k95s4

xとyの2文字からなる文字列z_nを次の規則(イ),(ロ)で順次定めていく.
(イ) z_1= xとおく.
(ロ) z_nの中に現れるすべてのxをyxで,すべてのyをxxで置き換えてできる文字列をz_{n+1}とする(n=1,2,3…).
例えば,z_2=yx,z_3=xxyx,z_4=yxyxxxyxである.2次の正方行列A,Bに対して,z_nの中のxをAで,yをBで置き換え,行列の積を作ってできる行列をC_nとする.例えばC_1=A,C_2=BA,C_3=AABA(行列の積)である.
A=\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}B=\begin{pmatrix}-1&0\\0&1\end{pmatrix}のとき,n≧3ならばC_n=\begin{pmatrix}-1&1\\0&1\end{pmatrix}であることを示せ.

ここで,C_3=AABA=\begin{pmatrix}1&2\\0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}-1&-1\\0&1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-1&1\\0&1\end{pmatrix}
BABA=\begin{pmatrix}-1&-1\\0&1\end{pmatrix}^2=E
C_3C_3=\begin{pmatrix}-1&1\\0&1\end{pmatrix}^2=E
z_{n+2}z_nの中に現れる全てのxをxxyxで,全てのyをyxyxで置き換えてできる文字列である.
従ってC_{n+2}z_nの中に現れる全てのxをC_3で,全てのyをEで置き換えて行列の積を作ったものに等しい.
置き換える操作によりxの個数の偶奇は不変なのでz_nの中にはxは奇数個しか出現しない.
これよりkを適当な奇数としてC_{n+2}=C_3^k=C_3なので示された.
最終更新:2013年10月13日 14:33