f,gをそれぞれ行列

,

の表す1次変換とする.以下では一般に1次変換a,bの合成

を簡単にbaと記す.また,aaを

,aaaを

と書く.
(1)

を示せ.ただし,iは恒等変換,すなわち任意の点をそれ自身に移す変換である.
(2)変換f,gf,fgf,gfgf,fgfgfは,変換g,fg,gfg,fgfg,gfgfgをある順序に並べ替えたものである.後者の5つの変換はそれぞれ前者の5つのどれと等しいか.
(3)3点

,

,

を頂点とする三角形をΔとする.Δをf,gで繰り返し変換して得られるすべての三角形の和集合を図示せよ.
(1)
所与の行列をそれぞれA,Bとする.

(E:単位行列)を示せばよく,
ケイリーハミルトンの定理より

,

である(O:零行列).
また,

であるからケイリーハミルトンの定理より

.
これに左からBA-Eを掛けて

.
以上より

であるから示された.
(2)
g=ggfgfgf=fgfgf.
これにfを作用させてfg=ffgfgf=gfgf,
これにgを作用させてgfg=ggfgf=fgf,
これにfを作用させてfgfg=ffgf=gf,
これにgを作用させてgfgfg=ggf=f.
(3)
Δをf,gで繰り返し変換して得られる三角形は,

より,Δにfとgを交互に作用させたものとして表せる.
ここで,(2)よりg=fgfgfであることから,すべてのこのような三角形はまず最初にΔをfで変換したものとして表せる.
従って,f,gf,fgf,gfgf,fgfgf,gfgfgf,fgfgfgf,…で変換したものであるが,

よりfgfgfgf=fなのでこれ以降は新しい三角形は得られない.
つまり,求める和集合はΔをf,gf,fgf,gfgf,fgfgf,gfgfgfで変換して得られる三角形の和集合.
この変換により,

は不変,

は

,

,

,

,

,

,

は

,

,

,

,

,

,
に移るので,求める和集合は以下のとおり.
(図省略.|x|≦1かつ|y|≦1かつ|x+y|≦1の領域.)
最終更新:2013年10月11日 05:54