自然数n に対して

となるような

以上の実数a をすべて求めよ。
(3) a が有理数であるとする。a を整数p と自然数q を用いて

と表すとき, q以上のすべての自然数n に対して,

であることを示せ。
(1)

であることを数学的帰納法で示す.

.

のとき,
となり,k+1でも成立.
(2)

より

.

より

であるから,

.

を満たすのは

.
このとき確かに任意の自然数nについて

となる.
(3)
aが有理数のとき

は正の有理数なので自然数

,

を用いて

とおく.

と仮定する.

の定義より

,

.また,n<qで

である.

これより

となり矛盾.
これより

であるが,定義よりq以上のすべての自然数nに対して

.
最終更新:2011年10月20日 15:29